写真de俳句の結果発表

第61回「鯛焼屋の行列」《人》①

第61回「鯛焼屋の行列」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

 

※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。

【第61回 写真de俳句】《人①》

鯛焼頬張る点検後の新車
櫻木うらら
駅裏や夜業帰りの屋台酒
まり
鯛焼や声の似ている老姉妹
蔵豊政
つぶあんの人肌ほどに盆の月
櫻心
回覧ですお裾分けの鯛焼きです
苔間きい
「食べたら帰れよ」先生の鯛焼き
苔間きい
鯛焼きや末子と夜間保育園
瀬文
新小豆鍋のくつくつ唄う朝
のなめ
腹黒いらし鯛焼ほどではない
白よだか
献血の後の鯛焼き茜空
ミセスコロンボ
お祈りメール届き鯛焼き食む薄暮
ミセスコロンボ
芭蕉布に織られた記憶沖縄忌
青蛙
カーテレビ鯛焼は明治のかほり
爪太郎
虫鳴くや祖父の琥珀のループタイ
扶羽
行列を外れて銀杏並木かな
サマッケニコ
鯛焼きやプラスチックの青ベンチ
サマッケニコ
縁日のしゃがれた声の生姜売り
東九おやぢ
食レポの大口鯛焼きの熱し
みそちゃん
鯛焼に喰らわれる死と冷めゆく死
鹿達熊夜
万国旗色なき風に煽らるる
古み雪
鯛焼は残業の友決算期
山田 健二
行列の跡掃く店主息白し
太井 痩
一昨日の絵の具を溶いて星月夜
柑青夕理
あげるわと鯛焼きと宝の箱と
パンプキン
行列や餡子炊く香に冬夕焼
虎有子
行列の孤独鯛焼十個買う
虎有子
鯛焼や校則変へる生徒会
中島 紺
小町通り右に土産屋鯛焼き屋
中島 紺
夏空につばさの行方問ひてみる
丸山美樹
駄菓子屋の小さき空や鳳仙花
丸山美樹
星の入東風轍伸びゆく国道よ
鍋焼きうどん
どこにでもある名物や菊日和
星屑今日子
色褪せし閉店の文字蒲団買ふ
星屑今日子
宵宮や今日は一人のぽつぽ焼
林雪
冬ぬくし応募数多のエキストラ
高尾一叶
タウン誌の表紙に決まる小鳥来る
高尾一叶
研究のお供はたい焼き日曜日
咲葉
雑踏透く西日やコンコースにバニラ
佐々木棗
行列の誰も見ていない秋空
佐々木棗
回想の鯛焼き旨し坂の街
われもこう
鯛焼きを二つに割ってグーで勝つ
われもこう
冬の朝一番乗りの眼科前
檸檬一実
かりふわのシュレディンガーの鯛焼の尾
藻玖珠
秋渇き今日二軒目の行列へ
のりこうし
鯛焼やホラー映画の感想戦
駆大
鯛焼や昨夜は風呂で泣いたのに
駆大
雁渡し吹いて檜の香る茶屋
太田 陽翠
置き去りのビール一缶投票日
ふじっこ
夏休みグラスボートに酔ひにけり
宮崎和湖
鯛焼きを待ちて船旅決まりけり
宮崎和湖
寒燈を消して終いの支度して
狐狸乃
モチモチの鯛焼パンパンの鞄
駒月 彩霞
マーチングバンド膝下へ風爽か
きざお
順待ちの映るガラスや冬の風
鮭乙
そのままに妻の定位置秋彼岸
すけたけ
たい焼きの焦げ加減よし独りよし
宮古綟摺
揚花火櫺子の前のひとたかり
在在空空
路地裏の湯気甘やかや小豆炊く
斎 柊子
おかず屋の列にふと付く秋の暮れ
シフクノオト
鯛焼きの型に型あり冬隣
佐柳 里咲
鯛焼食う吾の名忘れし母と食う
