第64回「砂漠のホテル」《ハシ坊と学ぼう!④》
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
砂熱し歩く足皆赤い爪
数哩
夏井いつき先生より
「砂浜が熱く、爪先だって歩く足の爪のマニキュアが目に留まりました」と作者のコメント。
足の爪はペディキュアといいますので、「ペディキュアは赤し」として、残りの音数で砂の熱さを描いてみてはいかがでしょう。
「砂浜が熱く、爪先だって歩く足の爪のマニキュアが目に留まりました」と作者のコメント。
足の爪はペディキュアといいますので、「ペディキュアは赤し」として、残りの音数で砂の熱さを描いてみてはいかがでしょう。


霾や落ちまいと抱く駱駝の香
丸山和泉
夏井いつき先生より
「モンゴルで、裸のフタコブラクダの瘤の間に乗りました。降りる時に突然前脚を折りたたんだので、つんのめりそうになって、思わず茶色のゴワゴワの毛に顔をうずめてしがみつきました」と作者のコメント。
「駱駝の香」を抱くという書き方に工夫があるのは分かります。が、「思わず茶色のゴワゴワの毛に顔をうずめてしがみつきました」という臨場感が削がれてしまいます。せっかくのナマの体験ですから、リアリティのある表現を工夫してみましょう。
「モンゴルで、裸のフタコブラクダの瘤の間に乗りました。降りる時に突然前脚を折りたたんだので、つんのめりそうになって、思わず茶色のゴワゴワの毛に顔をうずめてしがみつきました」と作者のコメント。
「駱駝の香」を抱くという書き方に工夫があるのは分かります。が、「思わず茶色のゴワゴワの毛に顔をうずめてしがみつきました」という臨場感が削がれてしまいます。せっかくのナマの体験ですから、リアリティのある表現を工夫してみましょう。


夕焼けに染まるアラブの大砂丘
喜多丘一路
夏井いつき先生より
「夕焼」に対して「染まる」はありがちな凡人ワード。ここを描写の言葉に変えてみましょう。


ぬける空初めて吾子の雪遊び
啓太郎
夏井いつき先生より
「第50回『雪の赤レンガ庁舎』〈冬晴るる初めて吾子のそり遊び〉季重なりのハシ坊だった推敲句です」と作者のコメント。
まずは、季重なりが解消できましたね。例えば、上五を「青空や」とすれば色彩が鮮やかになりますね。更に、もう一歩進めて、「初めての雪遊び」とすれば小さな子供だと想像できるのではないか……と、こんなふうに推敲は進んでいきます。
「第50回『雪の赤レンガ庁舎』〈冬晴るる初めて吾子のそり遊び〉季重なりのハシ坊だった推敲句です」と作者のコメント。
まずは、季重なりが解消できましたね。例えば、上五を「青空や」とすれば色彩が鮮やかになりますね。更に、もう一歩進めて、「初めての雪遊び」とすれば小さな子供だと想像できるのではないか……と、こんなふうに推敲は進んでいきます。


炬燵でインスタ映える鳥取砂丘
すいかの種
夏井いつき先生より
上五の助詞「で」は、散文的な使い方になっています。そもそも、どこにいるのかも気になります。鳥取砂丘? 炬燵=自宅?
上五の助詞「で」は、散文的な使い方になっています。そもそも、どこにいるのかも気になります。鳥取砂丘? 炬燵=自宅?


ニカブからヘナタトゥーの手炎昼のカフェ
玲花
夏井いつき先生より
「語順を迷いました。カタカナが続くと理解しにくいと思い、この語順にしました。ドバイのカフェで、素肌は手首から先しか出していない女性を見かけました。手には細かい幾何学模様が描かれていました。じろじろ見るべきではないと思いつつ、気になってしまいました。暑い日でしたが、白い手と紋様が妙に印象的で、暑さも時間も超越しているようでした」と作者のコメント。
「カフェ」と事実を書きたいお気持ちは分かりますが、一句の効果としては、上五を「炎昼や」としたほうが効果的です。
添削例
炎昼やニカブからヘナタトゥーの手
「語順を迷いました。カタカナが続くと理解しにくいと思い、この語順にしました。ドバイのカフェで、素肌は手首から先しか出していない女性を見かけました。手には細かい幾何学模様が描かれていました。じろじろ見るべきではないと思いつつ、気になってしまいました。暑い日でしたが、白い手と紋様が妙に印象的で、暑さも時間も超越しているようでした」と作者のコメント。
「カフェ」と事実を書きたいお気持ちは分かりますが、一句の効果としては、上五を「炎昼や」としたほうが効果的です。
添削例
炎昼やニカブからヘナタトゥーの手


トバイラの乾いた音や焚火爆ぜ
むい美縁
夏井いつき先生より
「『トバイラ』はモロッコの太鼓です」と作者のコメント。
下五を「~爆づ」と終止形にすれば、人選です。
「『トバイラ』はモロッコの太鼓です」と作者のコメント。
下五を「~爆づ」と終止形にすれば、人選です。


たこ焼きのマグマ吼えれば冬銀河
なみこまち
夏井いつき先生より
「第63回投句の〈たこ焼きのマグマ冬銀河へ吼える〉の推敲句です。少し語順を替えただけなのですが、こちらの方が季語が主役になると思い、再投句しました」と作者のコメント。
「~吼えれば」とすることで、かえって迫力が削がれます。初案のほうが、熱と冷たさの対比もでています。断然、初案を推します。
「第63回投句の〈たこ焼きのマグマ冬銀河へ吼える〉の推敲句です。少し語順を替えただけなのですが、こちらの方が季語が主役になると思い、再投句しました」と作者のコメント。
「~吼えれば」とすることで、かえって迫力が削がれます。初案のほうが、熱と冷たさの対比もでています。断然、初案を推します。


月白し駱駝に乗りてポアロ読む
桂月
夏井いつき先生より
取り合わせが面白いですね。「駱駝に」とあれば、「乗りて」はなくても分かります。
取り合わせが面白いですね。「駱駝に」とあれば、「乗りて」はなくても分かります。


駱駝のまつげを深夜の乾風
木村あずま
夏井いつき先生より
語順と言葉の取捨選択を一考して、調べを整えてみましょう。
語順と言葉の取捨選択を一考して、調べを整えてみましょう。


鳥の風駱駝は空へ鼻ひらく
滝川橋
夏井いつき先生より
「駱駝は砂などを吸い込まないよう、鼻を閉じることができるのだとか。春の優しい風に、その鼻を開けて風を満喫しているのです。駱駝の目に、北へ帰る鳥の群れは映っているのでしょうか?」と作者のコメント。
「鳥の風」がベストかどうか。中七下五が良いだけに、勿体なく思います。
「駱駝は砂などを吸い込まないよう、鼻を閉じることができるのだとか。春の優しい風に、その鼻を開けて風を満喫しているのです。駱駝の目に、北へ帰る鳥の群れは映っているのでしょうか?」と作者のコメント。
「鳥の風」がベストかどうか。中七下五が良いだけに、勿体なく思います。


緑陰のオアシス宝くじははずれ
みなし栗
夏井いつき先生より
「緑陰のオアシス」と「宝くじははずれ」と、二つのパーツを取り合わせることで、詩が発生しているのか否か。
「緑陰のオアシス」と「宝くじははずれ」と、二つのパーツを取り合わせることで、詩が発生しているのか否か。



