写真de俳句の結果発表

第42回「降車ボタン」《並》⑥

降車ボタン

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

 

※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。

【第42回 写真de俳句】《並⑥》

  • 鈍行九時間此処の春もゆるり
    壱時
  • 永き日の土産の重き降車ボタン
    朝ごはん
  • バスを待つその日まかせの春の空
    朝ごはん
  • 春の雪話に夢中駅通過
    紫陽花
  • 風光る久方振りの渋谷駅
    紫陽花
  • 春光の降車ボタンへ小さき指
    香代
  • 降車ボタン押したがる子や春の風
    香代
  • カタコトの席譲る声京の春
    千舟
  • 日脚伸ぶ下校のチャイムのびやかに
    秀翁
  • 除夜の鐘搗く毎命すり減らす
    秀翁
  • 下車ボタン押せぬ二人やバス朧
    さふらん
  • 下車ボタンほいと桜の景に降る
    さふらん
  • バスの床散らばりふわり桜かな
    雪割草
  • 剥げかけた降りますボタン卒業す
    雪割草
  • Sudokuを解く人降りて蔦若葉
    八月黄緑
  • 出番待つシェアサイクルへ柳の芽
    八月黄緑
  • 春めきて指紋の匂ふ降車ボタン
    霧賀内蔵
  • もう降りぬ停留場や彼岸前
    看做しみず
  • 降車ボタン「今よ」手伸ばす吾子や春
    志きの香凛
  • 小銭数へ降車ボタンの急くや春
    志きの香凛
  • 降車ボタンの掠れた字六十の春
    雪花
  • 風光る降車ボタンの小さき指
    雪花
  • 四月馬鹿右手に硬きパスケース
    おおい芙南
  • 青葉闇抜けてキネマの白きこと
    水鏡新
  • 黒田節の鼻歌の爺はるのかわ
    田に飛燕
  • 白きマリア像見上ぐる朧月
    田に飛燕
  • 運転手の裏返る声春霞
    ぐりぐらら
  • 初桜女ばかりの路線バス
    さち緖
  • 独り占めのバス窓窓花回廊
    智隆
  • 春昼や夫に内緒の喫茶店
    佐竹草流
  • 春ショール声のトーンも柔らかく
    佐竹草流
  • 着ぶくれて降車口まで進めない
    小野蒼水
  • 仲春の崩れ弁当友と食ぶ
    湖七
  • 押せぬままどんどん怖くなる四月
    どゞこ
  • 降車ベル逸る指先海開き
    朝日千瑛
  • 降車ベル撫づごとく押す卒業日
    朝日千瑛
  • 「ヤンゴンの春」「降車ボタン」はそのままで
    立町力二
  • 坂を越える車窓へ夏の水平線
    にわのこでまり
  • 線路傍の残雪定年の朝
    鈴木 リク
  • 双子の春降車ボタンに競う指
    鈴木 リク
  • 春眠し一停先でボタン押す
    森 健司
  • 凍空に満員の人始発バス
    森 健司
  • 痩せ山や降車ボタンの秋夕焼
    ひーちゃんひーちゃん
  • 知らぬ街降車ボタンに春の風
    瞳杏
  • 春愁や降車ボタンに迷う指
    瞳杏
  • 里近し降車ボタンを押す小春
    みやもとや
  • 止まりたる球児のバスや阪神忌
    山本八
  • ピンポーン入試の朝の次発バス
    山本八
  • 摘まめそう箸の先には天狼星
    水越千里
  • 唯一の停車場凍つるアウシュヴィッツ
    水越千里
  • 春日の降り駅呟くボタン前
    比園 岳
  • 立山のトロバス偲ぶ名残雪
    眼蔵
  • 春宵や停車ボタンにネイル指
    眼蔵
  • 春の宵一斉に咲く降車ボタン
    鈴木そら
  • 目借時乗り越し降りるここは何処
    鈴木そら
  • 「アゲドウフ」(Igetoff)手上げ声上げ夏真昼
    日月見 大
  • 定年の日通勤バスの窓に飛花
    日月見 大
  • 露の世や降車ボタンへ白い爪
    めぐえっぐ
  • バスの中ネイルの蝶が止まります
    めぐえっぐ
  • 色褪せたベンチ宿木の早緑
    ひまわり
  • 仮の宿吾を待ちくれし蝉あえか
    ひまわり
  • バス停を数えてばかり入学児
    朗子
