【第5回 おウチde俳句大賞】結果発表
大賞
リビング部門
骨壷と並んで相撲見る炬燵
小川野雪兎
最優秀賞
-
台所部門 最優秀賞
-
乳あたへて頭からつぽのバナナ
島田雪灯
-
寝室部門 最優秀賞
-
どんな夜も電気毛布が待っている
月野うさぎ
-
玄関部門 最優秀賞
-
お札貼った柊挿した塩盛った
吉野川
-
風呂部門 最優秀賞
-
家事代行おおと洩らせる黴の風呂
山本先生
-
トイレ部門 最優秀賞
-
冬帝が先に便座に座ってる
阿部八富利
優秀賞
-
《リビング部門》
-
春の猫写真の父を倒すなり
海野ちきまる
-
正露丸が匂わないほどに寒い
けーい〇
-
愛の日のバランスボールにつきゆびす
麦のパパ
-
勧誘の電話は叩き斬って冬
安田伝助
-
《台所部門》
-
お米てかてか杓文字に春のひかりかな
里山子
-
泡の手で窓がらりここからも虹
ざぼん子
-
息止めてもろこし切るや家族欲し
髙田祥聖
-
除雪機の遠吠え胡桃パン焼く夜
立田鯊夢
-
《寝室部門》
-
咳止のシロップ寝間に漏れ来る灯
菜活
-
脇腹にウルトラマンの刺さる蚊帳
片野瑞木
-
3秒でねれる星月夜のボタン
いといと6才
-
タミフルはにがい布団はいじらしい
横縞
-
《玄関部門》
-
身に入むや革靴の皺まで父似
いかちゃん
-
玄関に燕子宮に第一子
紅紫あやめ
-
かくれんぼの最中麦茶飲みに来る
ぞんぬ
-
うららかなチャイムウクレレ届いたか
立町力二
-
《風呂部門》
-
囀りや点字テープを貼るリンス
末永真唯
-
ふぁしゃふぁしゃと婆さんの髪洗いけり
コンフィ
-
首振れず風呂場へ左遷扇風機
丹波らる
-
団欒はくたびれる風呂洗う除夜
謙久
-
《トイレ部門》
-
龍天に登り身体の栓抜ける
青井えのこ
-
たたなはる便器の奥の黴の国
葦屋蛙城
-
スイートピー月の障りのビデは弱
渥美こぶこ
-
短日のトイレ知将の根城めく
亘航希
特別賞
-
ひきこもごも部門 特別賞
-
ああ外は雪かと壁へつぶやいて
藍創千悠子
-
ひきこもごも部門 特別賞
-
母剥きし林檎ザムザのやうに食ふ
真井とうか
-
ひきこもごも部門 特別賞
-
深呼吸ローソンに集う流星
しいか
佳作《ひきこもごも部門》
-
まごの手妻の手猫の手水温む
おちゃめなちーばーちゃん
-
カーテンは城壁朝焼けが痛い
川越羽流
-
キッチンから出られぬ断乳せし春は
たらちねの蛍
-
春風に逢いに自分の部屋を出る
-
亀田かつおぶし
-
ひねもすの吾のかたちがある布団
あなぐまはる
-
木蓮や汚れのつかぬ車椅子
朝波羽丸
燕来るリハビリ室は南向き浅海あさり
-
痛む手とこころ拓きし冬ごもり
鮎子
-
落ち葉風帰る子らよけ裾握る
鮎つむり
-
引きこもる窓の隙間に雲の峰
生野薫
-
仙人掌の傷を吹き出すように花
いろはるり
-
春空の学舎わらふ声怖し
磐田小
-
夜の裂け目ラジオでしのぐ木の芽時
うどんこつよし
-
午後四時の登校冬天の歪み
えとうすをん
-
蚋の毒ふかくふかくと海馬へと
大岡秋
-
心まで冴ゆ壊れるのはかんたん
織部なつめ
-
覚めてまた胎児のポーズ春北風
おんちゃん。
