第42回「降車ボタン」《並》④
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第42回 写真de俳句】《並④》
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光風や他校の君と会えるバスいくたドロップ
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囀りの光あふれて途中下車桜貝
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春の海降車ボタンの音軽く桜貝
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バスの扉が開いて未だに眠る山千暁
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ドレッドに譲らるる席春の虹夏の舟
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初路線の降車ボタンや春の雷夏の舟
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麗かや子に押し負ける降車ボタン山内彩月
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月明り長距離バスで泣く女ヒマラヤで平謝り
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還暦の先は花道バス降りるジョルジュ
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山笑う間をおいてポンと響くバス頓狂
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卒業や降車ボタンのかすれ文字和み
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降車口ふはりと降りて春の宵和み
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教師への夢語る君春のバス光太郎
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通学路の下見車窓の桜かな光太郎
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春の川ボート練習乗り越してみよこ
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鬻嚏読みに格闘二月尽みよこ
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退職の最後のバスや春の暮高山佳風
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春を見に小さな旅の路線バス裕
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春の朝小さき指で降車ボタン裕
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降車ボタン揺れる雪道夫(つま)見舞う光優
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春夕立バス停の父傘二本星瞳花
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降車ボタン先押され吾子春時雨星瞳花
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バスに乗る背中も硬し新社員西田武
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終点も「止まる」押す子ら春休み西田武
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たんぽぽをちょいと摘みたり老夫婦龍酪
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バス降りる標となりて枝垂咲く辻さつき
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人里(へんぼり)の桜見ゆれば降車ボタン辻さつき
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卒業や名札かすれしランドセル石川潤子
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降車ブザー明日は押せぬと卒業子曽根朋朗
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子の手紙また読む春の通勤路瀬央ありさ
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押しそびれ降車できずに年の暮れ久楽
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降車ボタン競う手套の色色色木村奈須
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春眠やアラーム鳴りて目を覚ますそうわ
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遠雷や次のバス停トトロ待つ水無月
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御持たせの母のきんぴら唐辛子mayu
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乗り継ぎの告別式や雪の果mayu
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朝寝するバス停に濡れ猫座る紺
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忘れ雪手を振る祖母の小さくなりしろぴー
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自撮り棒伸ばす聖地の夏帽子唯野音景楽
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聖樹めく並木「第九」へホール下車唯野音景楽
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五形花のこえ下車とアイコンタクトくるすてぃーぬ
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爪磨き女待つらし春コート草野ふうこ
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懐炉手に押す降車ボタン朝のバス東ゆみの
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春風はバスのステップ遡上する富永三紀
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行く春とバスを止めんとする子かな植木彩由
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春の風老人パスを握りしめ中村あつこ
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春休み見かけぬ人と共に降る中村あつこ
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血圧と酒を秤に朧かな欅山四十八景
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現役の降車ボタンや暮れの秋欅山四十八景
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古希近し退職どきか竹の秋蕃茄
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入力毎当選念じ夏を待つ蕃茄
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立ち漕ぎで君のバス追う春の虹理恵にゃん
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卒業や降車ボタンの字のかすれ骨のほーの
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うららかやゆらりシートに吾子眠る骨の熊猫
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オーバーツーリズム花見疲れの市バスかな藤本花をり
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入社式構内バスでお出迎え船橋おじじさん
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硝子越し合わす指先名残り雪三日月 星子
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束の間の花めぐりバス停留所白猫あんず
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春昼や乗車無き間の開き扉白猫あんず
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春の朝二駅前の急な下車ちえのわ
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春の朝二駅前から歩き出すちえのわ
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赤信号傘に降り積もる春の雪ピンクアメジスト
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降車ボタン押さず花野の果つるまで清瀬朱磨
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人生の降車ボタンぞ押さぬ春周子(ちかこ)
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春暮るるかすかに吾の停車ベル周子(ちかこ)
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アナウンス真似る車内や春の旅まるにの子
