第42回「降車ボタン」《並》⑦
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第42回 写真de俳句】《並⑦》
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降車口のきょうだいげんか風光る天雅
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春闘は停留所前バスはまだ藤央
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降車ボタン押され押されて春の泥華柊
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春手袋免許返納バスはまだ華柊
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歌留多札下の句待たず他所さまへ蛇の抜け殻
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降車ボタン素手で押せない春夕新米にぎりめし
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横文字のバス停続く涅槃西風のの夏
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「ここどうぞ」席譲らるる春のバス秋月あさひ(秋月)
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降車音こぶし並木に呼ばれたりロージー
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僕が押す次は終点梅の里小田毬藻
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次降ります声を上げる子受験かな小田毬藻
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春の山キラキラネームの運転手田原うた
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今日も降る「病院前」や桜東風桃花
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路線バス馴染む長閑な人里ヘ暁月
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卒業でこれが最後の降車ボタンしろ
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陽春に降車ボタンで目が覚めてしろ
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擦り減った降車ボタンのつめたさに宇治 鴇眞
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押ささった降車ボタンや吾亦紅宇治 鴇眞
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朧夜や「次とまります」の赤ランプ猫ずきん
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手をつなぎ梅雨の買い物「次降ります」高木友
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蒲公英や社会見学メトロ帽高木友
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バイバイと島人空は春めいてぜのふるうと
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春光や降車ボタンを押すネイル篠瀬カオルコ
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我一人降車点灯寒しバス犬山侘助
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一年生降車ボタンを競い合う犬山侘助
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水たまり映る市バスと春北斗長楽健司
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通ふ猫降車ボタンの文字の擦れ長楽健司
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夏フェスや推しの話題が詰まるバスうめやえのきだけ
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えをとめのバスの端まで春の月草夕感じ
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母親の息子に凭りて春のバス草夕感じ
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「卒業」のバスに降車ボタン無き神無月みと
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春めくや女性専用車両内松芯
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下車ボタン押し忘る夢大試験ひろこ
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黄泉行きを途中下車して春の暮れひろこ
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夏休みハワイのバスはボタン無し梨惠
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卒業式バス通学も最後の日梨惠
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振り向いて押していいよを待つ小春あが野みなも
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乗り継ぎて問はず見舞ふや木の芽雨あが野みなも
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風光るためらう指で停めるバス援橙のおと
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春光やかすれ文字の降車ボタン援橙のおと
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卒業の日バスのいつもの座席へと日光月光
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朝のバス乗客改まる四月ふく
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耐えきれずパンタグラフの雪しずるふく
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幾万の触るるボタンや降車春藤田ゆい
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停留所過ぎてブレーキ新社員一井かおり
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降車ボタン押す指震え落椿一井かおり
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春の朝ベルなし停車「二中前」くくな
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春の闇一人っきりの降ボタン和はん
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鐘鳴らしバス下車すれば秋高し秋色
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飛び乗れど枯野行くバス路線図もなく秋色
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支配者のデスクに薔薇と核ボタンときちゃん
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凍て雪や降車ボタンも押し黙る由樺楽
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バス停まり乗り来る春や袴女子小月
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寝過ごして帰路にて欠伸寒明けか茶毛まる
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発つフレア尾椎はピンク凍晴へ茶毛まる
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春愁いつか私も止まってしまう勺子
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幼き子ボタン押したい春夕べ勺子
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待ちぼうけ一人散歩の花吹雪ぴょーんと
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かるのこの道草もせず親のあとぴょーんと
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この辺り土筆の伸びた土手の先かぐやのくう
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都落ち車窓の棚田夕野分肴 枝豆 (さかな えだまめ)
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君の帆の東風と岬めぐるバスひろこ+
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風光る止まったら立つ停留所ちくちく慶
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桜道降車ボタンを押し忘れゴルパパ
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降車ボタン押す愉しみや花筵ゴルパパ
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レプリカの降車ボタンは春の音梅田三五
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ごつごつの手降車ボタン冷たさよのんつむ45号
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夕焼けや降車ボタンにそつと触れのんつむ45号
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白梅に重なる笑顔夫降車かたくり
