第61回「鯛焼屋の行列」《人》⑤

評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第61回 写真de俳句】《人⑤》
鯛焼熱し仙台四郎緩し
中島タカシ
赤色のゴーカート待つ吾子の秋
ただなかのめ
朝市の列の先には鯛焼屋
鈴なりトマト
扁額の声聴く秋気疏水行く
朱鷺
さしいれの鯛焼さめてtake10
ガリゾー
寄席帰り路地に灯ともる鯛焼屋
ガリゾー
右端の欠けし看板鰯雲
ちよ坊
秋の夜あんこなき尾のこげてをり
ちよ坊
行列や君と鯛焼き待つベンチ
銀猫
たい焼きの温し深夜のドラフター
蓮天
鯛焼も出来たて五十路合唱団
ひいらぎ
鯛焼を分けてさしだす尻尾かな
一 富丸
鯛焼の焦げやコドクに効く鱗
満生あをね
閉店となれば行列鰯雲
入道まりこ
小豆煮る母の気配の残る朝
蛙目
七尾買ふ鯛焼待ちの前のひと
佐藤さらこ
虎落笛こんな未来はきいてない
千寿 ココ
行列の老舗看板冬きたる
千寿 ココ
秋風や拡散されし人気店
華婦香
鯛焼の温む手帳の表紙かな
雄蹴
風車虚数無理数今素数
山尾幸正
勝試合帰路鯛焼は頭から
海里
椋鳥を二百くらゐで店仕舞ひ
浅井夕兎
釣瓶落しはやくかへればおこられる
浅井夕兎
鯛焼きを割る指白し人形町
奥伊賀サブレ
鯛焼や尾が大好きな祖母が好き
天橋立右彩
金のことばかりだね鯛焼へ愚痴
右端ぎゅうたん
二両目に落ちてたんです鯛焼です
右端ぎゅうたん
店主は無口たいやきの目はつぶら
鳥乎
冴ゆる夜や座席争奪オンライン
鳥乎
鯛焼やビルの谷間にある母校
山崎三才
鯛焼の店へ硬貨を握る吾子
はるを
鯛焼を軍手が渡すバザーかな
夏村波瑠
鯛焼の目玉まんまる失業す
夏村波瑠
懸念事パリパリの鯛焼き怖い
ならば粒あん
人波を逃れ鯛焼屋のあかり
三浦海栗
鯛焼の自立バリッと型を出づ
三浦海栗
穴まどひ軋轢音にまどひけり
欣喜雀躍
鯛焼きのバリを最後に食む忌日
欣喜雀躍
鯛焼きを買うパトカーに振り返る
雉虎緑目
ベンチ組戻る鯛焼ぶら下げて
江口朔太郎
鯛焼屋の行列ガザの行列
大月ちとせ
実家仕舞いそして鯛焼独り占め
大月ちとせ
黒ぶたう牧神午後を貪りて
天雅
けふも残業鯛焼のとぼけ顔
天雅
鯛焼き差入る昼夜逆転のドア
さく砂月
ほあっほはふう鯛焼の餡こぼれ
翡翠工房
鯛焼の鱗まどかな青海波
翡翠工房
留守番の子に鯛焼きを冷めぬうち
秋月あさひ
やぶそばの列にいつしか除夜の鐘
小田毬藻
待つ人のための木の椅子萩の風
田原うた
手渡しの菓子香ばしく秋夕焼
田原うた
看板の浮彫深し今日の月
猫ずきん
月蝕や八十億人住まふ影
猫ずきん
水平線かき回す流氷の渦
ぜのふるうと
新涼やスーツですする朝ラーメン
ぜのふるうと
ニケツしてコロッケ買って帰る秋
丸井たまこ
仏壇の冷めし鯛焼き噛みしめる
犬山侘助
煮やがるは鯛焼の餡朝の風
犬山侘助
ぬくもるや鯛焼分けてうを座のひと
沼野大統領
すべり台だけの公園鯛焼裂く
伊藤映雪
冬ざれや並ぶ係の犬とパパ
うめやえのきだけ
秋高し尾頭付きを愛で喰らう
うめやえのきだけ
読みさしの句集積み上げ秋簾
草夕感じ
鯛焼きや家裁帰りのふたりの背
