写真de俳句の結果発表

第67回「城下町の白壁」《ハシ坊と学ぼう!⑬》

ハシ坊 NEW

城下町の白壁

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

菖蒲田の名残に風や散歩道

小泉れもん

夏井いつき先生より
「うちの近くの池のそばに、むかし菖蒲田を作ったようです。今はほぼ枯れて、手入れもしていないようですが、数本生き延びています。昔のように美しい風景を見たいものです」と作者のコメント。

「菖蒲田の名残」ですから、かつては菖蒲を咲かせていたのだなと思われる光景=場所ですね。上五中七は、できていますよ。ただ、下五も「散歩道」という場所の情報。俳句としては、ここが勿体ないと考えるのです。
“ポイント”

白壁にゆうゆうと鯉あやめ咲く

永順

夏井いつき先生より
「今日は締め切り日。見たまんまの句です。白い壁堀の鯉、咲く燕子花。あやめか菖蒲か、燕子花なのかも判別出来ず。反省しきりの句😭」と作者のコメント。

締め切り日がある生活って、いいですね(笑)! この機会に「あやめ・菖蒲・燕子花」の違いを調べてみるのも楽しいですよ。俳句を始めると、大人の自由研究を楽しめるようになります。ちなみに、この句ですが、「白壁に」の「に」は場所を意味するので、中七に多少の違和感を持ちます。また、上五の「に」は散文的になりがちだということで、要注意の助詞でもあります。
“ポイント”

吾の影とじゃんけんしをり春の暮

田上南郷

夏井いつき先生より
句材が良いですね。中七「じゃんけんしをり」の部分ですが、歴史的仮名遣いで統一をするならば「じやんけんしをり」となります。とはいえ、中七「~しをり」と持って回った言い方をするよりは、素直に「じゃんけんをする」あるいは「じゃんけんをして」と書いたほうが、季語「春の暮」がより生きてきそうです。
“良き”

鯉も見る殿町通り花菖蒲

片平凛桜

夏井いつき先生より
「殿町」という固有名詞と「花菖蒲」という季語との取り合わせ、良いですね。この句の場合は、光景を描写するところに主眼がありますから、上五「鯉も見る」と鯉を擬人化するのは損です。再考してみましょう。
“ポイント”

水底を影の滑りて緋鯉かな

山内三四郎

夏井いつき先生より
中七を「影の滑れる」とすれば人選です。
“参った”

門前のキャンパス迷ひいる花人

水越千里

夏井いつき先生より
「迷ひ」と歴史的仮名遣いになっていますので、「いる」は「ゐる」となりますね。
“ポイント”

春光や段ボールに薬指

柳子

春嵐段ボールへ薬指

柳子

夏井いつき先生より
「一句目は現在、これからの私です。二句目は昨年(2025年)の今頃の私です」と作者のコメント。

二句ともに同じ句材のようですが、「段ボールに薬指」「段ボールへ薬指」というフレーズが、分かるようで分からない……というのが、正直な感想です。一体、どういう状況なのでしょう。
“難しい”

白壁を揺れゆく影やススキの穂

オアズマン

夏井いつき先生より
植物の季語は、特別な意図がない限りは、漢字あるいは平仮名で書くのが定石です。
“良き”

読経のごとアブの羽音よ6番所

ズッキーニン

夏井いつき先生より
「アブ」が季語になりますから、「虻」と漢字でしっかり書きましょう。更に、「6番所」は「六番」と漢数字で書くべきでしょうし、「六番札所」と正確に書いたほうがよいですね。後は、音数を調整し直して下さい。
“ポイント”

季重なり

紫陽花の枯花付けて若葉かな

瀬戸一歩

夏井いつき先生より
「紫陽花」と「若葉」の季重なり。「付けて」が必要かどうかも含めて、一考してみましょう。
“ポイント”