おウチde俳句大賞

第8回 おウチde俳句大賞結果発表

大賞

台所部門

鹿尾菜コトコトまだ平和まだ平和

あなうさぎ

最優秀賞
  • リビング部門 最優秀賞
  • そこはもうヘルパーの席春炬燵

    土取

  • 寝室部門 最優秀賞
  • 死も自由も程よく遠き風邪の昼

    馬場めばる

  • 玄関部門 最優秀賞
  • 鍵がまた開いてる梅に呼ばれたか

    伊都

  • 風呂部門 最優秀賞
  • 湯の中の柚子に遅れて柚子の影

    藍創千悠子

  • トイレ部門 最優秀賞
  • えんそくのみっしょんあさのうんこくりあ

    ぱぷりかまめ

 
優秀賞
  • 《リビング部門》
  • プラレール炬燵の中を突き抜ける

    すがのあき

  • 春障子ヤクルトさんの声かしら

    青木りんどう

    雪の夜やコックピットのごと座椅子

    ボイス&フィンガー

    捲らなければずっと大安木の芽風

    髙田祥聖

  • 《台所部門》
  • この日々が晩年なのか大根切る

    蓼科 嘉

    太郎が産まれそうな白菜ごろん

    山姥和

    南瓜切る妻や愛とは意志である

    俊恵ほぼ爺

    生きるとは入り切らない冷蔵庫

    葉月庵郁斗

  • 《寝室部門》
  • 生きるのが怖い布団を繭として

    三月兎

    麻黄湯甘し毛布の無重力

    岡根喬平

    読み聞かせ蕪はぬけても子は寝ない

    のなめ

    寝姿はファラオの木乃伊妻の春

    与次郎

  • 《玄関部門》
  • 叱らずに待つ土間につく膝冷た

    稲畑とりこ

    玄関の残臭穴に入らぬ熊

    蝦夷の珪化木

    ゆすりつつブーツにむくみ収めたり

    鈴白菜実

    母校の寄付を断る理由虹きれい

    小笹いのり

  • 《風呂部門》
  • 失恋と呼べない何かぬるいシャワー

    沖原イヲ

    2000gの胎児の浮力春惜しむ

    音羽実朱夏

    嫁なのに一番風呂や山笑ふ

    牛乳符鈴

    原爆忌風呂は四十二度で熱い

    鹿達熊夜

  • 《トイレ部門》
  • 春の蚊や余生を窓のなきトイレ

    空地ヶ有

    三面に九九・季語・みつを冬の夜

    高山佳風

    トイレでの出逢ひ即ち百足虫の忌

    入江みを

    昭和荘鍵も便座もなく西日

    風の木原

佳作《リビング部門》
 
  • 療養も飽き飽き春炬燵ぬるし

    稲畑とりまる

    あっぱっぱ軽き在宅勤務かな

    多喰身・デラックス

    父ぢやない父のポツンと春火鉢
  • おりざ

  • 仏壇に雛壇会す無人の間

    宮本てふ

    診察券のありか指差す残暑かな

    赤味噌代

    酢漿草と小さき骨壺テレビ台

    内田ゆの

    面接は今日で十社目炬燵の子

    小田毬藻

    ルンバ壁へ壁へ狐火を追うて

    コンフィ

    鏡餅のみかんはプラや夜勤明け

    紫月歪丸

    リビングに引っ越すベッド文化の日

    沢拓庵

    うららかや見守りカメラに猫の鼻

    典典

    六法を踏み台として冬灯

    麦のパパ

    自転車の熱唱過ぎる網戸かな

    阿部八富利

    五日目は天井居間のいぼむしり

    そーめんそめ

    喧嘩して夫の背しづか熱帯魚

    青野みやび

佳作《台所部門》
 
  • 魂はやっかいな味おでん煮る

    トウ甘藻

    大鍋へ砂糖どばどば敬老日

    青野みやび

    見合いなど…納豆妙に粘る朝

    大森きなこ

    台拭きを絞れば秋を待つ螺旋
  • 喜祝音

  • 人参の香を掌にのせたままNISA

    栗の坊楚材

    五徳とふ家族の遺跡磨ぐ秋夜

    佐々木棗

    チューリップ信用できぬ食洗器