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目の痒み親子三代犬ふぐりななな
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春愁や鼓動の先の降車ボタンすがのあき
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うたたね途絶え粉雪の香の頭蓋奈良井
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バス揺れて十円玉に長閑な光り海色のの
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昨日には停まらない春降車ボタン海色のの
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春昼やネクタイ緩め外回り桃色弥生
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ほろ酔いに一駅歩くか春の宵一石 劣
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蚤の市スノードームへ風花が一石 劣
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春の暮降車知らせる音平ら幽香
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春昼や指押し違ふ降車先幽香
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京一条寺下り松武蔵偲びて酸茎買ふ氷雪
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酸茎買へばあゝお江戸からと老店主氷雪
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風光るアナウンス前ボタン押す麦のサワコ
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十五の春定期券出す拙き手雪のこだま
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降車する他校の君は春の香春駒
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クリスマス他校の君は乗車せず春駒
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「とまります」健気な灯り春の色あねもねワンヲ
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四十個バスの燈火朧の夜あねもねワンヲ
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東風吹くや初めて降りる停留所アルル
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乗り過ごし窓から仰ぐ朧月アルル
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夜行バスいま乗りたるは佐保姫かのはらいちこ
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茶畠や乗客のったり来るを待つ馬場めばる
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合格や降車ボタンの音弾む馬場めばる
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寝静まる花火ツアーの帰り道ねこのひげ
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駅行きに入学児らと揺られおり雪だるま
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「おります」の文字微かなり卒業す雪だるま
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車窓から春空に散る夢ひとつ西山
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春眠し降車ボタンに覚めて閉じ美んと
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春光や降車ボタンへ指輪きらっ美んと
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麦藁のボタン押したし小さな手大福
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春眠や降車ボタンの懐古音いちの
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昼霞また頼まれる派遣社員安曇野くーみん
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我に告ぐ「次止まります」異土の春片山千恵子
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卒業や最後の降車押すボタン吉田さと
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少年の押したいボタン春のバス佐藤志祐
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降りますと手繋ぎはしゃぐ新学期高辺知子
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春昼や降車ボタンを押し難き泰秀
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降車ボタン押すな痩身夏近し窓 美月
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帰り道のスタバさくらシフォンと帰り花窓 美月
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「降ります」のボタン押すことさへ春愁沢井如伽
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春三日月恋を途中下車せし君よ三毛猫モカ
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途中下車夢ポケットに青き踏む草深みずほ
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春夕焼見知らぬ街に途中下車草深みずほ
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降車ボタン押したくもなし寒夕焼真名女
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都営バス前か後ろか春風凛絆
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父入院すバス停30春コート凛絆
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茶を語る師の目よ秋光の少女柳子
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扇風機の急所は止めるボタンです岡根喬平
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うららかや席譲り合い昼のバス千霞
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「動きます」と京都の市バスのどかなり千霞
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初桜バスを降りれば先生となる祥子
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席譲る少年の背に虹の橋祥子
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麗らかやベビーカーの児バス停になんくる
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杖の人やっと北窓ひらきけりなんくる
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春ショールあいさつをして下車したり春香
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遠足のバスやボタンを押したがり春香
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梅雨のバスボタン押せずに叫ぶ声南の爺さま
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花見バス父の背に乗り押すボタン南の爺さま
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春の服知らない町に下車ボタン空素(カラス)
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卒業のじゃこ天おばちゃんに下車ボタン空素(カラス)
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降車ボタン指先震え滲む汗京都さくら
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人生の降車ボタンや花野原京都さくら
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押さずとも止まってくれる春のバス遊川百日紅
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夏のパリ直行バスでロンシャンへ遊川百日紅
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終点へ惜しむ降車や春廃線山田季聴
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乗り過ごし終点戻る桜道山田季聴
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夜行バス降車際まで巻く毛布ちょくる
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春風や押してもらった降車ボタン青猫
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春ショール百色揺れるナイトバス二兎丸
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遺されてロンディニウムや鳥雲に二兎丸
