第61回「鯛焼屋の行列」《ハシ坊と学ぼう!⑪》
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
季重なり
ワンコイン握り鯛焼き秋祭り
德(のり)
季重なり
鯛焼きも腹が美味しい秋深し
德(のり)
夏井いつき先生より
「鯛焼き」は冬の季語。どちらを主役として書きたいか、自問自答してみましょう。
「鯛焼き」は冬の季語。どちらを主役として書きたいか、自問自答してみましょう。


大小のAうららかに観覧車
秋白ネリネ
夏井いつき先生より
「第54回『パンダと観覧車』《ハシ坊と学ぼう!⑦》で〈AとAを組みて大観覧車春〉に『「~を組みて」の部分をもう一工夫』とご指導いただき、ありがとうございます。Aの大きさに目を留め、『大小のAとA』→『大小』とあれば複数と分かるので『AとA』ではなく『大小のA』で分かると思い、〈大小のAうららかに観覧車〉としましたが、『大小のA』と『観覧車』が離れていますが、くっつけたほうがよかったでしょうか?」と作者のコメント。
「観覧車」の骨組みが「A」の形に見える、という気付きはとてもいいですね。ただ、ご指摘の通り、「A」と「観覧車」の位置を近づけないと分かりにくいでしょう。「A」と「A」が二つある、というところまでは、音数的に書きにくいかもしれませんね。
「第54回『パンダと観覧車』《ハシ坊と学ぼう!⑦》で〈AとAを組みて大観覧車春〉に『「~を組みて」の部分をもう一工夫』とご指導いただき、ありがとうございます。Aの大きさに目を留め、『大小のAとA』→『大小』とあれば複数と分かるので『AとA』ではなく『大小のA』で分かると思い、〈大小のAうららかに観覧車〉としましたが、『大小のA』と『観覧車』が離れていますが、くっつけたほうがよかったでしょうか?」と作者のコメント。
「観覧車」の骨組みが「A」の形に見える、という気付きはとてもいいですね。ただ、ご指摘の通り、「A」と「観覧車」の位置を近づけないと分かりにくいでしょう。「A」と「A」が二つある、というところまでは、音数的に書きにくいかもしれませんね。


芋煮会どばつと注ぐクボタかな
太井 痩
夏井いつき先生より
「『日本一の芋煮会フェスティバル』は、毎年ニュースを見る度に一度は行ってみたいと憧れる行事です。重機と大鍋で、約30000食分を超える食材を一気に調理する光景はまさにダイナミック! 投句については、クボタ(株式会社南東北クボタ)が、新車体を厳選した上で機材油分をすべてバターに変更する等、毎年衛生管理まで徹底した車体提供をしている点に鑑み、下五は是非『クボタかな』でいきたいと思いました」と作者のコメント。
この行事を知っている人は、ひょっとするとあれかな? と想像できなくもないのですが、中七下五はちょっと雑かなあ~(苦笑)。
「『日本一の芋煮会フェスティバル』は、毎年ニュースを見る度に一度は行ってみたいと憧れる行事です。重機と大鍋で、約30000食分を超える食材を一気に調理する光景はまさにダイナミック! 投句については、クボタ(株式会社南東北クボタ)が、新車体を厳選した上で機材油分をすべてバターに変更する等、毎年衛生管理まで徹底した車体提供をしている点に鑑み、下五は是非『クボタかな』でいきたいと思いました」と作者のコメント。
この行事を知っている人は、ひょっとするとあれかな? と想像できなくもないのですが、中七下五はちょっと雑かなあ~(苦笑)。


元は流木よと言ひ言ひ机洗ふ
紫帆
夏井いつき先生より
「第59回『色っぽい流木』での投句のままです。『「流木」は季語ではない』ので『季語なし』との判定をいただきましたが、『流木」ではなく『机洗ふ』を季語として作っておりました。『机洗ふ』はこちらの『俳句季語辞典』にも秋の季語として載せておられるので安心して使用したのですが、当方の使い方が間違っているため季語にならない、というようなことでしょうか。ご教示いただけると幸いです」と作者のコメント。
「流木」を季語とした句が沢山届いた回でしたので、うっかりしておりました。
「机洗ふ」は、「硯洗」の傍題です。ただこの句の場合、流木で作った机という点に句意の中心があるように読めるものですから、「日々の手習いの上達を願って文机を洗う」という季語としては、少々伝わりにくいものにはなっています。
例えば……
添削例
流木でありし机を洗ひけり
「第59回『色っぽい流木』での投句のままです。『「流木」は季語ではない』ので『季語なし』との判定をいただきましたが、『流木」ではなく『机洗ふ』を季語として作っておりました。『机洗ふ』はこちらの『俳句季語辞典』にも秋の季語として載せておられるので安心して使用したのですが、当方の使い方が間違っているため季語にならない、というようなことでしょうか。ご教示いただけると幸いです」と作者のコメント。
「流木」を季語とした句が沢山届いた回でしたので、うっかりしておりました。
「机洗ふ」は、「硯洗」の傍題です。ただこの句の場合、流木で作った机という点に句意の中心があるように読めるものですから、「日々の手習いの上達を願って文机を洗う」という季語としては、少々伝わりにくいものにはなっています。
例えば……
添削例
流木でありし机を洗ひけり