  • 晩夏光二度も押されし核ボタン
    多数野麻仁男
  • 青き踏む園児いっぱい朝のバス
    真秋
  • 終点のボタンを押す日万愚節
    はなゑ
  • 春の闇降車ランプは一斉に
    石井青花
  • 春の風「次停まります」手摺持ち
    鈍牛
  • ボタン押し降りるは完治長閑なり
    鈍牛
  • 吾子は言うピンクふくらむ木は桜
    清桜人
  • 車窓からあれも桜と気づく朝
    清桜人
  • 園バスの帰り待つ犬桜守
    夢追い人
  • 車窓より君をみつけし春の朝
    夢追い人
  • 降車ボタン押し忘れたら春に来た
    雪椿
  • 春のバスばか丁寧な運転手
    雪椿
  • 指おどり押す停止灯缶に蝌蚪
    萌黄多恵
  • 車窓から見えし蜜柑と君の背と
    布川 洋一
  • 降りますの赤き光とりんごの香
    布川 洋一
  • AirPodsプレイリストは晴春
    ミテイナリコ
  • ICカードを出口にタッチ風光る
    花菘
  • 卒業の子の頬赤く下車ボタン
    白庵
  • 乗り過ごし高尾山にて蕨蕎麦
    白庵
  • 新社員停車ボタンへびびる指
    和脩志
  • バスとまる軽鴨の子ら横断中
    大日向都
  • 赤き頬橇抱き寝息結露のバス
    春瑛
  • 春まけてバス待つ人の影短
    順孤
  • バスは行く桜トンネル静々と
    順孤
  • 路線バス秩序搔き乱るる四月
    碧月ゆう
  • 春の雲塔に隠るる新社屋
    三日月なな子
  • 公園前降りたる先の梅見頃
    三日月なな子
  • 降車するバス停変はる四月かな
    高見 正太
  • 枝枝の影バス中を春日濃し
    古乃池 糸歩
  • ルルと鳴く仔猫やバスの終点地
    ラテ
  • あの席と決めて乗るバス春茜
    ラテ
  • 早押しを構えて孫の悴む手
    飯島寛堂
  • バス寒し万民偲ぶ擦れボタン
    飯島寛堂
  • 停留所「ぼくがおすよ」と春の昼
    なみきたか
  • バス旅の終点近き余寒かな
    なみきたか
  • 弾丸の夜行バス夏の応援
    久えむ茜咲
  • 廃線や夜市にはづむ幼き日
    青田道
  • 春の三日月夫の回復早やかれと
    えりち
  • 卒業式告れなかった戻ろうか
    えりち
  • 乗り過ごす掟を知らぬ町は春
    餃子大王
  • 停止階は日永翁と徘徊
    餃子大王
  • 「よかバス」を独り占めして春岬
    睦花
  • バス停に「ねこバス」来そう木の芽時
    睦花
  • 耕人や終点で押す降車ボタン
    中島タカシ
  • 冬銀河降車ボタンの赤二列
    中島タカシ
  • 牛若丸好きな子連れて春の京
    正宗一孝
  • 斑雪乗降客の無きバス停
    正宗一孝
  • 春雨や通学バスに拾五圓
    天龍蘇人
  • 渋滞のバスを横目に受験生
    天龍蘇人
  • 「とまります」の声は遠くに春眠し
  • ここで押す先輩の指示新社員
  • 春の雨涙止まらぬ降車ボタン
    朝陽薫
  • 背伸びしてボタン押す子やつくしんぼ
    閑陽
  • バス逃し春泥の道とぼとぼと
    閑陽
  • 押さず過ぐ降車ボタンや春うれひ
    朱鷺
  • 春雨や喧嘩のあとの循環バス
    朱鷺
  • 駅蕎麦の一味ましまし冬の月
    ガリゾー
  • 通学の練習する子よ梅匂ふ
    寒芍薬
  • 車窓越し君との街の春の果て
  • 入園の兄が指添ゆ降車ボタン
    あきの風さん
  • 「つぎ止まります」に腰浮く花の寺
    あきの風さん
  • 降車ボタン先を競へる一年生
    えりまる
  • 春隣停留所なき村のバス
    えりまる
  • 「とまります」文字のかすれや卒業す
    長谷部憲二
  • 大都会冬に向かってとどめさす
    老黒猫
  • 抱っこひも吾子の視線に春の風
    老黒猫
  • うらうらとバスのうたた寝自分時間
    銀猫
  • 花なずな日に三本のバスの道
    UVA桜
  • 春の雨帰りのバスも「ロビンソン」
    ひいらぎ
  • 春時雨君待つ部屋へ駆けてゆく
    ひいらぎ