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たこバスに乗客五人春時雨崇元
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猫バスにトトロと乗った春の夢崇元
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初めての定期を首に桜道猫笑ふふ
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バス止める孕み猫逃げ大夕日猫笑ふふ
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「三つめ」ととなへる孫と初電車落花生の花
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春月へ餞別かざしバス発ちぬまちばり
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おっとアネモネの寺次止まりますまちばり
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真新しい制服増えし春のバス睦月うさぎ
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花疲れ帰りのバスは夢の中睦月うさぎ
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吾子と吾子降車ボタンを巡る春吉田ゆうこ
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バス揺れて窓にうつつの夢見草軽時計
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止まらない咳につぎとまります嗚呼軽時計
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春眠や揺れて慌てて降車ボタンクスノさとみ
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春旅や降車違えて徒歩二駅クスノさとみ
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春疾風株価ボードに舞う赤字いくと
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秋空へSLIMの発射今や今いくと
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逡巡の降車ボタンや春の夕敏庵
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永き日や一駅前の降車ボタン雀子
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枯枝を振って「今夜はカレーだよ!」吉森田 比叡得
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熊手持ち停車ボタンは人まかせ春霞
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探梅やバス待つ間も五七五春霞
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春眠を破りしベルの音ゆるりすみだ川歩
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あてもなく降りるバス停散る桜津木 百合
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シューマンと事故の渋滞冴返る明 惟久里
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秒読みの降車ボタンの新入生与次郎
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菜の花やここらでちょっと途中下車双月
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風抜ける路面電車や墓参り希凛咲女
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入学児降車ボタンへ小さき指山田祥風
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朧月ふたつ手前で降車ボタン山田祥風
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声がけに笑む運転手春惜しむ野イチゴ
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口遊む「バス・ストップ」や長閑なりオカメインコ
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朝焼けやボタン赤光二停前オカメインコ
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終点や押さずひとりの春日傘岳野 千世
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車窓より花明かりありボタン押し岳野 千世
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暖かし指先透ける降車鈴おやじん
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桜道チャイムで醒める朝のバスおやじん
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フライングのブザー前見入る新入生希々
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車窓越し想い想われ春の月希々
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春日和吾子の指先降車ボタンいともこ
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野仏を二十歳の我と訪ぬ春春嶺
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古びれたバス客疎ら夜半の冬たけ
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冷やし酒乗り越しボタン追う指やたけ
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春眠の子を起こさぬようボタン押すめぐ
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異土の春降りたい場所に停まるバス花舎 薫
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途中下車泣く児とバギーに春の汗花舎 薫
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雪のバス降りるはひとりランドセル遥琉
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急な雨コートが濡らすバスの床遥琉
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次降りる小さき指押す長閑さやひかるこ
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ボタン点き誰も降りない春愁やひかるこ
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春隣文字はげている降車ボタンなつのおわり
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初乗りや救急病院行きのバスなつのおわり
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春日傘握りしめ押す降車ボタン鈴なり檸檬
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墓参り次降りるよと母起こす風羽
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梅雨寒や老婆置き去る急発車すそのあや
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みどりの日降車ボタンの前のめりすそのあや
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卒業日話し弾んで乗り過ごしあんこ
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春の朝誰推しだろうパスケース美古都
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花の雨降車ボタンのかすむ文字向日葵姐
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我や先へとバス降りる桜人向日葵姐
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麗らかや降車知らせし小さき手アサギマダラ
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春休みばあばと一緒に押すボタン青柳四万十
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遠足や上高地バスは婆ら載せ市子
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腕時計見遣り若葉の道進む早霧ふう
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冬帽子間違ひを詫び次で降り早霧ふう
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新じゃがの食い込む腕や降車ボタンうく
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降車ボタン押す手止まりて花の雨うく
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卒業旅行娘と取り合う降車ボタン碧太朗
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脳検査終えてバス待つ空うらら細葉海蘭
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降車より一歩で入りぬ花の山心寧 侑也(ここね ゆうや)
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眠る山分けて出戻る生家かな心寧 侑也(ここね ゆうや)
