写真de俳句の結果発表

第61回「鯛焼屋の行列」《人》③

第61回「鯛焼屋の行列」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

 

※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。

【第61回 写真de俳句】《人③》

鯛焼の差し入れに沸く時間外
一石渓流
日も暮れて鯛焼き父の手の温度
若山 夏巳
鯛焼きや昨日の国語の小テスト
じゅあ
鯛焼で手を打つ程の夫婦かな
万里の森
行列す何もない日を鶏頭花
万里の森
差し入れの鯛焼を手に天文部
中岡秀次
鯛焼を抱へ新大阪駅を
中岡秀次
鯛焼や塾に遅刻の十五分
カムヤ イワヒコ
絶食の検査の帰り鯛焼屋
出船
タピオカ屋消えて鯛焼の復権
芳野まさこ
ひとつだけたい焼き買つて昼休み
山田結城
鯛焼やジーザスフィッシュの刺青
筒井らんぷん
鯛焼買ひスタバの前を過ぎにけり
筒井らんぷん
街ブラのロケや鯛焼は熱々
リアス式747
青空に雄叫び上げる芋掘る子
鶴子
遠足の乱れる列や下り坂
鶴子
店長から鯛焼きシフトまた延長
ぐわ
スマホ賽銭やパイ生地の鯛焼
桜上比呂
テンガロンハットのジィジ運動会
べびぽん
鯛焼の残り一つを前の客
髙橋みりぃ
鯛焼を一つ健診終えました
髙橋みりぃ
鯛焼きの湯気や小豆の黒光り
平松久美子
行列よ朝を吸い込む明の月
星 秋名子
お土産は鯛焼き釣果なき家路
星 秋名子
お留守番ひとり遊びの蟻の道
里春
炊き出しの公園汁椀包む悴む手
里春
学食が満席の午後銀杏散る
鈴聖湖
ルイヴィトンに詰めし寒夜の北極光
すみっこ忘牛
鯛焼きの粒餡の湯気吹く母子
琳青
神棚の隅に鯛焼き年の暮れ
ゆんたく(加東亭ゆんたく)
閉店日古びた木枠の窓に雪
ゆんたく(加東亭ゆんたく)
鯛焼の老舗を包む甘き風
三尺 玉子
列を成し黙して待たん残暑とて
海神瑠珂
吾の前にて売り切れの声やや寒し
海神瑠珂
たい焼きのあんこはみ出す歌うたう
秋佳月
鯛焼きを待つ列揺るる影長し
秋佳月
神は死んだ鯛焼の腹が破れた
広瀬康
寒波来る総本店の麺太し
広瀬康
春光や稚児行列とシャッター音
竹葉子
行列から伸びる手細しガザの冬
竹葉子
ふところに入れた鯛焼父帰る
さかたちえこ
冷まじや独り浪花屋並ぶ夕
君君
イデア論いいから鯛焼き冷めちやうよ
三月兎
鯛焼きの型をはみ出す尾と鰭と
三月兎
梅雨あがる名物女将の声眩し
ひーじい
鯛焼や研究室の夜は続く
鷹見沢 幸
鯛焼屋前も後ろも女子高生
鷹見沢 幸
小豆煮て甘き匂いや身に沁む日
トコトコ
先着の列や皇居の花曇
くぅ
スーパーのレジどこが早いか秋の暮れ
かよいみち
紙の灰落つる庭先敗戦忌
瀬戸一歩
鯛焼きや子だくさんにてありし日々
成実
残業は果無し鯛焼は二個目
ひこ老人
「きぼう」通過鯛焼きを抱いて帰ろう
ゆきまま
秋雨をじっと最尾のプラカード
安田伝助
鯛焼の型秋の日の黒光り
安田伝助
遅刻してきて鯛焼きを配るやつ
山姥和
「新栗」の幟黄金のショーケース
山姥和
鯛焼きや抗がん剤の針太し
オニチョロ
鯛焼の列に喪服の凛と立つ
苫野 とまや