ヤツデの葉千客万来鯛の笑み
永順
夏井いつき先生より
「鯛焼きを、頭からいこうか尻尾からにしようか、並びながらワクワクしている自分。ふと縁起の良い天狗のうちわ(ヤツデ)に目がいきました」と作者のコメント。
うーむ……兼題写真を見てない人は、この句の「鯛」が鯛焼きだとは思えないよね~(苦笑)。
「鯛焼きを、頭からいこうか尻尾からにしようか、並びながらワクワクしている自分。ふと縁起の良い天狗のうちわ(ヤツデ)に目がいきました」と作者のコメント。
うーむ……兼題写真を見てない人は、この句の「鯛」が鯛焼きだとは思えないよね~(苦笑)。


野分晴家財の廃棄長蛇なり
せい子
夏井いつき先生より
中七下五を「家財廃棄の長蛇なす」とすれば、人選。
中七下五を「家財廃棄の長蛇なす」とすれば、人選。


鯛焼やあんぱんまんと仲間かな
里ピイ
夏井いつき先生より
「や」「かな」と、切字が重なると、感動の焦点がブレるということで、嫌われます。どちらかを外しましょう。
「や」「かな」と、切字が重なると、感動の焦点がブレるということで、嫌われます。どちらかを外しましょう。


能登の海一閃轟音鰤起こし
とおる
夏井いつき先生より
確かにそうなのですが、この句は「鰤起こし」という季語を解説しただけになっています。「一閃轟音」などの情報は、季語に内包されていると考えて下さい。
確かにそうなのですが、この句は「鰤起こし」という季語を解説しただけになっています。「一閃轟音」などの情報は、季語に内包されていると考えて下さい。


鼠志野購う多治見の法師蝉
老杉
夏井いつき先生より
「秋分の日も過ぎ、鯛焼きやおはぎには熱い煎茶がほしくなります。新しい湯呑を買いに出かけた近くの美濃焼の主要産地である多治見市は、かつて日本一暑い町として売り出しましたが、ツクツクボウシが鳴いて、さすがに秋の訪れを知らせてくれています」と作者のコメント。
「鼠志野」「多治見」どちらかの情報があれば、想像の範囲かなと。例えば……「鼠志野の湯呑み購う」「旅に買う多治見の湯呑み」のような形で。
「秋分の日も過ぎ、鯛焼きやおはぎには熱い煎茶がほしくなります。新しい湯呑を買いに出かけた近くの美濃焼の主要産地である多治見市は、かつて日本一暑い町として売り出しましたが、ツクツクボウシが鳴いて、さすがに秋の訪れを知らせてくれています」と作者のコメント。
「鼠志野」「多治見」どちらかの情報があれば、想像の範囲かなと。例えば……「鼠志野の湯呑み購う」「旅に買う多治見の湯呑み」のような形で。


褪色の氷旗めく夏の果
暮待あつんこ
夏井いつき先生より
「褐色の氷」? 「褐色の氷旗」? いやいや「はためく」という意味? そもそも「褐色」は色の種類? 灼けている感じ? 微妙に伝わりにくいところがあります。
「褐色の氷」? 「褐色の氷旗」? いやいや「はためく」という意味? そもそも「褐色」は色の種類? 灼けている感じ? 微妙に伝わりにくいところがあります。


近況は秋夜の酒場の待ち列で
駒月 彩霞
夏井いつき先生より
中七下五「秋夜の酒場の待ち列で」を「秋夜の酒場待つ列で」とすれば、人選です。
中七下五「秋夜の酒場の待ち列で」を「秋夜の酒場待つ列で」とすれば、人選です。


悠々と片目落とした黒出目金
たんぽぽ
夏井いつき先生より
これは、どういう場面なのでしょう。「黒出目金」は比喩?
これは、どういう場面なのでしょう。「黒出目金」は比喩?