草夕感じ
行列の後猛ダッシュいわし雲
松芯
行列に今日も素通り鯛焼き屋
ひろこ
熱々の鯛焼き待ちてあとふたり
いわさき
べい独楽や父の帰りが妙に早い
百瀬一兎
遊星にゐて秋の蚊の翅音かな
百瀬一兎
しょうゆおこわ炊く建前の声冴える
ふく
「およげないたいやき」の吾に鰯雲
和はん
ひとこゑもなく鯛焼の食はれをり
佐藤ゆま
秋晴れに見上げる白きノートルダム
在仏変人
クレープの香ばし秋のブロカント
在仏変人
鯛焼きや釣り糸垂らす明石港
肴 枝豆
鯛焼きやジムで鍛える広背筋
いしとせつこ
鯛焼きを仕上げ鉄板黒光り
いしとせつこ
鯛焼きをひとつ供えし道祖神
ちくちく慶
見納めや一花房のさるすべり
ゴルパパ
鯛焼に逆転負けの歯形かな
梅田三五
鯛並ぶスタンプカード冬の暮
梅田三五
赤暖簾たいやきの字の太き撥ね
加里かり子
マンモグラフィ終え薄ら日の鯛焼屋
加里かり子
鯛焼のしっぽの角度揃いけり
すがのあき
4Dの血飛沫ぬぐい秋の風
奈良井
だから二色買った鯛焼常磐線
奈良井
辛口女子の甘味処やところてん
氷雪
数の子と花びら餅をひとつだけ
雪のこだま
鯛焼の目は焦げ留年は二度目
亀野コーラ
煤付きし暖簾掲ぐや師走来る
馬場めばる
鯛焼の列にまぎれて母恋し
川代つ傘
鯛焼を食べるだけのデートだった
真夏の雪だるま
鯛焼や割る子齧る子眺める子
真夏の雪だるま
ありがとうスタンプ一つたい焼き屋
西山
鯛焼きハフハフ仲直りはしない
卯之町空
先頭も終わりも見えず蟻の列
こりゆばんばん
染め抜きの暖簾の裏地秋の風
片山千恵子
鯛焼はしっぽ派同士夫婦なり
片山千恵子
区は歩きタバコを禁じ欅の木
佐藤志祐
煎餅を焼き塗り返す居待月
佐藤志祐
お見舞いの帰り鯛焼き一人分
高辺知子
星の入東風並び代行二千円
高辺知子
行列を厭ひて眠るやうな月
三毛猫モカ
冬ぬくし星のかたちの絞り口
岡根喬平
炎熱の行列インドのサモサ屋
なんくる
鯛焼きの列ポケットに手を入れて
くつの した子
三日月やあずきあらいの歌遠く
くつの した子
葡萄溝行列抜けし莫高窟
青猫
一人旅終えて鯛焼二つ買う
猫笑ふふ
頭・尾・頭・尾鯛焼き箱に詰めてをり
源早苗
キリストめく異人と並ぶ鯛焼屋
源早苗
鯛焼に鳴門骨めく求肥かな
蜘蛛野澄香
紛糾の職員会議たいやき来
落花生の花
面会まで十分鯛焼き並ぶ
葬送のまちばり
ケーキ買ふ列に文庫と紙懐炉
弥栄弐庫
黄落や若冲展の長き列
敏庵
鯛焼きは尻尾から行く君と吾と
雀子
鯛焼きの列に見かけた古き友
春霞
敬老の日よデパ地下の列長し
すみだ川歩
はふほふと鯛焼に旅はじまりぬ
明 惟久里
行列の五人め若き冬欅
明 惟久里
鯛焼ぬくしトリック・オア・トリート
与次郎
鯛焼きの包みはタイムズ紐育
与次郎
三日月や深息ひとつ縄のれん
山田祥風
解体は空風看板掛けたまま
勝亦朝
鯛焼はごめんのぶんの温かさ
勝亦朝
身に沁むや深夜のテレビ点いたまま
佐藤恒治
鯛焼や湯気を分け合ふ四人部屋
茅々
つり革と鯛焼守るラッシュアワー
陽だまり
鯛焼きの亀甲袋火の恋し
走亀エリコ
認知検査パス鯛焼の餡恋し
あんこ
山肌を連なる行者月冴ゆる