その罪を鯛焼き二尾で許せとは
苫野 とまや
鯛焼に結局話切り出せず
滝澤 朱夏
一万歩達成ならぶ鯛焼屋
竹いとべ
一尾千円「総本家」の鯛焼
松雪柳
はみ出したしっぽのあんこ秋深し
紺太
異常値は捨てた鯛焼二匹食ふ
靫草子
鯛焼き二十個試合への差し入れ
嫌夏
うなぎ待つ列も楽しや妻の留守
銀幕なり
買食いや部活帰りの息白し
全速
たいやきの尾つぽをくれる君とゐる
さおきち
店先の壺へ秋桜だんぶりと
さおきち
歯茎の傷跡たい焼きの余韻か
リコピン
香ばしき屋台の列や悴みて
せんのめぐみ
鯛焼きの破裂しそうな黒き腸
きのこオムレツ
哀れ蚊や餡子が好きになっていた
すかーてぃっしゅ
開店の行列やがて冬の虹
葦屋蛙城
鯛焼の焦げの黒目に睨まるる
葦屋蛙城
どんぐりや通学鞄放り出し
風かをる
たいやきの袋しめれる重さかな
風かをる
しこり有り鯛焼ならばここんとこ
笠井あさと
漕げど漕げど籠に鯛焼弱りゆく
笠井あさと
鯛焼きや病気の青き冷たき手
どこにでもいる田中
躑躅咲く三浦の墓地へ煙草買ふ
橙茶
お隣はシングルライダー星流る
橙茶
ビルの森煌々とあり猫孕む
さら紗
たい焼きは熱し凩まで嬉し
ただ地蔵
吾子の鼻てっぺんぺたりかたつむり
丸山和泉
末枯の野辺風を聴く旅鼠
浅海あさり
カリヨンを追いかけて追いかけて雪
浅海あさり
ほかほかの鯛焼五つ助手席へ
花星壱和
並ばずに買える裏技冬の朝
西 山歩
特注の金型たい焼きの目玉
喜多丘一路
じやんけんに負けて鯛焼買ふ列に
喜多丘一路
鯛焼きや国勢調査忘れとる
啓太郎
並ぶ並ぶ鯛焼き屋と年金と
啓太郎
戸の奥の祖母のせいろや彼岸花
玲花
軒先の牡丹艶やか和菓子店
玲花
秋の干菓子ほろりさらりと二百年
むい美縁
豆腐屋の戸に「完売」と冬の朝
むい美縁
あつあつのつぶあんたい焼きからっ風
出羽泉まっくす
鯛焼へ晴着の列の歌舞伎座よ
彼理
「鯛焼のしっぽが好き」と塾帰り
彼理
最後尾の札持つバイト羽毛服
ルージュ
木枯や消ゆる看板また一つ
陽光樹
万博の皆が見上ぐる今日の月
世子
渋滞に踏み切り音と鰯雲
日吉とみ菜
鯛焼を持つ手温かメール打つ
桂月
空高しだし巻き卵二時間待ち
原島ちび助
さやかなり鯛焼き型の油の香
木村あずま
網棚の鯛焼き匂ふ帰宅時
つるぎ
極月の山谷炊出し黙の列
つるぎ
引出(ひきで)の鯛つついて固き秋夜かな
滝川橋
向日葵や十分間の長いこと
みなし栗
朋遠方より来たる夜や村祭
永華
鯛焼買ふ列の人皆うつむきて
アツヒコ
鯛焼や定年の日の昼の膳
アツヒコ
行列は進まず月渡る路地裏
紫月歪丸
鯛焼や正しく生きて得るやまひ
駒村タクト
世界割るやうに鯛焼割りにけり
駒村タクト
着ぶくれや七時に配る整理券
田畑 整
帰る雁今日も老舗の列長し
田畑 整
紅葉且つ散る行列からの脱出
望月美和
新小豆炊く香暖簾をほわと上げ
望月美和
グッジョブです鯛焼さげて課長帰社
林としまる
髪赤き男も並ぶ鯛焼屋
千暁
供物の代わりに鯛焼置いてゆく
千暁
鄙宿の波うつガラス秋簾
夏の舟
鯛焼にバリ店頭の小さき椅子
山内彩月
鯛焼のカリカリの尾だけください
ヒマラヤで平謝り
バス二台見送る先に昼の月
ふたば葵
