第64回「砂漠のホテル」《ハシ坊と学ぼう!⑤》
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
アラビアのロレンス受験子のホテル
アツヒコ
夏井いつき先生より
「すごい昔、受験のために宿泊したホテルのテレビで、映画を観た記憶が甦りました。受験が済んだ後だったと思いますが……」と作者のコメント。
そのホテルで「アラビアのロレンス」を観た? 季語「受験子」がどこまで主役になっているか、悩ましいところです。
「すごい昔、受験のために宿泊したホテルのテレビで、映画を観た記憶が甦りました。受験が済んだ後だったと思いますが……」と作者のコメント。
そのホテルで「アラビアのロレンス」を観た? 季語「受験子」がどこまで主役になっているか、悩ましいところです。


夕焼やアラビア服のシルエット
田畑 整
夏井いつき先生より
「シルエット」という言葉に甘えないで、ここをこそ描写しましょう。
「シルエット」という言葉に甘えないで、ここをこそ描写しましょう。


春や駱駝に布被せて駱駝のかたち
牧野冴
夏井いつき先生より
やろうとしてることは分かりますし、面白いと思います。中七の描写の精度をもう一押し。


悠久の歩み駱駝の行く熱砂
山内彩月
夏井いつき先生より
「悠久の歩み」という言葉はカッコイイけど、その歩みを描写できるともっとリアリティが増します。
「悠久の歩み」という言葉はカッコイイけど、その歩みを描写できるともっとリアリティが増します。


夏の果キャタピラ浜を席巻す
ふたば葵
夏井いつき先生より
「キャタピラから戦車をイメージする人もいそうですが、夏の終わりの海水浴場に工事の車輌が入った様子です。手持ち花火の屑がキャタピラの凸凹跡に見え隠れする……もう一句できそう?」と作者のコメント。
下五「~を席巻す」と大雑把に引っくくるよりは、「手持ち花火の屑がキャタピラの凸凹跡に見え隠れする」様子を描写することで、席巻していたのだなあ……と読者に想像させることをオススメします。
「キャタピラから戦車をイメージする人もいそうですが、夏の終わりの海水浴場に工事の車輌が入った様子です。手持ち花火の屑がキャタピラの凸凹跡に見え隠れする……もう一句できそう?」と作者のコメント。
下五「~を席巻す」と大雑把に引っくくるよりは、「手持ち花火の屑がキャタピラの凸凹跡に見え隠れする」様子を描写することで、席巻していたのだなあ……と読者に想像させることをオススメします。


「べらぼう」や遊女の墓石冬ざるる
和み
夏井いつき先生より
「大河ドラマの遊女の華やかさや闇をみて。旅先で見た遊女の墓を思い出しました」と作者のコメント。
上五が「や」の切字、中七が体言止めになっているため、調べがギクシャクしています。「旅先で見た遊女の墓を思い出し」ということでしたら、「べらぼうや」と大河ドラマをだしてくるのではなく、その墓をしっかりと描写しましょう。
「大河ドラマの遊女の華やかさや闇をみて。旅先で見た遊女の墓を思い出しました」と作者のコメント。
上五が「や」の切字、中七が体言止めになっているため、調べがギクシャクしています。「旅先で見た遊女の墓を思い出し」ということでしたら、「べらぼうや」と大河ドラマをだしてくるのではなく、その墓をしっかりと描写しましょう。


億り人砂漠のホテルステテコで
光太郎
夏井いつき先生より
「億り人」は変換ミスでしょうか?
「億り人」は変換ミスでしょうか?


炎熱へ露命しづかに眠りゆく
高山佳風
夏井いつき先生より
「露命」という言葉に頼ってしまうのは、勿体ない。
「露命」という言葉に頼ってしまうのは、勿体ない。


砂漠の船並ぶホテルよドバイ冬
そうわ
夏井いつき先生より
季語「冬」の位置を再考してみましょう。
季語「冬」の位置を再考してみましょう。


駱駝色を虫喰う考のセーター
富永三紀
夏井いつき先生より
語順や言葉の取捨選択を考えて、調べを整えてみましょう。「考」は亡くなった父を意味する漢字ではありますが、できれば「父」と書いて、「この父は亡くなっているのかも」と読者に想像させる描写を工夫して欲しいです。
語順や言葉の取捨選択を考えて、調べを整えてみましょう。「考」は亡くなった父を意味する漢字ではありますが、できれば「父」と書いて、「この父は亡くなっているのかも」と読者に想像させる描写を工夫して欲しいです。


風光るキャメルハンドラーの金歯
藤本花をり
夏井いつき先生より
「兼題写真と日本の感覚の季語をすり合わせるのが難しかったです」と作者のコメント。
中七下五の目の付け所がよいです。季語は、要一考でしょうか。
「兼題写真と日本の感覚の季語をすり合わせるのが難しかったです」と作者のコメント。
中七下五の目の付け所がよいです。季語は、要一考でしょうか。


極月や砂漠に浮かぶ駱駝列
三日月 星子
夏井いつき先生より
「赤い大きな満月が砂漠を照らし、そこを行く隊商の列がくっきりと浮かぶ様子を詠みました。平山郁夫先生の楼蘭砂漠の月の絵を見てから、その絵を俳句にしたいという想いが強くあり、今回詠みたかったのですが、なかなか浮かばず、青い月に反して赤い月を季語として詠んでみました。発想力の乏しさを痛感しております」と作者のコメント。
下五「駱駝列」という書き方は、少々寸詰まりです。
「赤い大きな満月が砂漠を照らし、そこを行く隊商の列がくっきりと浮かぶ様子を詠みました。平山郁夫先生の楼蘭砂漠の月の絵を見てから、その絵を俳句にしたいという想いが強くあり、今回詠みたかったのですが、なかなか浮かばず、青い月に反して赤い月を季語として詠んでみました。発想力の乏しさを痛感しております」と作者のコメント。
下五「駱駝列」という書き方は、少々寸詰まりです。