オアズマン
行列五十人鯛焼断念
向日葵姐
夜の風ぴうぴう舌を灼く鯛焼
市子
晴天とポニーテイルと鯛焼と
市子
妻の手の代はりの正書クリスマス
早霧ふう
べこ餅は昼で売り切れ秋日和
細葉海蘭
和菓子屋の閉店記事や冬近し
細葉海蘭
夕月夜旅の終りのハイウェイ
ゆきえ
朝空や寒卵割る仮店舗
山城道霞
行列は嫌だと母の息白し
りっこう
路地裏は迷路冷めてゆく鯛焼
天上たこ
鯛焼や店が見えない最後尾
天上たこ
歯医者出て母とパイ買う冬茜
芝歩愛美
母の蒸すいばら餅待つ湯気や春
花ばば
ぼた餅と呼ばぬ婚家のおはぎ食む
花ばば
裏口を豚骨の香や天高し
福間薄緑
病室の日永こどもの流行り歌
折田巡
開門を待つ列ひろがれり驟雨
折田巡
鯛焼や投げ銭箱はずつと空
かときち
ドアノブにそつと謝状と鯛焼を
かときち
恋バナのこそばゆい声鯛焼き屋
円海六花
青空が重たくて鯛焼きといる
円海六花
菊を抱く兄とたい焼き抱く妹
あおい
執着の褪せし抑揚秋の蝶
あおい
真夜中の月と出来立てワンピース
ヒロヒ
六席に行列日盛りのラーメン屋
あま門
やれ元祖やれ宗家だの曼珠沙華
家守らびすけ
ほの紅き牡丹介護度認定日
よはく
虎落笛更地の土の乾き切る
よはく
葬列を順番前後する蜻蛉
馬風木瓜子
日傘増え死角へずれる「最後尾」
馬風木瓜子
一碗を引くや白雨の鮫小紋
那乃コタス
頬杖に倦みて黴梅の鯛焼屋
那乃コタス
ラーメン屋携帯見ながら待つ炎天
安久愛 海
「バス入りま~す♪」唄う警備と蝉の声
西瓜頭
置き去りの鯛焼の口半開き
朝宮馨
鯛焼を抱いて麻布の雨に遭う
朝宮馨
鯛焼を背と腹に割る夫が好き
レオノーレ・オオヤブ
鯛焼は離婚届の上にあり
白スニ
煙草屋に冬陽火伏の新しき
ひな野そばの芽
園児らの信号待つて揚羽蝶
甲斐杓子
罰掃除差し入れの鯛焼甘し
水鳥川詩乃
噛みちぎるたい焼き親友に彼女
ボイス&フィンガー
行列へ並ばぬ自由小鳥来る
森ともよ
味噌漬けの肉と新米待つ夕餉
紫木蓮
鯛焼や缶を蹴りたる反抗期
山本とりこ
車座に鯛焼き喰らふ負け試合
閏星
駅構内三坪だけの鯛焼屋
みさ
日本語の達者なバイト鯛焼屋
みさ
行列の尾のゆるやかに日脚伸ぶ
野野あのん
推しはまだ遠い真冬の待機列
さくさく菫
鯛焼の荒ぶる羽根をひとかじり
さくさく菫
鯛焼きの店主寡黙や息白し
帷子川ソラ
スマホにて払ふ老舗の鯛焼屋
まどれ
イタリア館は三時間待ち夏来る
まどれ
開店は午後四時冬の鯛焼屋
石田ひつじ雲
ラッキーアイテムが俺たち鯛焼きだってよ
白沢ポピー
覗きみるけふは特売鯛焼屋
渡邉花
裏路地に着ぶくれの列赤のれん
かみん
降誕祭牧師にイクトゥスのタトゥー
有村自懐
ご主人はロイド眼鏡の鯛焼き屋
八一九
鯛焼きを領けて二人のふふはふふ
コミマル
たい焼きのしっぽは姉に秋高し
慈庵風
鯛焼を真横に割りてプロポーズ
桃圓
あと七分鯛焼きバイト雪催
桃華
新総理決定LINEたい焼き喰む
天弓
小豆煮る母の呼ぶ声冬隣
三日余子
鯛焼きを前に少女らよく笑ふ
紫子
百年の老舗看板大夕焼
紫子
入店はあと五人待ちからっ風
柳翠
鯛焼きや好きで極道してねえし
田上南郷