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山笑ひ客まどろめる始発バスひなた和佳
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見えてきた降車ボタンの山笑う山尾政弘
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短日のバス障害者手帳見せ小花風美子
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京都駅行きバスの揺れ花曇小花風美子
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左手のペン胼胝乾き卒業すさち今宵
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春の風花一輪と乗車客いたっくうらら
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麗かや狙う指さき降車ボタンいたっくうらら
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春寒しバス通の子の臑細し楽奏
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春昼の指停車ボタンを押し忘れ楽奏
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バス停や姉を見送る蝉時雨シナモンティー
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止まります押せぬボタンの木の芽時シナモンティー
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辛夷咲くこの横顔はあの彼だ青居 舞
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油照り降車ボタンを睨む午後ヨシキ浜
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バス待てず最寄り駅まで汗だくでヨシキ浜
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雪降るやバス停見える通学路竜酔
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ランプ点く吹雪くバス停人並ぶ竜酔
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はっとして「降車」の点る桜時迷照 りん句
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早押し競うジャンプの指や春のバス弥音
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小姑の降車ボタンを押す日傘芦幸
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背のびしてボタン押す子の春帽子きみこ
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降車ボタン押す子の笑みに春の風きみこ
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降車ボタン鳴らし未来へ一年生入江みを
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春昼や降車ボタンに届かぬ子湧翠
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春眠し遠くで鳴る降車ボタン海野ちきまる
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花曇りてるてる坊主並ぶ窓酒呑走人
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あと二つ新天地まで春の午後酒呑走人
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春稼ぎうみがめバスでウージ刈り山内プーコ
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淡雪や君の降車ボタンの響きまこく
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春の風降車ボタンを気まぐれに由紀子
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つり革を握る手堅し新社員風の木原
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花盛り本丸攻める異邦人こちのうめか
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京都の春雨五組のバス探すこちのうめか
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卒業期叱られたくて悪ふざけすずきあんず
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世界遺産バス行く土手や豊の秋日々の茶めし
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面会拒否終バス乗れず徒歩春夜舟端玉
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子の宿は朧なりしかバス逃す舟端玉
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アウターは布団二月の夜行バス前田
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大船は降りると決めた魚は氷になおちゃん
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別珍の座席ゆずられ雲の峰くるぽー
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咳払いのよな「さよなら」卒業式咲織
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下方から光りて溶ける冬の車窓咲織
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初登園兎角押したき降車釦ときちゅら
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「降ります」と両手塞がる桜人ときちゅら
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バスの外いま街灯点く夕霞いそのつる
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春宵や決めかねている明日のパン松葉ぼたん
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春光の車内へ「次とまります」おかだ卯月
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囀や降車ボタンのタイミングおかだ卯月
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春暁や降車ボタンを点灯す紅紫あやめ
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擦れ字の降車ボタンへ光る風紅紫あやめ
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バスの揺れ入学式の本校へはなぶさあきら
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カラオケとノンステップバス春へゆくむねあかどり
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真新しスーツに無情春の雷太之方もり子
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卒業や降車ボタンを押す最後太之方もり子
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四月のバス手すりをぎゅっとランドセル藤子
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外つ国の人等ジェスチャー春のバス藤子
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押し忘れ乗越ししても老の春とも女
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「降ります」と杖つき急ぐ春愁へとも女
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あまりにも桜がきれいでバス降りるトリケイ
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凜秋やこのバス停とあと2日べにりんご
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春光や旧型バスのふるさと便わかめ
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卒業日家路の吾に飛行雲わかめ
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春雷に降車ボタンの震える手みーこ39
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入学児降車ボタンに背伸びしてみーこ39
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野ざらしのグッチ9ドル熱帯夜北欧小町
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広告ものんびりしたる帰省かな阿部八富利
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春隣「病院前」でバス降りる志無尽おたか
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停車ボタン押され号泣うららけし水豚庵