  • 車掌のいるバスに乗りたい夢見月
    一 富丸
  • 満員に膝触れ合うも梅雨明け
    つばき
  • 田舎バスおたまじゃくしと祖母の待つ
    入道まりこ
  • 終バスを逃し闇夜に鐘冴ゆる
    蛙目
  • 着膨れて座席はみ出す老夫婦
    蛙目
  • 子ら競う降車ボタンを卒業日
    こきん
  • 通勤や席を譲れずゐる彼岸
    北里有李
  • バス停の不惑の桜静かなり
    妙啓
  • にらめっこ降車ボタンの外の春
    小林弥生
  • 皺消えし父の死に顔春一番
    佐藤さらこ
  • 偶さかの友と声高初夏のバス
    なか鹿の子
  • 四月から押さぬブザーや母校前
    風譚
  • 春休み降車ボタンは人気者
    千寿 ココ
  • 春の昼次止まります言い忘れ
    山本芳山
  • のぼり旗ここで降ります草団子
    山本芳山
  • バス停のベンチにひとり四月馬鹿
    塞翁が馬
  • 肌の色とりどり春の金閣寺
    塞翁が馬
  • ゆっくりと押す指震える五月闇
    八重山吹
  • 春の野に降り立つ夢や杖は無く
    八重山吹
  • 留まるな春一番を追い風に
    やぎみか
  • 降りられぬ世をひと休み春の風邪
    やぎみか
  • 新入生バス通学を持て余す
    華婦香 (カフカ)
  • バス走る桜並木と平行に
    華婦香 (カフカ)
  • パスモへのチャージの記憶春疾風
    雄蹴
  • バス好きでボタン好きの子春の昼
    幸島猿子
  • 信号を過ぎたら押そう春時雨
    幸島猿子
  • ナースコール退院の日の眼白鳥
    海里
  • マーローの謎解けぬまま木下闇
    海里
  • 卒業やバスの扉は左側
    勇緋
  • 上出発ワンマンバスや夏帽子
    奥伊賀サブレ
  • 明日廃車洗う飛沫は枯庭に
    ぎゅうたん
  • バスストツプ花街道の親子猿
    素牛
  • 春愁やナースコールじゃあるまいし
    ミツコ
  • 地獄行きバスを途中下車した春の宵
    こはる
  • 春の昼カチッよりポチッな降車ボタン
    となりの天然石
  • 除夜のバスあれ?前の席息子じゃん
    となりの天然水
  • 春めくやバス停並ぶランドセル
    呉暮子
  • 揺れるバス肩触れ会釈春の風
    呉暮子
  • とまります嘘も混ぜてた遠い夏
    砂糖香
  • あっだめよあわてるママに春動く
    砂糖香
  • こどもの日降車ボタンの争奪戦
    風花舞
  • 春の夢降車ブザーで目覚めけり
    風花舞
  • バス来るしバス停見えるし青嵐
    鳥乎
  • 連れて行け蝶の飛び来て囁ける
    山崎三才
  • 降りてみむ口を開けたる春の闇
    山崎三才
  • 車窓ごし傘持つ母よ彼岸入り
    バイカウツギ
  • 紅梅の一輪点る降車釦
    はるを
  • 春の服ランウェイのごと降車釦
    はるを
  • 降車ボタン鳴りて子猫も籠で鳴き
    夏村波瑠
  • 塾は午後乗り場下見へ受験の子
    ならば粒あん
  • 春一番押忍も気弱な僕よ押忍!
    ならば粒あん
  • 君に似た横顔を追ふ春座席
    前田いろは
  • 春昼やバス通院の七年目
    すうばあば
  • 春の雲ドミソの旗の赤灯る
    さざなみ葉
  • 降車ボタン今朝も押せずに卒業す
    まるるん
  • 卒業や海行くバスに飛び乗りて
    わだつみ
  • 背の子押すブザー公園前よ春
    岳陽
  • 付け爪で降車ボタンや薄紅梅
    岳陽
  • 雪で混むバス押しボタン見て泣く吾子
    つる
  • 潔癖症マフラーで押すバスのボタン
    つる
  • 春昼やぼんやり耳の運転手
    銀髪作務衣
  • 吾の知らぬ開閉ボタン山笑う
    苅桜守
  • バス停でおでこ全開花嵐
    欣喜雀躍
  • 降車ボタン子らが取り合う梅見月
    おしゃべりスナフキン
  • バス停まる指空を切る四月かな
    夏蜜柑久楽
  • 墓地行きの結露の車窓に紫木蓮
    和神楽
  • 春雷とバス待つ列の最後尾
    和神楽
  • 運転手はいつもの名前入社式
    江口朔太郎