-
春雷や明日はふたりで呑みに行く
齋藤ちの
-
愛の日のハートシールは五十銭
笠井あさり
-
店舗なる輝く獄や春の雷
風早 杏
-
臥す姉のタンゴを刻む指うらら
ガラパゴス
-
炎天と縁遠くいる引きこもり
川端芙弥
-
母出勤してから温め直すおでん
北野きのこ
-
引きこもりの心に穴が椿落つ
牛美
-
冬ざれやひらがなの「しね」も「かえれ」も
京あられ
-
水底に一人揺蕩う冬三日月
九月だんご
-
もう五年生保もらって捨子花
菊理姫
-
とろみみづ木匙に与へ春に入る
くま鶉
-
凍つる窓電子カルテのOCD
くるすてぃーぬ
-
伸びてゆく息子の髪よ春の日よ
桂月
-
椋鳥の空を窓から眺め鬱
けーい◯
-
呼吸器の音一定に桜東風
苔間きい
-
雷光やシェーグレンなる疾も来ぬ
紺野奈緒美
-
同じこと出来ずにごめん休暇果つ
朔ら望
-
薄氷ややっと慣れたる吸引器
砂月みれい
-
春風に保護帽を脱ぐ帰宅の子
サリー
-
夜半過ぎ落ち葉を拾う母がいる
島根のぽん太
-
だらだらと眺むスマホを這う蟻や
しまのなまえ
-
病得てまた読み返す賀状かな
順孤
-
曼殊沙華ひとに知らせぬ転居先
末永真唯
-
悩みなき事が自慢の母夜なべ
杉柳才
-
蒲公英やるるたりしステロイド終ふ
曽根朋朗
-
発達と給与の話シクラメン
橙茶
-
夕焼を吸ひたし気胸拡がれり
葉村直
-
アレクサと会話する日よ雪つもる
縦縞の烏瓜
-
毛布かぶる安全地帯などなくて
ぽにゃんぽにゃん
-
セーターや袖に頬杖癖の穴
千瑛
-
学校に行けぬ息子とさばく鰤
ちょうさん
-
指のほか動くものなく毛糸編む
兎波
-
不登校母は素麺二把鍋へ
冨川ニコ
-
いきるとはつながることとくらつばめ
奈良の真
-
日溜りに堕ちて八月三十二日
ノセミコ
-
チェーン切る実家はごみとごきぶりと
原 水仙
-
日に三分コンプリメント春の水
満生あをね
-
多分春多分雨明日も明後日も
ミテイナリコ
-
昼寝また空の青さが痛いから
深山むらさき
-
冬ざるる変わり映えせぬ処方箋
芽日火
-
我が部屋へずかずか来るは西日だけ
雪椿
-
泣くことが出来ればいいよ花すみれ
ららら句らら
-
櫛いれぬ髪よ鏡よ五月病
龍酪
-
母を叱るガラスの曇り春淡し
朗子
-
鼻歌を大鍋に入れ冬うらら
ロンロン
-
北窓の開く明日へまず一句
陽光樹
-
特別賞 《当日投句の部「廊下」》
-
百物語吾だけ廊下が軋まない
けーい○
-
菖蒲湯の準備の廊下新聞紙
森健司
-
無防備に蟻の横切る廊下かな
万里の森
-
戦争の立ってないほうの廊下を蝶
-
濃厚エッグタルト
-
風薫る今度は廊下あるうちよ
舞童あづき
-
廊下いまカサブランカ通りまーす
鳥乎
-
冷やかの膝の傷廊下のおばけ
水きんくⅡ
-
授業中窓辺の鈴蘭の静か
碧月ゆう
-
ピンク電話消灯の女子寮に凍つ
実相院爽花
-
立ち止まるルンバ廊下に梅筵
舟端玉
特別賞の賞品は、後日、夏井いつき先生の生まれ故郷・愛媛県愛南町様より、「河内晩柑ストレートジュースと湯上りゼリーセット(株式会社 季節園)」をお贈りいたします。
ご提供ありがとうございます。