横を見れず百合鴎の足だけを
三上もなか
夏井いつき先生より
どういう状況なのでしょう? 初デートか何かなの?
どういう状況なのでしょう? 初デートか何かなの?


海原をたゆたう木々や夏の空
小鳥遊
夏井いつき先生より
「第59回『色っぽい流木』に投句した〈領海を超えて流木夏の空〉を推敲しました。『領海を超えて』というところを、海に浮かんでいる木々の描写にしてみました」と作者のコメント。
描写に徹した句にしたいということでしたら、領海を越えていく「流木」のさまを、徹底的にスケッチしてみましょう。
「第59回『色っぽい流木』に投句した〈領海を超えて流木夏の空〉を推敲しました。『領海を超えて』というところを、海に浮かんでいる木々の描写にしてみました」と作者のコメント。
描写に徹した句にしたいということでしたら、領海を越えていく「流木」のさまを、徹底的にスケッチしてみましょう。


鯛焼き屋バスケ部みちり湯気立てり
七兎子
夏井いつき先生より
「みちり」は、「みてり」の入力ミスかもしれませんが、もう一つ気になるのは、「鯛焼き」は冬の季語ですが、「湯気立つ」は何の湯気なのか。鯛焼きの湯気? バスケ部員の熱気? もし、ストーブとかの上で薬缶などで湯気を立てている、という情景ならば、「湯気立つ」も季語になります。
「みちり」は、「みてり」の入力ミスかもしれませんが、もう一つ気になるのは、「鯛焼き」は冬の季語ですが、「湯気立つ」は何の湯気なのか。鯛焼きの湯気? バスケ部員の熱気? もし、ストーブとかの上で薬缶などで湯気を立てている、という情景ならば、「湯気立つ」も季語になります。


分かち合い難き孤独と天然と
植木彩由
夏井いつき先生より
無季の句? 少々観念的でしょうか。
無季の句? 少々観念的でしょうか。


季重なり
秋の日や天然物の鯛焼きか
風乃杏
夏井いつき先生より
「鯛焼きには、一つずつ型に入れて焼く天然物と、ザーっとまとめて液を流して作る養殖物があるんだよと、初めて聞いて、感心してしまいました」と作者のコメント。
「鯛焼き」は冬の季語。「天然物」という言葉を使った句も、今回はかなりありました。
「鯛焼きには、一つずつ型に入れて焼く天然物と、ザーっとまとめて液を流して作る養殖物があるんだよと、初めて聞いて、感心してしまいました」と作者のコメント。
「鯛焼き」は冬の季語。「天然物」という言葉を使った句も、今回はかなりありました。


血管のうるさい脹れ蚯蚓鳴く
とひの花穂
夏井いつき先生より
「第20回に投句した〈進化論手の甲に浮く吾の蚯蚓〉を推敲というか……この発想を元に改めて句を作りました。おウチde俳句くらぶ2回目の投稿で、これはイケると自信満々でおりました。そして……ハシ坊にもなれず……なんでぇ~と思った3年半前でした。あの頃は選ばれたいと躍起でしたね。今は、自分の今の力で自分の納得できるものを……そして、自分のペースで楽しくこつこつと。こつこつは苦手な人間だったんですが……」と作者のコメント。
なるほど、そういうことでしたか。初案と合体させると、意味が分かりやすくなりそうです。「血管の脹るる我が手」「手の甲に浮く血管や」等。季語をじっくり思案してみましょう。
「第20回に投句した〈進化論手の甲に浮く吾の蚯蚓〉を推敲というか……この発想を元に改めて句を作りました。おウチde俳句くらぶ2回目の投稿で、これはイケると自信満々でおりました。そして……ハシ坊にもなれず……なんでぇ~と思った3年半前でした。あの頃は選ばれたいと躍起でしたね。今は、自分の今の力で自分の納得できるものを……そして、自分のペースで楽しくこつこつと。こつこつは苦手な人間だったんですが……」と作者のコメント。
なるほど、そういうことでしたか。初案と合体させると、意味が分かりやすくなりそうです。「血管の脹るる我が手」「手の甲に浮く血管や」等。季語をじっくり思案してみましょう。



