写真de俳句の結果発表

【第4回 写真de俳句】《ハシ坊と学ぼう!⑤》

第4回のお題「枯れ草・霜柱」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

「ハシ坊」と学ぼう♪ そうそう、2021年3月31日時点で、有料会員の人は全員、「おウチde俳句手帖」(非売品)がもらえるんだって♪登録した最初の月は、登録した日にかかわらず、登録月の末日までが1ヶ月分の月額利用料になるから、できれば月の頭に入会するのがオススメだよ!例えば、登録日が3月1日でも3月31日でも、3月の利用料金は770円(税込)、4月1日に、また次月分770円が発生するってこと。せっかく、毎月、夏井先生の指導が受けられる、会員制「くらぶ」なんだから、めいっぱい楽しもう!

母恋しちゃんちゃんこに身をまとう

白百合

夏井いつき先生より
下五「身をまとう」は不要です。五音あれば、いろんなことが語れますよ。
“激励”

密な霜繁忙正月懐かしく

凛弘景

夏井いつき先生より
「霜」「正月」が季重なりです。「霜が集まっている。お正月はみんなで集まってワイワイ喋って。準備は大変だったけど、楽しかったなぁと懐かしくなった。コロナと雪とで閉じ込められているから」ということを作者は伝えたかったとのことですから、むしろ「霜」を諦めたほうがよいかと。
“難しい”

礎は光る蛇骨か霜柱

深山紫

夏井いつき先生より
「霜柱の下を想像して、
(推敲前)『霜柱礎石は蛇の骨ならん』
→『蛇』は夏の季語だけれど、骨なら大丈夫かと考えました。が、『霜柱』より『蛇の骨』のイメージが強いような気がしました。
(推敲後①)『霜柱白き蛇骨を礎に』
→骨が白いのは当たり前かと考えました。こちらもやはり『蛇骨』の方が目立つ気がしました。
(推敲後②)『礎は光る蛇骨か霜柱』
→最終的にこちらで投句しましたが、『霜柱』の映像から入った方が良かったのか、判断がつかないままでした」という作者。

よく考えていると思います。やや、材料が多いかもしれません。俳句は、季語とあと一つのキーワードがあれば、十七音を満たすのに丁度よいぐらいの材料となります。この句でしたら、「光る蛇骨」と「霜柱」だけでいい。「礎」を外せば、詩の純度をあげることができそうです。あと、一踏ん張り。ゴールは近いですよ♪
“とてもいい

霜柱枯れ紫陽花の記念板

ジキシキ

夏井いつき先生より
「剪定された紫陽花と、その紫陽花を植樹した小学校の記念板(プレート)を思い出した句」なのだそうです。ならば、むしろ「霜柱」が邪魔です。

添削例
霜枯れの紫陽花○○○○○○○○

「霜枯れの紫陽花」で意味が切れる、句またがりの型です。残りの音数で、記念板の質感を表現してみましょう。
“ポイント”

枯れ草や行き交う電車夢の跡

はる奈

夏井いつき先生より
「廃線の風景を詠みました。本歌取りに挑戦してみたかったのですが、これは本歌取りとは違いますか?」と作者からの質問。

うーむ、「夏草や兵どもが夢の跡」の本歌取りと考えるには、上五の季語の選び方がやや安易。三段切れになっているのも気になります。
“ポイント”

心臓に荒星飼うて立つ舞台

夏井いつき先生より
「霜柱が演者のように見えました」という作者。

その発想は分かるのですが、作品としては「~立つ舞台」が損。前半の詩語が素敵なだけに、勿体ない。
“難しい”

星遠く過去に凍てたる収容所

夏井いつき先生より
「枯草のそばに現在のしずかな収容所の光景を想像しました。凄惨な過去に鎖でつながれて地に縛られているような感覚を句にしたかったんですが、うまくいきません」と作者。

その感覚を表現したいのならば、「過去」という言葉に甘えないほうがよかろうかと。
“激励”

墓洗ひ帰る細道霜の華

笑休

夏井いつき先生より
「墓洗う」も季語ですので、上五を工夫してみましょう。
“参った”

転んでも楽しき童女霜柱

香亜沙

夏井いつき先生より
「童女」は必要ですか。せめて「子ども」「子らよ」ではダメですか。
“難しい”

新芽よりさき霜柱息吹くなり

まい妓

夏井いつき先生より
「新芽が息吹くように霜柱が息吹き、またそれは生命の息吹きにも感じる」と作者の弁。

新芽が息吹くように、という比喩にしたいのならば、そのように書かないと、季重なりを指摘されるのではないかと思います。

添削例
新芽吹くように霜柱の息吹く

ひとまず、作者の思いに言葉を寄せてみました。さらに、「霜柱」を主役にできるように推敲してみましょう。
“難しい”

枯れたるをズンズンと押す鴨の脛

ゆさんこんめ

夏井いつき先生より
「『枯れ草』では季重なりかなと思い、こうしましたが『枯れ』の時点でもう、季重なりでしょうか」と作者からの質問。

この句の場合は、こういう光景を描写したいわけですから、季重なりであることよりも、リアルに描写することを目的としたほうがよいですね。そういう意味では、中七の描写の精度がゆるい。もう一度、この時の鴨の様子を脳内でリプレイして、言葉を探してみて下さい。佳い句になると思います。
“激励”
 

大学旗撤られ箱根の三日果つ

夏井いつき先生より
「撤られ」はどう読ませますか。そこを少し迷いました。ここが分かりやすく書かれていれば、人選にいれたい一句です。
“良き”

体育着提げる子の蹴る霜柱

三千里ねおじむ

夏井いつき先生より
「霜柱は普通“踏む”ものですが、体育の授業の日は、なんとなく蹴っ飛ばしたい気持ちになるということを詠みました。最初は『体育着提げて蹴飛ばす霜柱』としていたのですが、上五中七まで読んだ時に、体育着をぶらぶら提げた状態でぽんぽん蹴っ飛ばすような情景に誤読させてしまうため、人物を間に入れて動作を分断しました。ですが、まだ推敲の余地はありそうに感じています」と作者のコメント。

よく分析できています。誤読の心配の解消方法として、先に霜柱を蹴るのも一手です。「体育着」も一般的な言い方にしてみましょう。

添削例
霜柱蹴る体操着提げたまま
“ポイント”

庭先の葱抜きしあと霜柱

お漬物

夏井いつき先生より
「土葱を庭先に埋めて、翌日、二本抜いた穴に土を被せました。年末年始の寒波により、庭先を覗くと立派な霜柱が出現しておりました」と作者。

「葱」は季語ではありますが、その葱を抜いた穴に、立派な霜柱ができているという光景は、俳人心を刺激します。よい目のつけどころです。
この句の場合、「庭先の」と場所を書く必要はありません。その穴のみをクローズアップして描写すれば、非常に面白い句になります。頑張れ、《お漬物》さん♪
“とてもいい

なわとびのれんしゅういやや霜柱

新開ちえ@娘(6歳)のおしゃべり俳句

かけあしでよにんぬかした霜柱

新開ちえ@娘(6歳)のおしゃべり俳句

夏井いつき先生より
YouTube『夏井いつき俳句チャンネル』では、子どもたちのおしゃべりに耳をかたむけて、「おしゃべり俳句」を作ってみませんかとオススメしています。この二句は、まさにそれです。是非、YouTubeのコメント欄に書き込んで下さい。
▶︎YouTube『夏井いつき俳句チャンネル』【おしゃべり俳句】子どもや孫の声を俳句にしてみよう
“とてもいい