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樽回すごとくハンドル春のバス井上れんげ
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鳴りやまぬナースコールや春の雷庭野利休梅
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帽子とリュック登山口のバス停朝野あん
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春眠やお腹の中の優先席がらぱごす
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墨衣吊り革拝む目借時がらぱごす
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巻末の「次巻6月!」寒き春杜若友哉
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巻末で世界が終わり遅き日よ杜若友哉
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選択の自由の重さ涅槃西風福島 サキ
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バスガールごっこ遊びに瑠璃の鳴くるはちか
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下車停で待つ母の笑み青時雨るはちか
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風光る初出勤の停留所あおみどり
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春の暮かぼそき猫に耳当てる真壁らん
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降りたちて夫と大和路春動く真壁らん
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母親とひらがな読む子風薫る赤坂みずか
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春の宵「次止まります」の声の浮く平岡梅
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ネコバスに乗る青嵐の停留所平岡梅
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目借り時歯科診察台倒され蘭淳子
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降車ボタン奪い合う吾子山笑う蘭淳子
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少年へ駅路問ふ春ゆやけ背に文月蘭子
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夏の旅「とまります」あり錫蘭にて西木いぐあな
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バス温し不意な居眠りボタン押せず西木いぐあな
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昼のバス窓てふ窓を花吹雪あなうさぎ
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春暑し奥へ進めぬ混みしバス槇 まこと
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手袋の小銭指先降車かな暑寒りんご
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車窓から黄帽の子らとチューリップご縁郁
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花の雨君を見かけぬバスを降りご縁郁
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客ふたり貸し切りバスに山笑ふ曾我風蘭
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降車ボタンみんなが押すや新学期律
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バス止まり誰も降りぬや春の風律
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休め田や掠れたままの降車ボタン紫黄
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バス停も婆もわんこも春ん中紫黄
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降車ボタン押せず泣く子よ山笑ふ猫雪すあま
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人生を降るる勇気は無く彼岸牛乳符鈴
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予定より早く退職弥生尽牛乳符鈴
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降車ボタン押しても語呂合わせの冬夜天宮ほたて
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春風が届く額絵に見とれけり水琴子
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春入日岬と知りて降りたちぬ水琴子
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「とまります」膝にぬっくり蓬餅楽和音
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廃バスの集会所揺れ花篝楽和音
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降車ボタン連打懲りない半ズボン俊恵ほぼ爺
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十年のバス通学や卒業す佐倉英華
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春色の漢字表記の降車釦美湖
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進学すバスの始点の新転地美湖
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「おります」の声ちいさくて風信子島田あんず
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聞きそびれ押し間違えて下車の春トヨとミケ
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通院の車窓の花見三年かなトヨとミケ
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言の葉の一つは土産初列車亘航希
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ドキドキの降車ボタンや一年生まさし
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吊り革の揺れとシンクロ一年生やしたあきら
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ソロデビューバス通学の一年生やしたあきら
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譲り合う優先座席春めいて葉月庵郁斗
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降車ボタンじょわんと一つ春の雷田季たまき
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春の夕降車ボタンの人まかせ向日葵子
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「とまります」はジャンプ笑顔入園児向日葵子
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春の夕ひらめく一品バスは着く雫心
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卒業でバスとお別れ通学路つきみつ
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届かぬ手降ります声の新入生つきみつ
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如月に降車ボタンか人生の三宅 光風
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空港で出迎ふ君と花ミモザしげ尾
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消えかけの「つぎとまります」春の月なないろ
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春夕焼君に影添う停留所奏美和
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席隣一会のえにし花吹雪コリちゃん
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定期バス笑顔を残し卒業すコリちゃん
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バス停に忘れてあるよチューリップ砂月みれい
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ランドセル春風とバス待っているふづきかみな
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春の雨びんぼうゆする運転手ふづきかみな
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花見てるふりしてるでしょ何か言え錆鉄こじゃみ