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ミモザ咲くバス停しばし和むかなゆきえ
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途中下車お初の町に春の風ゆきえ
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冬の京キャリーケースの降車待ちくう
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フライングボタン押す手の蓬餅村雨藍
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降車ボタン指もさ迷う目借時夏の町子
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春のバス「次、止まります」の肉声天上たこ
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春のバス運賃表と整理券天上たこ
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押したはずバス停通過春の風山田紅苑
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花疲れこれで最後とボタン押す森田ゆり
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降車ボタン宮島達男の「時の海」ちえ湖
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このボタン押せばばあばに逢える春芝歩愛美
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いちねんせいママの代わりにボタン押す芝歩愛美
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常夏の異国で頑張る日本バス藤井あいな
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家畜のごと運ばれ春や夜行バス花ばば
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バス絵本降車の歌の止まぬ春花ばば
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花の酔今日は嫌ひな運転手福間薄緑
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降車ボタン押せぬ人生夜這星福間薄緑
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バスの窓風に耐へるは瓜葉虫かときち
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光らずも鳴る降車ボタン霜夜かなそよかぜ
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冴え返る誰も降りない降車ドア靱
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ガザの春壊れたままの降車ボタンシワ
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卒業やバスの君には何と言うシワ
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祖父に触れ降車のボタン植木市一徳斎
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公園前君とバス降る春夕焼け円海六花
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船を漕ぐ鼻梁を見つむ春のバスあおい
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焼き芋の温もりうれしバスを待つえみりん
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ハハキトクバス待つ我に朝の雪えみりん
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時鳥登山口前下車釦ヒロヒ
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石鹸玉押さなくなつた釦かなヒロヒ
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春のバス最前列が指定席きいこ
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日だまりと吾を乗せ未知の春へバスあま門
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ちらり見る優先席に風光る夢散人
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麗らかや見知らぬ土地でバス停めて髙田 純佳
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目的地吾子の手を引き春の風律
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次停車天神参る受験生碁練者(ごれんじゃー)
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伊勢参り途中下車して猿田彦碁練者(ごれんじゃー)
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明日から敬老パスよ光る風文月紺色
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551の匂い充満冬のバス文月紺色
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バスうらら隣町まで旅気分琥幹
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春昼やシンクロナイズバス吊り輪琥幹
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消えかかるバスボタンの字薄氷みほ
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バスボタン押したがる子や春日和みほ
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定年や一つ手前の夏暖簾木漏
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紅梅と母まつ家へバス揺られ文心美
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バス停止猿のしのしと紅葉山甘茶お抹茶
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春宵のじゃんけん強しバスガイド甘茶お抹茶
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朧月八千円のサイリウム家守らびすけ
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転勤や凍風のバス停も最後家守らびすけ
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木の芽風降車ボタンでさよらならを太郎
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明日からはワンマン春泥にバスガールよはく
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バス停は紅葉紅葉君へ走るよはく
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君がまだ残りしバスや春寒しアジスキー
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降車ボタン車掌の鋏懐う秋アジスキー
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旅先のバスにも居るや受験生梅-輪-がる
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麗かや車内みんなであやす吾子梅-輪-がる
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誰も乗らず誰も降りず春を待つ馬風木瓜子
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火葬場へガイドは叔母の声小春ナノコタス
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走る春の朝今日からワンマンバス若林くくな
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バス乗りてボタン確認一年生若林くくな
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入学や目指すバス停襟正す笑道心文
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四月来るボタンを押すと泣く園児ヤスジン
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タイミング探るピンポンバスうらら弱肺
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帰路のバスきみは窓側春いまだ西瓜頭
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一人バス降り駆ける子や冬うらら或曲
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バスブザー届かぬお手手長閑な日ねこぱんだ
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春嵐我先に押す降車ボタンもっさん
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卒業間近降車ボタンを君が押す朝宮馨
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赤錆のバス停ひとり夏野かな朝宮馨
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バス降りて魚の匂い春の風白いチューリップ
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バス停に新卒ひとり春時雨桂馬
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とまります降りる決意と蝉しぐれりひそ