木村弩凡
出来たての湯気初刷の記事滲む
有海無音
鯛焼を同じところで噎せる父
明日ぱらこ
初売や五台限りの一輪車
小鳥遊
社用車の助手席の鯛焼き温し
潮湖島 しおこじま
昼休み全部つかって鯛焼屋
藤富うに
人たらし真似て鯛焼き懐へ
木香イバラ
待たされてやっと会計秋時雨
音 リズム
懐に鯛焼入れて父帰る
並ぶ人をまた数えては息白し
喜笑
鯛焼で許せてしまふ痴話喧嘩
まっきい
鯛焼や予選敗退陸上部
秋野たんぽぽ
風花や行列の影重なりて
秋野たんぽぽ
赤に黄のバーガーロゴや秋暑し
石田なるみ
夕星や鯛焼き渡す分厚き手
大和出ユウスケ
鯛焼きや北の便りをラジオ読む
七兎子
鯛焼に願掛けビッグプロジェクト
山河美登里
浪花屋のたい焼き餡がミソですわ
アルルくん
尾頭の焦げ甘苦し秋の夕
文月詩架
鯛焼や天然物(大)あります
ひでやん
鯛焼の親善鯛使の手渡し
ひでやん
相撲部の部室差し入れは鯛焼
きなこもち
鯛焼の鱗前歯に引っかかり
きなこもち
三時間待ちの白息落ちた跡
留辺蘂子
ヘンデルのパンに小鳥は列を為し
留辺蘂子
鯛焼を三つ架空の家族ぶん
佐藤儒艮
鯛焼や裏表なき母でした
ゆすらご
鯛焼の袋に餡の印あり
ゆすらご
鯛焼のまなこを透ける餡の熱
内藤羊皐
冬うらら菓舖より妻のこゑ聞こゆ
内藤羊皐
夜業果つ尻尾の餡を貪りぬ
東京堕天使
鯛焼あちちパーマのロット揺るるるる
東京堕天使
鯛焼きの尾から冷えくる厩橋
葉山さくら
たこパーの具材びつくり万聖節
原 水仙
共感が欲しくて鯛焼を割つた
梵庸子
辞書は重かつた鯛焼甘かつた
梵庸子
甘党といふ噂あり雪女郎
空木花風
芋名月しんがりは幽霊部員
空木花風
しなしなの鯛焼きふたつ発車ベル
京あられ
霜日和女将しづかに餡を焚く
冬島 直 (直あらため)
花八手とほくに工場群の夜景
冬島 直 (直あらため)
故郷は麻布十番秋うらら
海羽美食
向かひ合ふ元祖と本家雁の棹
巴里乃嬬
四代目の鼻梁は祖母似秋すだれ
巴里乃嬬
差入れの鯛焼焦げし尻尾の香
比良山
鯛焼を十匹抱へ会議室
藤井天晴
木製の大看板や秋の川
しみずこころ
鯛焼が店の親父に瓜二つ
城ヶ崎文椛
鯛焼の背びれの餡の焼けたとこ
城ヶ崎文椛
老舗てふ元祖本家や秋深し
あすか風
鯛焼や小さく小さく前習へ
渥美こぶこ
中吊りの転職推しや肉饅頭
渥美こぶこ
予防接種終えて色なき風の街
高橋寅次
風ゆるびけり鯛焼を匂はせて
円堂実花
マクベスも魔女も鯛焼頬ばりぬ
円堂実花
鯛焼きや駅に迎えのLINE鳴る
風早 杏
退院の父や鯛焼き頭から
風早 杏
熟練の明るき手元小春風
谷山みつこ
花八手暖簾にしかと元祖の記
谷山みつこ
鯛焼をつかむ軍手の忙しなく
沙那夏
鯛焼の餡子ましまし仏前へ
沙那夏
反省文帰路に鯛焼食べただけ
⑦パパ
暖簾には「元祖」の文字や鯛焼屋
ピアニシモ
鯛焼きの腹に透けたる餡子かな
ピアニシモ
売り切れ御免らんぼうに焼き上げて秋
古瀬まさあき
鯛焼鯛焼雷雨となりさうな火力
古瀬まさあき
印旛沼漁協組合鰻の日
松虫姫の村人
鯛焼の匂い近づく列半ば
松虫姫の村人
鯛焼の香り届かぬ最後尾
まっちゃこ
指沈む鯛焼の腹あたたかき
森野みつき
