第61回「鯛焼屋の行列」《人》④

評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第61回 写真de俳句】《人④》
坂登る毛虫いじめのアンケート
咲織
はふはふのふのくちびるに冬が来る
だいやま
こし餡は舌に解けむ居待月
ときちゅら
鯛焼きの熱さほどには語りたし
おかだ卯月
友は留守だし鯛焼には並ぶし
おかだ卯月
懐の寂し鯛焼半値なる
紅紫あやめ
筆文字の看板百度目の初日
はなぶさあきら
墨跡にほのかな木目秋日和
はなぶさあきら
予習より鯛焼きが先塾の前
太之方もり子
骨折の友と鯛焼き頬張りぬ
太之方もり子
行列のみな前を向く冬初め
髙田祥聖
養殖のたい焼きラジカセに弾む
志無尽おたか
跳ね上がる株価鯛焼き割りて食ぶ
志無尽おたか
鯛焼食う妊婦もくもくもくもくもく
水豚庵
鯛焼や地域みまもり検討会
水豚庵
漁師らの並ぶ漁港の鯛焼屋
横山雑煮
鯛焼や午前三時のリハーサル
横山雑煮
鯛焼や花いちもんめといふ罰
津々うらら
をととひの鯛焼解雇計画書
津々うらら
新涼の夜明けの空の匂ひかな
庭野利休梅
お手玉の中に跳ねたる小豆の香
庭野利休梅
鯛焼をくわえ袋の位置かえる
朝野あん
尻尾から行く派よ鯛焼きの店先
雨野雀雨
ふつふつとつぶ餡炊ける豊の秋
白秋千
梅の香や並びて受くる守り札
白秋千
鯛焼は督促状の前に処理
杜若友哉
行列を抜けて路地裏月を待つ
かなかな
秋雨や糸屋格子に麩屋格子
あおみどり
秋時雨路地に小さきいけず石
あおみどり
人混みに一人一人や年の市
真壁らん
化粧箱入りは勝ち組の鯛焼
赤坂みずか
鯛焼きを齧って愚痴を飲み下す
平岡梅
薄皮に透ける小豆と君が好き
窪田ゆふ
晩学の文机に置く茶と鯛焼
踏轍
鯛焼の列にクルーの取材来る
槇 まこと
検体を抜かれ鯛焼き最後尾
風蘭
手紙読む場所を探して秋簾
曾我 白春
行列にゐて行列の蟻眺む
紫黄
鯛焼の皮ぱりぱりと爆ぜて冬
牛乳符鈴
懐に鯛焼五つ父帰る
楽和音
頭より鯛焼きかじりたる居留守
俊恵ほぼ爺
大口の契約ひとつ鯛焼きチン
春のぽち
霜夜の家路ふところの戦利品
春のぽち
鯛焼きやブラックタイの招待状
仁
鯛焼きは鞄に三階席のラ・ボエーム
仁
鯛焼き屋で突然人生を語る
小川野雪兎
鯛焼きの目玉に粒餡の虚ろ
小川野雪兎
つぶやきは鯛焼が聞く夜の道
島田あんず
目礼をかわす鯛焼まつ木椅子
島田あんず
失恋や鯛焼の目にまだ温み
青野みやび
あんこうまし小豆炊く婆気むずかし
トヨとミケ
鯛焼の湿りや夢を見てゐる目
亘航希
鯛焼やヒトにしかない裏表
葉月庵郁斗
縁日の子を眺めたる風車
葉月庵郁斗
腹張った鮭目の前で売り切れて
北国はな
秋うらら賑わう野菜直売所
北国はな
団栗の御供物のあり六地蔵
錆鉄こじゃみ
たいやきを割つてあれまた子の寝言
田野こみち
たい焼きを頬に気圧の谷通過
田野こみち
ゆるゆると進む行列ちちろ鳴く
松下眞す美
尾の焦げし一丁焼きや秋の風
松下眞す美
朝の不機嫌延々とねこじゃらし
平手打チメガネ(志村肇)
花街の襷前掛け新豆腐
飯沼深生
