写真de俳句の結果発表

【第7回 写真de俳句】《ハシ坊と学ぼう!④》

第7回のお題「ラベンダー」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

白靴や画板の上のラベンダー

白兎

夏井いつき先生より
「『ラベンダー』が季語なのか、季語ではないのか? 迷っています。歳時記に季語として載っているものもあれば、載っていないものもありましたので、この句は季語ではないものとして書いてみました」と作者のコメント。

ページ数の少ない歳時記や季寄せには載せられない季語もでてきます。図書館などで大判の歳時記を確認してみるとよいですね。
“良き”

花壇掘る犬の鼻先夏夕焼

白兎

新緑や誰か落としたアイス踏む

白兎

夏井いつき先生より
この二句も季重なりです。どこが季語なのか、調べてみましょう。
“激励”

夏の山リフトより聞くラベンダー

秋紫

夏井いつき先生より
「富良野のラベンダー畑の上をリフトで越えました。ラベンダーはもう枯れているのですが、香りはまだします。お香の世界は『香りを聞く』と言うようなので、使ってみました」と作者のコメント。

「夏の山」と「ラベンダー」の季重なりです。「リフト」まで匂ってくるという経験は、よい俳句のタネです。「夏の山」を捨てて、推敲してみましょう。
“ポイント”

橙と黄色紫ラベンダー

平本

夏井いつき先生より
うーむ、「ラベンダー」にもこんな色があるのですか。それとも「橙と黄色」は別のものの色? そこが分かりにくい。
“難しい”

ラベンダー憂きこと知れば青に咲く

稲垣加代子

夏井いつき先生より
「『知れば』と『知りて』で悩みましたが、『知った結果青になった』ではなく『青色に咲く理由』という意味を強めたくて『知れば』にしました」と作者のコメント。

発想はよいですね。ただ、「~(を)知れば~に咲く」という叙述が散文的です。俳句では、原因や理由を述べるのを嫌います。ラベンダーの物憂い心がこの青であるよ、というラインで推敲してみましょう。
“ポイント”

ラベンダー揺るるジャポニカの表紙

西田月旦

夏井いつき先生より
表紙の写真となっている「ラベンダー」が季語として機能するか、という問題はありますが、「ラベンダー」と「ジャポニカ(学習帳)」の取り合わせは、面白いです。さあ、どうする?
“激励”

舞い上がり舞い戻りつ土手の蝶

歩一

夏井いつき先生より
「土手に草花が咲き出すと、蝶が風に吹かれて舞い上がり、また舞い戻って蜜を吸う様」と作者のコメント。

蝶の表現として、「舞い上がり舞い戻りつ」はありがちな措辞です。作者のコメントの中にある表現を借りて、中七下五を整えてみます。

添削例
○○○○○吹かれてもどる土手の蝶

さあ、上五はさまざまな展開が考えられますよ。ドリルde俳句だと思って、色々やってみましょう。
“ポイント”

万歳のしたい丘ですラベンダー

びんごおもて

スキツプのしたくなる丘ラベンダー

びんごおもて

ラベンダー手のつなぎたし歩きたし

びんごおもて

夏井いつき先生より
たぶん、どれがよいですか? という意味で、三句並んでいるのだと思いますが、これは表現者として作者が選ぶべき問題です。あなたは、何を表現したかったのですか。
“激励”

清明や生きるる物のみな歪

文女

夏井いつき先生より
「生きるる」は、「生まるる」の間違いでしょうか。もしそういうことでしたら、人選に推します。
“良き”

孔雀草明日には取られゆく子宮

うからうから

夏井いつき先生より
素材としてはよいです。季語との取り合わせにも個性があります。中七の表現がベストかどうか迷いますね。「明日には取られゆく」この表現、一考してみましょう。
“ポイント”

草陰のすべる蜥蜴や水めいて

大西どもは

夏井いつき先生より
「初めての吟行で見た場面。この兼題写真の中でもありえるかなと思いました。蜥蜴は水が流れるように動くんですね。肌もキラキラしていました」と作者のコメント。

すべるように走っていく「蜥蜴」を「水」と表現した点がよいです。「草陰」が要るのかどうか。「の」なのかどうか。「~めいて」がベストなのか。小さな調整が必要です。
“とてもいい

ラベンダーの香水春の朝を行く

Q&A

夏井いつき先生より
「ラベンダー」「香水」は夏の季語。「春の朝」は春の季語。さて、どうする?
“激励”

空港のステンドグラス春の蝶

小鞠

夏井いつき先生より
「蝶」は春の季語なので、「春の~」は必要ないといえばないのですが、稀に「春の蝶」という表現がうまくいくケースもあります。これは、ステンドグラスに春の蝶が描かれているのか。ステンドグラスに対して、「春の蝶」を取り合わせているのか。読みを迷いました。
“参った”