第49回 俳句deしりとり〈序〉|「すが」③

始めに
出題の句からしりとりの要領で俳句をつくる尻二字しりとり、はじまりはじまり。


第49回の出題
兼題俳句
泉までならご一緒もできますが 平本魚水
兼題俳句の最後の二音「すが」の音で始まる俳句を作りましょう。
※「すが」という音から始まれば、平仮名・片仮名・漢字など、表記は問いません。
スガキヤのスプーン春を梳くかたち
亘航希
スガキヤのスプーン探すMoMAは春
レオノーレ・オオヤブ
スガキヤのフォークぴかぴか春近し
芝歩愛美
スガキヤのフォークまんまる春の宵
梅田三五
スガキヤのフォークを回す年女
爪太郎
すがきやのラーメンフォーク遠花火
夢佐礼亭 甘蕉
スガキヤのラーメン二杯夜食とす
糸圭しけ
スガキヤのラーメン恋し二月尽
澤美ゆふか
スガキヤの春やクリームぜんざいを
山内三四郎
スガキヤはラーメンの後「クリぜん」よ
海苔のりこ
スガキヤは最後の砦クリスマス
欣喜雀躍
スガキヤへ友と直行帰省の日
太之方もり子
スガキヤラーメン・プリクラ・桜東風
加里かり子
寿がきやの140円だった春
若林くくな
寿がきやのスープの底よ冬日差
みそちゃん
寿がきやのラーメンフォーク春すくふ
あが野みなも
寿がきやの窓は木枯らし啜る音
あさり丸


酢が好きで伊勢海老和えて甘旨し
山本てまり
酢が好きで辛子嫌いで二月果つ
千夏乃ありあり
酢が好きと君の好みに寄せる春
文月詩架
酢が無くてどうする酢豚鴉の巣
狐狸乃
酢が利いちゅう藁焼き鰹ほしいまま
うに子
酢が効いた鶏肉炒め竜天に
だいやま
酢が決め手くんちに来たら皿うどん
西川由野
酢が決め手とだけ書きおく蛍烏賊
沢 唯果
酢がきついむせて転がるたこの足
いちの
酢が決め手とだけ書きおく蛍烏賊
沢 唯果
酸がる口闇汁の具の一口目
のりこうし
酢がらしを焼きそばにかけ冬うらら
小鳥遊
酢が切れて海鮮丼のひなまつり
胡麻栞
酢が足りぬ夏バテ予防の餃子だれ
のぐちゃん
酢が足りぬ嫁渾身の五目鮓
ガリゾー
「酢がたりぬ」クレオパトラの春愁ひ
山河美登里
酢が入つているね春の海鮮丼
七瀬ゆきこ
酢が決め手とだけ書きおく蛍烏賊
沢 唯果
酢貝酢貝酢貝逃げるのは寄居虫
潮湖島
酢牡蠣にオリーブオイルと吟醸酒
若宮 鈴音
酢牡蠣より牡蠣おこブーム呉の浜
香亜沙
酢牡蠣より生にレモスコ増える唾
あがりとむらさき
酢牡蠣牡蠣フライ剥き身一キロ消費
魔女
酢牡蠣吸ふアダムとイブに遠く生き
伊藤映雪
酢牡蠣喰ふ時に青春終わりなり
ときちゅら
酢牡蠣食ふをんなを舐めたらいかんぜよ
天雅
酢牡蠣食ぶ海のミルクの名のように
槇 まこと
酢牡蠣食ふ人と焼き牡蠣食ふ人と
谷山みつこ
酢牡蠣食へ自分の向いた方が前
咲山ちなつ
食べ物の句が多い中で明らかに異色なのが《山河美登里》さん。クレオパトラの時代にお酢って存在したのか……(?)と眉唾な気持ちで調べたら、どうも存在していたようです。世界最古のお酢は紀元前5000年頃から存在していたとされ、クレオパトラは真珠を酢につけて溶かして飲んだという説話もあるとか。「春愁ひ」がなまめかしくもあるけど、クレオパトラほどの権力者なら愁う暇があったら配下に命じて手に入れてそうな気もする。ま、そこは創作上の真ってやつですかね!


すが立ちし茶碗蒸しには三つ葉載せて
希凛咲女
すが立ちぬ初めて作る茶碗蒸し
卯之町空
すが入った大根炒め冬うらら
ゆすらご
すが入りてなほ真白なる冬大根
万里の森
すが入る大根美味し囲む鍋
オカメのキイ
すが入る手作りプリン春隣
陽光樹
鬆が入った二度目のプリン春隣
藻玖珠
鬆が入るレンチンプリン葎草
朝野あん
鬆が入る特売胡瓜古かった?
白石ルイ
鬆が立ったプリンはパパへ雛祭
蜘蛛野澄香
鬆がない茶碗蒸しできたミモザ咲いた
コミマル
「鬆」は大根や牛蒡などの芯にできる隙間のこと。また、豆腐や卵を煮すぎた時にできる多数の細かい穴のことをいいます。日常レベルではうっかり味噌汁煮立たせすぎてすが入っちゃった~みたいに口に出す場面ありますけど、漢字を意識する機会ってなかったなあ。一般的には鬆が入っちゃうのはマイナスの出来事で、句もそういう描き方が多いんだけど、《万里の森》さんは逆に魅力に変換してるのが面白いですね。鬆の入り具合が却って大根の断面のハッとさせるほどの白さを際だたせてくれています。
《③に続く》



