第44回 俳句deしりとり〈序〉|「くう」③

始めに
出題の句からしりとりの要領で俳句をつくる尻二字しりとり、はじまりはじまり。


第44回の出題
兼題俳句
朝貢のラピスラズリや李喰ふ 日進のミトコンドリア
兼題俳句の最後の二音「くう」の音で始まる俳句を作りましょう。
※「くう」という音から始まれば、平仮名・片仮名・漢字など、表記は問いません。
空空と墨磨る夜の冬至粥
虎有子
空空と鳴けや梟夜更けまで
まゆ志
空空と冷たき風や石巻
狐狸乃
空空にクレー砕ける草いきれ
ひな野そばの芽
空々の句集を探す黴の書庫
茂木 りん
空空の部屋に机と霞草
銀猫


空といふ思想わたしもまた銀河
嶋村らぴ
空空寂寂の間萩の散るらん
和脩志
空寂よ御巣鷹山の夕焼けよ
黒猫
空有とは量子のことか銀杏散る
三日月なな子


空海が風の中へと秋の空
葉山さくら
空海とは父母の心か秋彼岸
風蘭智子
空海と四国一周山笑う
かたじん
空海の口より百八の秋思
広島じょーかーず
空海の寺巡りゆく秋の旅
閑か
空海の伝説の井戸水涼し
のぐちゃん
空海の伝説数多夏期休暇
雨野理多
空海の木像若し朝すずし
杉本年虹
空海の木乃伊身じろぎ冬の地震
池田義昭
空海の脛の硬さよ秋の風
草夕感じ
空海も聞くや波音御厨人窟の秋
木香イバラ
空海や身に沁む暗き窟の中
むい美縁
空海忌中暗いプラネタリウム
夜汽車
空海忌洞に一番星見据ゑ
はなぶさあきら
空也はんラッパーでダンサー冬の虹
レオノーレ・オオヤブ
空也めく老僧海豚は二割引
天雅
空也よりふわりと仏春の雲
瀬文
空也忌に眠りし詩人俊太郎
大月ちとせ
空也忌のなにか唱へてゐる羊
麦のパパ
空也忌や核を廃絶する祈り
青屋黄緑
空也忌や空虚な空気だけ吐かむ
青野みやび
空也上人めく夜店の吹き戻し
松虫姫の村人
空也聖人炎天下に念仏す
くちなしの香
空也堂踊念仏子も踊る
沖庭乃剛也
空也念仏輪に入り盂蘭盆会
山内プーコ
空也様おはす跡部(あとべ)の踊り念仏
杏乃みずな
空也踊躍念仏みやこの溽暑
信茶
空也蒸しすんと奥まで切る白露
梅田三五
空也の最中ずっしりと溽暑かな
飛来 英
仏教関係の人名にも空の字はよく使われるようです。空海に空也上人、どちらもビッグネームですねえ。特に空海は伝説的な逸話も数多いせいか、いろんな作品の題材になってる気がする。猿渡哲也先生の漫画にも出てたような記憶があるなあ……『異形人おに若丸』だっけ。ちなみに《夜汽車》さんと《はなぶさあきら》さんの「空海忌」は春の季語。弘法大師空海の入定した三月二十一日に法要が営まれるそうです。
空也上人の忌日である「空也忌」は一月十三日。諸国を巡って念仏を広めた僧侶として有名ですね。念仏踊の創始者といわれています。《梅田三五》さんの「空也蒸し」のほか、《飛来 英》さんの「空也の最中」など、いろんな食べ物とご縁があるそうな。こういう関係性も民衆に広く親しまれたせいなのでしょうか。興味深いねえ、歴史って。


くうりすますがことしもやチキン喰む
暮待あつんこ
仏教関係もあればキリスト教関係も。とはいえ、クリスマスを「くうりすます」はちと強引じゃないかい!? いや、「~がことしも」まで含めて歌詞だってわかるけどね?? 「や」は切字なんだか、「や(ってくる)」がぶち切られてるのかどっちだろう(笑)。


クール便で届く冷え切つたる指輪
常磐はぜ


空位なる教皇選挙五月晴れ
素偶
空位なる妻求め果て秋の蠅
ガジュマル新山


空室のホテルのボタン夏の夕
八一九
空室の曰くは知らず熱帯夜
雛あられ


空席のやっと見つかる春の寄席
落花生の花
空席の目立つ完売月涼し
さ乙女龍チヨ
空席の目立つ芝居や秋時雨
薔薇の舟
空席を夫婦占むドヌーヴの秋
早霧ふう
空席に薔薇を一輪誕生日
夏村波瑠
空席にすました顔の秋の風
咲葉
空席に空席さんのゐる月光
髙田祥聖


空港チャイム秋爽のパリジェンヌ
とひの花穂
空港に河豚の寿司喰ふ別れかな
巴里乃嬬
空港に風呼ぶ俳句甲子園
あみま
空港のつれづれなるや秋扇
ゆきえ
空港のラウンジに食ふ雑煮椀
清瀬朱磨
空港の長きデッキや雁渡し
大久保一水
空港の展望からの秋夕焼
メグ
空港の展望台や油照り
殻ひな
空港バス一番乗りの朝や秋
Q&A
空港閉鎖凍つる夜のスマホ音
玄子
〈④に続く〉