ご褒美の鯛焼き高く掲げたり
紫桜
平凡に生きて鯛焼き温かし
田中亀子
売り切れの焦げ茶の札や秋の風
神谷元紀
指紋めく冬暖かき木目かな
常磐はぜ
うららかや元祖を謳ふ店いくつ
常磐はぜ
万博や三千本の貸日傘
山浦けい子
笑わない僕と鯛焼き日曜日
とひの花穂
さう言つて鯛焼を食ふ二人かな
茶茶の嬉嬉
鯛焼やキャバ嬢の素のいとけなく
白猫のあくび
閉店や鋳物の鯛へ大西日
朱葉
冬の月ほろ酔いで寄る鯛焼屋
翠雨
秋の星貨物列車を数えをり
久蔵久蔵
鯛焼に老眼鏡を外しけり
久蔵久蔵
鯛焼や年金分割5:5
島田雪灯
鯛焼の羽よ父てふ迷ひ人
島田雪灯
子と同じ名前の店よ鯛焼よ
めいめい
鯛焼や話があると正座の子
めいめい
喪のタイを解きて鯛焼買ひにけり
池田義昭
夜勤明けの指に鯛焼じんじんと
水須ぽっぽ
葬儀屋のとなり百均黄落す
たけろー
今川焼さめた初恋はじまった
猪子石ニンニン
横顔の答えはイエス黄鶺鴒
岸野ゆり
鯛焼が次男の彼女連れて来た
ふみづきちゃこ
長き列今日も鯛焼き食いっぱぐれ
本間 ふみふみ
エスコンへ列は長蛇の熱き秋
モト翠子
日記買ふ沖にくっきり漏斗雲
モト翠子
一人居の糸羊羹や鳥渡る
竹庵
先代の大鍋三つ小豆煮る
くさもち
鯛焼のやはらかき熱頬張りて
くさもち
鯛焼や君は推薦が決まつた
葉村直
向かひ合う本家と元祖日短
理佳おさらぎ
鯛焼を半分割って告白す
桐山はなもも
行列を統ぶる揚羽や島のカフェ
佐藤レアレア
秋天や最中を齧る音跳ねて
佐藤レアレア
スーパーの営業停止神無月
浅田香歌
先頭は仮免と知る秋の空
ふじっこ
鯛焼屋神の石段下りてより
独楽
ひとり呑む菜に柚味噌󠄀と鯛焼と
天亨
鯛焼を二枚におろし友と模試
立石神流
鯛焼を供え獺祭ひとり呑む
立石神流
雨の降る吉凶通り夜学行く
イケダエツコ
子育てつて鯛焼の腹熱すぎて
高田ちぐさ
眉寄せて食む鯛焼の無表情
高田ちぐさ
赤本の小口に鯛焼のあんこ
天六寿(てんむす)
鯛焼は硬しLINEは既読なし
天六寿(てんむす)
バスの窓たい焼きの列母がいる
矢車のえ
鯛焼の尾頭並べ誕生日
青井季節
重心を探り鯛焼き半分こ
青井季節
(問2)今川焼きの体積を求めよ
たーとるQ
この鯛焼カスタードじゃん、付き合おう
たーとるQ
おつぱいの甘かりけらし日向ぼこ
うくちゃんま
出汁香るおでん屋の列四番目
ちぇりぴー
ならびゐて売り切れを聞く日みじか
紫すみれ
告白はできず鯛焼はんぶんこ
秋野しら露
鯛焼や尾鰭の長く芳しく
秋野しら露
鯛焼きや期末テストは最終日
松本厚史
他言語のガイド手に手に鯛焼屋
はま木蓮
はね、あし、蟻、つの、はら、蟻の列無限
広島じょーかーず
無愛想で甘すぎ父も鯛焼も
広島じょーかーず
挨拶へ鯛焼き三つ買い足しぬ
柿司 十六
指をさすレゴの赤鬼秋の旅
鳴きうさぎ
シャッター街たい焼きは哲学だった
たきるか
るす番を褒め鯛焼のほつかほか
谷川ふみ
鯛焼や倹約令の着地点
葛西のぶ子
秋祭列に漂うソースの香
高橋 誤字
霜降りの肉に行列小晦日
海苔のりこ
献花の行列秋晴れの弔砲
海苔のりこ
鯛焼き屋の行列最中屋を過ぎて
