写真de俳句の結果発表

第69回「日本最古のビアホール」《ハシ坊と学ぼう!⑩》

ハシ坊 NEW

第69回「日本最古のビアホール」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

シャンソンに酔ふ琥珀色の夜長かな

志澤紫子

夏井いつき先生より
「ビールに酔うというよりは、この場の妖艶な雰囲気に酔ってしまいそうに思えて、このような句になりました」と作者のコメント。

調べが冗長で、「かな」があまり効いてないのが損。足して十七音の破調でまとめるのも一手です。

添削例
シャンソンに酔うて琥珀色の夜長
“ポイント”

暑気払いジョッキ掲げてモチベ上げ

夢追い人

夏井いつき先生より
「モチベ上げ」は説明の言葉になります。俳句は描写。どんなふうに誰がジョッキを掲げたのか。そこを映像にしましょう。
“ポイント”

UFOを君と一度きりの春陰

感受星 護

夏井いつき先生より
「松山市の俳句ポストへの投句〈UFOと君を一度きりの春陰〉(選外)の推敲です。助詞が問題と思ったものの、もっと根本的な間違いかもしれず、ご指導頂きたくお願いします。昔から(今でも)あまり反りの合わない姉との、本当に数少ない想い出です。実家でたまたま雲間から定期的に現れるUFOを見つけた姉に急に呼ばれ、一緒に暫く見ていました。珍しく盛り上がった気持ちが、お互い少しだけ通っていた時のことを句にしました」と作者のコメント。

詩歌で「君」は恋愛の対象を指す場合が多いので、「姉」ならばはっきりそう書いたほうがよいです。せっかくのお姉さんとの思い出ですから、俳句として完成させたいですね。季語は「春陰」がベストかどうか。その点を再考してみましょう。
“ポイント”

角打ちに泡髭ならび夏きたる

一 富丸

夏井いつき先生より
上五の「に」は要注意の助詞。語順も含めて、再考してみましょう。
“ポイント”

ビアホール琥珀とセピア時のいま

妙啓

夏井いつき先生より
古い感じを表現する言葉として、「琥珀」「セピア」この二つの言葉は、結構使われる一種の凡人ワードです。今回もかなりありました。何のどんな様子に「琥珀」「セピア」を感じたのか。そこを描写することを心がけましょう。
“ポイント”

残業後に駆け込む人もまばらのビアホール

こはる

夏井いつき先生より
「若い頃は残業だらけで、ラストオーダーギリギリに駆け込むことが多かったです」と作者のコメント。

調べを整えるという意味で、不要な単語がないか、一考してみましょう。
“ポイント”

ビアホール何故ここに来た痛風なのに

和はん

夏井いつき先生より
「痛風のリスクを抱えながらも、ついつい誘われるまま、いつもビールを飲んでしまいます」と作者のコメント。

「ビアホール」と「痛風」、この二つの単語があれば、読んだ人は「何故ここにきた」という感想を持ちます。ということは、中七は不要だということです。
“参った”

かうかうと琥珀の穹はビール酌む

源早苗

夏井いつき先生より  
「『穹は』と『穹や』で少し悩みました。ざわめきを吸い取るような天井に見えたので、『は』にしてみました」と作者のコメント。

「は」という助詞が、少々読みを悩ませます。「かうかうと」というオノマトペをどう受け止めればよいのか。そこにも、多少の疑問が。
“参った”

サンチュぐわと巻くは日焼の繊手かな

弥栄弐庫

夏井いつき先生より
「かな」はあまり効いていません。ここは体言止めにして、焦点をその手に絞るのが得策かと。「繊手」という言葉にどこまで拘りたいかによって、推敲の方向は大きく変わりますが。
“難しい”

スペアリブ積み上げてゆくビアガーデン

あんこ

夏井いつき先生より
「積み上げてゆく」は、「スペアリブ」を皿に積み上げているのですか、その骨が積み上がっていくのですか。そのあたりの描写を明確にしたいところです。
“ポイント”