    ヒマラヤで平謝り

    血族といふぬるき蔓すいか切る

    深山むらさき

    煮えたぎるおでん今夜は謝らぬ

    めぐみの樹

    濃き出汁の香や大寒を受けて立つ

    泗水ハオ

    玉葱や暮らしに適量の炎

    百瀬一兎

    特売の卵の脆し一茶の忌

    琳青

    アボカドは自ら病みて暮の春

    渡海灯子

    心には俎板ほどのキズ寒夜

    とひの花穂

    立春大吉この味噌漉しと五十年

    島田あんず

佳作《寝室部門》
 
  • 風邪ひいてこの世の終はるごとき夫

    井納蒼求

    パソコンもテレビもなくて蝨がゐる

    瓦 森羅

    火を踏めば母のよぶこゑ春の夢

    渋谷晶

    ライナスの毛布よワタシヲアタタメヨ
  • 清白真冬

  • 欠伸したら二人

    丹波らる

    断薬の夜の覚醒の汗みどろ

    ツナ好

    今日は寝て明日になったらかぼちゃ煮て

    風蘭智子

    病休の肌に春雨聴いてゐる

    黒子

    木の芽雨誦じているぐりとぐら

    舞矢愛

    睡眠不足さへづりの腫瘍めく

    ノセミコ

    夜半の月眠れぬものは手を挙げよ

    雪音

    子の寝言なみだの跡の毛布が硬い

    中島   紺

    開け放つ雪見障子の看取りかな

    東京堕天使

    満月や赤子は眠るのがこわい

    田中麦

    包まれる毛布寂しさの亜種と

    仁和田永

佳作《玄関部門》
 
  • 鍵閉めて父と桜を置き去りに

    かぼ茶

    玄関に備蓄の水を積み涼夜

    広瀬康

    風除室バケツに桜の剪枝かな

    いつアナmasa

    三人がかりロングブーツを脱がさるる
  • 伊藤恵美

  • 玄関に丸椅子ひとつ春を待つ

    いしとせつこ

    短夜や長靴へ脱税の記事

    喜祝音

    靴べらを楚々と差し出すボーナス日

    ガリゾー

    二十年壊れぬ傘と外套と

    佐柳 里咲

    息子の手ひょいと届いて注連飾

    すそのあや

    ヨロヨロと仕事に出たる二月尽

    戌の箸置

    立春大吉ペンキ塗れの父の靴

    鰯山陽大

    春一番あなたが帰つたかと思ふ

    空木花風

    ドラマじゃない警察官の来て炎暑

    二城ひかる

    聞き込みの刑事くちなし褒めてゆき

    花屋英利

    小鳥来る生協さんに孫のこと

    一寸雄町

佳作《風呂部門》
 
  • 夜職を濯ぐ東京臭のシャワー

    イサク

    春はあけぼの質素に磨かれたタイル

    花紋

    頭蓋骨の丸みよ母の髪洗ふ

    赤坂みずか

    湯上がりのつむじの先の扇風機
  • 石田如雨

  • 刃を開き碧梧桐忌の髭あたる

    有村自懐

    夏旅を終え自分ちのリンスの香

    京あられ

    春近し底の見えたるニベア缶

    紅三季

    寒灯や生きておるかを覗く風呂

    さ乙女龍チヨ

    バスタブのアヒル啼きたり原爆忌

    のはらいちこ

    子宮脱触れて勾玉めく寒夜

    玉響雷子

    恭しくつまむ寒夜の臍の胡麻

    佐藤レアレア

    シャンプーに子供の名前木の芽時

    芝歩愛美

    目地のカビ育つ義務教育修了

    むらのたんぽぽ

    黒帯を洗う浴室五月晴

    山城道霞

    二人目を考へてゐる柚子湯かな

    弥栄弐庫

佳作《トイレ部門》
 
  • 花冷えや尿に若さの逃げる音

    広島じょーかーず

    春めくやトイレは知恵の湧く処

    武士の香

    換気扇ぶんぶん大暑のご不浄

    加納ざくろ

    御不浄の祖母のハミング木の芽晴
  • 高尾一叶