凍えて並んで豚まんちっこいじゃん
ぷるうと
マフラーや湯気たくましき中華街
ぷるうと
階段を一段飛ばしで鰯雲
大本千恵子
鯛焼の腹あたりの餡の透け
稲垣加代子
イヤホンを分かちかき氷の列を
ペトロア
鯛焼を配る新任係長
西村小市
鯖雲や「五十二番」の整理札
江藤すをん
鉛筆の便り母なり冬隣
びんごおもて
東大の赤本とお茶と鯛焼きと
けーい〇
犬連れたJK鯛焼きに並ぶ
けーい〇
のどけしや嫌がらせには甘いもの
満る
甘味屋に初孫生まる秋うらら
満る
谷根千の路地鯛焼の尾は猫へ
天陽ゆう
芋羊羹小さし飯事めく茶室
天陽ゆう
看板とピースサインと鯛焼きと
白石 美月
将来のはなし鯛焼き半分こ
白石 美月
鯛焼きや今日は北からISS
まあぶる
鯛焼屋の列の話題は海のこと
紙風船
血族や鯛焼きの貌みなおなじ
千夏乃ありあり
鯛焼あちち歩道ポールに激突す
千夏乃ありあり
鯛焼や焦げにはみ出る餡の粒
小川都雪
鯛焼の余熱を膝に下車は次
小川都雪
鯛焼のとびきり熱い腹のとこ
もぐ
間口一間ほどのハレの日鯛焼屋
はれまふよう
口元の鯛焼の尾のひとくさり
はれまふよう
転職を告げずに並ぶ鯛焼屋
あみま
鯛焼や誰も気にしてない訃報
あみま
鯛焼きや問五のミスの見つかりぬ
渡邉 俊
釣銭熱し土曜日の鯛焼き屋
渡邉 俊
ジェルネイル汚さぬようにたい焼きを
古都 鈴
たい焼きの長蛇の列に居たアリバイ
古都 鈴
最後尾は非常階段冬のパフェ
坂野ひでこ
鯛焼や旋回止めぬヘリコプター
坂野ひでこ
鱗とふ晩夏の美しき末端たち
うからうから
宵の香や畳みし店の夏暖簾
うからうから
鯛焼は三口大道具は未完
胡麻栞
秋風や暖簾のひと垂れに一字
胡麻栞
寒灯の明るし余命告げる部屋
星埜黴円
余命告げ冷えた鯛焼喰う医局
星埜黴円
こと熱き餡が夜学の膝へ垂る
ふるてい
同僚と鯛焼今日は奢る側
ふるてい
鯛焼の列へデパコスの袋提げ
青木りんどう
鯛焼を食む猫舌の無頼漢
青木りんどう
元祖なる暖簾ゆれるや小豆の香
みずきの
信濃路やすすきは白し風美味し
みずきの
仏壇に鯛焼き今誰か笑った
広泉
試合負けた頭から鯛焼き喰らう
広泉
目の前に完売の札こぼれ萩
橋本千浪
名月や大屋根リング埋め尽くす
橋本千浪
鯛焼の心臓あんこ一グラム
井納蒼求
蟻の列陸の孤島の合宿所
井納蒼求
祭壇に鯛焼き十匹満中陰
門司区ビリケン
「熱いって英語で何」と鯛焼き屋
小川晴よ
失恋や色なき風の雷門
Q&A
人形焼つまむ秋真昼の楽屋
Q&A
火の番の来たれば下ろす暖簾かな
る・こんと
差入れの熨斗の眩しき初芝居
る・こんと
鯛焼は百個禁煙四週目
みづちみわ
鯛焼の見舞い弥栄なる餡子
みづちみわ
鯛焼きや邪道を嫌う父母へ
さ乙女龍チヨ
行列の暖簾のひらがな暖かし
広島 しずか80歳
行列の店の灯消えて夜寒かな
柊まち
鯛焼の温め方のちがふひと
飯村祐知子
母の手に饅頭もたせ小六月
飯村祐知子
豹柄を着て鯛焼きの紙袋
杏乃みずな
白川や町家の葭簀深く垂れ
杏乃みずな
裸木に折れるラーメン屋の行列
小野睦
有休の今川焼が甘過ぎる
小野睦
鯛焼の情け無いのが良きサイズ
七瀬ゆきこ
鯛焼の冷へて書記局慌ただし
にゃん