写真de俳句の結果発表

第69回「日本最古のビアホール」《ハシ坊と学ぼう!⑫》

ハシ坊 NEW

第69回「日本最古のビアホール」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

生ビール女将の法話はじまりぬ

白スニ

夏井いつき先生より
「女将」がなぜ「法話」? 単純に首を傾げてしまいました。それがウリの店なのか?
“難しい”

隣人逝き愛でし椿の赫く落つ

田中 百子

夏井いつき先生より
第66回『お台場の桜』並選〈隣人逝く庭に紅き椿落つ〉を推敲しました。並選をなかなか抜け出せず、脱凡を目指し模索の日々です」と作者のコメント。

後半「椿の赫く落つ」という措辞は印象的です。となれば、前半「愛でし」とか、初案の「庭に」とかを外したほうがスッキリしそうです。

添削例
隣人の逝くや椿の赫く落つ
“ポイント”

日焼け手や背徳のてかるウィンナー

鶴喰 照

夏井いつき先生より
句材は面白いと思います。語順その他、再考してみましょう。
“ポイント”

鍋に浮く腸詰のかは遠花火

空から豆本

夏井いつき先生より
「自分で肉をぎゅーぎゅーに詰めたソーセージ。うっかり茹で過ぎて、皮が弾けて失敗しました」と作者のコメント。

上五中七はリアルです。ただ、季語が添え物になっていてるのが勿体ない。言葉の質量のバランスを考えて、季語が主役になりつつ、十二音のフレーズも生きる、という方法を探してみましょう。
“ポイント”

ミュンヘンのジョッキにジュラ紀見つけ夏

乃咲カヌレ

夏井いつき先生より
「ミュンヘンのビアガーデンで、小さな虫がジョッキに入ってしまいました。日本のビールよりも深いオレンジ色。あの有名な恐竜映画の、琥珀に閉じ込めらた蚊を思い出しました」と作者のコメント。

なるほど、書きたいことは分かりました。少し材料が多いのかもしれません。「ジョッキにジュラ紀見つけ」がどういう状態なのか、そこが伝わりにくいのが勿体ないです。
“難しい”

ランビックビールぽふとはぢける旅の欲

白沢ポピー

夏井いつき先生より
「ベルギーで飲んだランビックビールは、わたし史上最高の美味しさです」と作者のコメント。

最後の「欲」は要一考。二音分を工夫すれば、人選は目の前です。
“ポイント”

日晒しの椅子寄せ合ひてビールかな

ゆいか

夏井いつき先生より  
「会社員時代の金曜日、仕事終了後に同期と食事に出かけました。まだ明るいうちに初めてビアガーデンに入ったところ、椅子は色褪せ、テーブルも劣化が目立っていました。何となく、皆でぎこちない思いで夜を待った思い出です」と作者のコメント。

「かな」が効いてないので、「ビール」の体言止めにできるように、二音分を工夫すれば、すぐに人選です。
“ポイント”

窓際の揺るる地ビール旅帰り

生石子

夏井いつき先生より
この「窓」とは、乗り物のそれでしょうか、自宅に戻っての「窓」でしょうか。一読、判断を悩みました。
“参った”

大ジョッキに北斎の波梅雨明ける

慈庵風

夏井いつき先生より
材料が少々多すぎます。二句に分けてみましょう。
“ポイント”

ビアホールドイツ感じて乾杯よ

石津 さくら

夏井いつき先生より
「多分、20代の頃に兼題写真のお店に行ったようで、ドイツを感じた記憶がありました」と作者のコメント。

「感じて」が説明の言葉になっています。俳句は、説明ではなく描写です。
“参った”