鯛焼きの尻尾も甘し日曜日
光太郎
カーネルの眼鏡の奥の鯛焼屋
高山佳風
さまよへる友にヘッセを鯛焼を
高山佳風
差入れの鯛焼き百個並びをり
花はな
鯛焼きをにらむ子の手に五百円
花はな
鯛焼や列を横目に待ち合わせ
辻 さつき
鯛焼や列のしっぽを伸ばしゆく
辻 さつき
布バックほこほこ小脇の鯛焼
曽根朋朗
酒屋まで壁を行列たいやき屋
曽根朋朗
団栗降れり店先に開く傘
瀬央ありさ
秋簾見下ろす先は人の波
久楽
一丁焼き麻布十番秋の空
そうわ
鰯雲はるか最後尾の欠伸
あおい結月
金曜日帰宅の駅の鯛焼屋
梅野めい
準優勝のたいやき喉は狭き管
梅野めい
マフラーや汁粉の熱を吹く弱音
唯野音景楽
行列の一人となるや金木犀
草野ふうこ
鯛焼や並ばぬ妻はカスタード
草野ふうこ
手袋のまま読む本や最後尾
東ゆみの
柴犬の次に並びてたい焼屋
杜野みやこ
鱗から透ける餡この冬日和
骨のほーの
鯛焼と自撮り薄着の外国人
藤本花をり
門前の本家と元祖御講凪
藤本花をり
ボウズにて鯛焼きを買う星月夜
三日月 星子
松風やスターハウスの秋の空
岩魚
粒餡のを供えチョコのを食む炬燵
たまさもち
謎の店に行列生ぬるき秋夜
たまさもち
呪われてしまう鯛焼きまた買うか
宮本 モンヌ
鯛焼の尾のたとふれば土曜の陽
ぞんぬ
鯛焼のまがほもなかなほりのひとつ
ぞんぬ
鯛焼きにあるかも知れぬ裏表
杉本年虹
旅さやか乗換駅に「御座候」
游季うさぎ(雪うさぎ改め)
診察の順取る列や白日傘
游季うさぎ(雪うさぎ改め)
碧眼の鯛焼移動販売車
清瀬朱磨
鯛焼と書置き残し母の留守
シナモンティー
無花果タルト麻布十番は小雨
海月のあさ
落語流るる一丁焼きの鯛焼屋
織部なつめ
秋晴の麻布十番あんこの香
織部なつめ
支払は現金のみの冬日和
青屋黄緑
除日ラスイチ鯛焼きの焼き甘し
弥音
食べかけの鯛焼ふたついい天気
芦幸
寒鯛や暗き厨を散る鱗
芦幸
行列はコの字三日の鯛焼き屋
赤尾双葉
無月なり日曜夜の稲荷神
赤尾双葉
夜ふかしをしたやうな音の焼芋屋
麦のパパ
鯛焼はヒーローよりも遅れて来
麦のパパ
地下鉄を鯛焼の香のおよぎけり
花和音
面構へ良き鯛焼や友見舞ふ
花和音
鯛焼き屋の列へ私のプチ家出
入江みを
鯛焼を待つ汝われを待たぬ汝
入江みを
人垣の螺鈿の琵琶や文化の日
湧翠
行列に加はり鰯雲になる
嶋村らぴ
骨上げがたひ焼きくらゐあつたかい
嶋村らぴ
おつかひは味噌や横目に鯛焼屋
伊沢華純
鯛焼や由紀夫は太宰嫌ひつて
伊沢華純
軒先の完売の文字秋さびし
酒呑走人
列を為す大屋根リング居待月
たかみたかみ
行列のまわり離れぬ秋の蝶
たかみたかみ
初恋の麻布十番鯛焼屋
山内プーコ
カーラジのCM中に買う氷菓
まこく
大鍋の餡へ塩ほら春隣
雨野理多
六時屋の告げる時報や秋夕焼
風の木原
馬肥ゆるトルクメニスタン館長蛇
風の木原
終わらない缶けりの鬼いわし雲
鈴木あんず
ごめんは言わない鯛焼き半分こ
鈴木あんず
尾鰭よりはみ出す餡子初時雨
日々の茶めし
軒下の丸椅子ひとつ鯛焼屋
日々の茶めし
鯛焼やガクカンセツをなだめつつ
舟端たま
ほおばれば粒餡温し山別れ
舟端たま
たこ焼きがいいとも言えず空っ風
なおちゃん