せんかう
選挙カー鯛焼屋へと近づけり
サリー
小雪や「たいやき」の詩で取った賞
咲山ちなつ
一葉忌なぞる朱墨の右はらい
咲山ちなつ
文久よりの秘伝のたれに焼く鰻
天風さと
豆大福報恩講の一気食い
よしろう
秋の声お見舞い抱いて渋谷坂
鱈 瑞々
露寒や炭鉱町の鯛焼き屋
鱈 瑞々
商談をまとめ鯛焼き買う日暮れ
玄子
傷縫うように夕月を急く救急車
舞矢愛
鯛焼きや採用通知来し川辺
たじまはる
焼酎とたい焼き抱え友来る
たじまはる
ジム帰り踵を返す鯛焼屋
伽葉子
離婚記念日古伊万里に鯛焼きひとつ
七森わらび
新小豆煮む亡き父の夢見し朝よ
七森わらび
手袋は片つぽづつで最後尾
せなきく
着膨れて「ここから二時間」待つ所存
せなきく
たい焼きの列は角まで通り雨
孤寂
柏戸が勝てば鯛焼き母の声
孤寂
病食にメロン一切れリハビリへ
浜千鳥
たい焼きの臨月らしき腹を食ふ
慈夢りん
たい焼きも窮屈さうや日比谷線
慈夢りん
鯛焼の二枚開きの半分こ
深川文吉
限定十食栗飯争奪戦
深川文吉
鯛焼やベンチと君と老犬と
花豆
卒論にピリオド深夜の鯛焼
花豆
自己採点終えて鯛焼き行列へ
創次朗
たい焼きやわからぬ腹を探りあい
生田 大五郎
マヤ文字に鰭鯛焼きに薄き羽根
うーみん
くすくすと日傘連なるドーナツ屋
ユリノキ
「最後尾」掲げる今日も着ぶくれて
ユリノキ
水筒は2リットル小一の秋
壱時
真珠の如き母乳一滴建国祭
壱時
カステラの二等品買う彼岸花
久木しん子
夕焼や教会前のコロッケ屋
久木しん子
咳の子を抱き行列の最後尾
山口さと子
石碑あり名も知らぬ句へ夜半の月
雪割草
利酒や老舗の嫁の口達者
霧賀内蔵
新涼や蜜の零るるパンケーキ
霧賀内蔵
初詣竹皮めくる餡香る
雪花
初夢や祖父の土産の御座候
雪花
和菓子屋の元祖と本家みづを打つ
おおい芙南
秋思の行き止まり新装のパン屋
おおい芙南
鯛焼屋ニッカポッカにある無骨
水鏡新
唇に詩を胃腸に愛を鯛焼
どゞこ
日脚伸ぶ小声の「泳げたい焼き君」
菅原ちゑ
たい焼きや軍手の片手ぬぐ小昼
菅原ちゑ
ぐずる子と離脱目前のたい焼き
鈴木 リク
鯛焼を与えよと民衆がデモ
森 健司
鯛焼や母の手握り子飼橋
森 健司
入寮や鯛焼食って開梱す
みやもとや
最後尾尋ねて並ぶ冬紅葉
山本八角
団子屋の暖簾波打つ初あらし
水越千里
草を摘む子の影踏むや父も摘む
水越千里
手土産に金太郎飴年の暮
日月見 大
多国語の溢るる列や泥鰌鍋
日月見 大
新小豆茹でこぼしたる湯気の味
多数野麻仁男
尾の端の焦げと餡子と高き空
真秋
甘き香を濡らす秋雨や胸突き坂
萌黄多恵
行列に律儀な背中春一番
福朗
鯛焼きやチョコカスタードチーズ餡
和脩志
鯛焼の尾びれぴっちり泳げさう
三日月なな子
出鱈目な奴と割り勘いわし雲
高見 正太
名月やをんなを泣かす団子汁
高見 正太
紙箱の鯛焼ふやけ眠たげに
古乃池 糸歩
そぞろ寒女子大通りは慌ただし
飯島寛堂
鯛焼きや双子そろひのまとめ髪
清水縞午
薮入りや妹の好きなずんだ餡
清水縞午
百聞を咲く万博の遠花火
感受星 護
秋うらら一丁焼きの列長し
睦花