  • 週末は便器をキュキュキュ春キュキュキュ

    はっしー

    半夏生妊娠六週の血尿

    林廉子

    坐薬挿す月のかけらを呑むやうに

    水須ぽっぽ

    盆休み便所の地図にあるソ連

    山羊座の千賀子

    用足しの顔へ換気の隙間風

    やまびこ

    便器冷え素手で磨くと決めている

    吉村えりの

    春はあけぼの歌のやうなるウォシュレット

    苫野とまや

    子規の忌の厠の扉叩くおと

    亘航希

    点滴のからまる介助冬の蜂

    風早杏

    冬帝も怯む二リットルの下剤

    春のぽち

    冬帝が便所を跨ぐ昭和かな

    楽花生

特別賞《毎日凸凹部門》
  • みなこちら見つめて居りぬ雪達磨

    池田啓三

    春光やベッドの端という断崖

    かずみ

    ゆずられし席の狭さや着ぶくれて

    シズエ

    晩年に句会立ち上ぐ小鳥来る

    只野文

    春寒や終の棲家の鍵の束

    美与

    新月や大浴場で浮いてみる

    砂利や

    右左違ふサンダルにて家出

    富野香衣

    病む脚の痺れ荒星生まれたか

    守田散歩

    ヒヤシンス世話されたきは今の吾

    陽光樹

    啓蟄のばあちゃんまっすぐに生きる

    深町宏

 
佳作《毎日凸凹部門》
 
  • 昨日歯科今日は内科や雪が舞う

    知代子

    牡丹にさみしさの芯ありにけり

    忠順

    凸凹のかなもじ雪の土佐日記

    津田京子

    待ちわびて歩行器磨く初詣
  • 秋田コップ酒

  • 花の雲予定は少し揺れてゐる

    翠富健堂

    母居ない家の玉葱芽を生やす

    千六本正

    梅匂ふ終の住処に灯をともす

    霞拳四郎

    薬飲む水の重さを今日も量り

    涙目の太陽

    朝寝して耳のきれいな人のそば

    ゴンタ

    どくだみの香にむせびけりふるさとは

    寿々木 響声

    飛び石を包み残して春の雪

    佐用の圭子

    レトルトの汁飛び散るや生きて春

    るう

    薄氷や透ける虚構は鬱の味

    渡邊 蒼人

    抱き起こすことも介護や窓ぬくし

    椋本望生

    日に三度癇癪起こす鳳仙花

    もへじ

    妻を名で呼ぼうと決めし老いの春

    風声

    フライパンと鍋あれば足る春の夕

    老黒猫

    食うという字に良いとあり吸入器

    天宮ほたて

    子の怒りわたしの怒り桜東風

    森野みつき

    梅ふふむ本採用のけふ初日

    舟端たま

特別賞 《当日投句 兼題「壁」》
  • 大試験の友よ逆立の壁よ

    天雅

    四月の教室の壁に凭れてた

    ぱぷりかまめ

    落書のよこに穴あく寮へ春

    落花生の花

    魚拓みな五月五日を戦ぐかに
  • 三浦海栗

  • 紫陽花やもたれて増える壁のメモ

    ミモザ育

    壁一面にトマト投げたき日のありて

    藤富うに

    短夜の壁へひたすら投ぐカーブ

    佐藤志祐

    父の日の壁に出前のメニュー表

    うーみん

    朝涼の壁やこむら返りに蹴りてなを

    さおきち

    寄りかかる壁の冷たさ未読の書

    織美夜

 

特別賞の賞品は、後日、夏井いつき先生の生まれ故郷・愛媛県愛南町様より特産品「河内晩柑ストレートジュースと湯上りゼリーセット」をお贈りいたします。

■ 愛媛県愛南町 HP
 

■ 株式会社 季節園(企業組合パトリクッキング) HP

また、当日授賞式に参加された方には、株式会社アサヒ飲料様より、新製品「ワンダ 昭和の香り 君待ち焦がれブレンド」「カルピスソーダ オレンジ」「旨みの日本茶」の3本セットをご提供いただきました。

ご提供ありがとうございます。