写真de俳句の結果発表

【第7回 写真de俳句】《ハシ坊と学ぼう!⑦》

第7回のお題「ラベンダー」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

朧月よき終わりに焚くラベンダー

新島かのん

夏井いつき先生より
「アロマは好きですが、ラベンダーとミントは母に嫌われていて、最初は母のいぬ間に焚く、という句を考えていましたが、そのうち、こんな夜の過ごし方したいなぁと思い、作った一句です。『焚く』なのでお香なのかもしれません。アロマの『たく』という語がわからなかったので、お香でもアロマでもいいという具合にしました」と作者のコメント。

この句の「ラベンダー」もアロマですが、「朧月」という季語と取り合わせられています。惜しいのは、中八になっている点。工夫してみましょう。
“良き”

もう立てぬ父の部屋にもラベンダー

秋乃さくら

夏井いつき先生より
語順を変えてみましょう。

添削例
ラベンダー挿すもう立てぬ父の部屋

「ラベンダー挿す/もう立てぬ父の部屋」斜め線のところに意味の切れ目がある、句またがりの型です。
“ポイント”

ラベンダー酸素を運ぶヘモグロビン

丸山隆子

脳までも碧く染め上げラベンダー

楽剛

夏井いつき先生より
どちらも中七が要るのかどうか。考えてみて下さい。
“激励”

夏季休暇富良野あきらめグルメ旅

吉岡 まち

夏井いつき先生より
「富良野あきらめグルメ旅」は日記の一行。この年の夏季休暇の様子を具体的に書いてみましょう。
“良き”

夏旅や紫の丘ハイポーズ

カモミール

夏井いつき先生より
下五がありがちです。何か欲しい。
“参った”

ラベンダー独り占めしてハイチーズ

紫龍

夏井いつき先生より
「周りに人がいない今がシャッターチャンス、という景を詠みました」と作者のコメント。

下五「ハイチーズ」が、いかにもやな~(苦笑)。下五、もう一ひねりしてみましょう。写真を撮る前の光景にしてみてはどうでしょう。

添削例
ラベンダー独り占めする朝の道
“良き”

占いのラッキー色やラベンダー

小林 昇

帯揚げと帯締めの色ラベンダー

秋桜

夏井いつき先生より
ラベンダーの「色」となれば、季語にはなりません。
“激励”

ラベンダー初めて嗅いだトイレかな

中町寛美

夏井いつき先生より
「生のラベンダーを初めて知ったとき、思わず『これは家のトイレの芳香剤や!』と感じた句です」と作者のコメント。

ラベンダーの句というよりは、消臭剤の句だな(苦笑)。
“参った”

写メ届くラベンダーに深呼吸

遊心

夏井いつき先生より
「北海道に転居した娘から届いた写メ(写真つきメール)が、まさにその様な写真でした。雄大なラベンダー畑に香りも乗って送られてきた様な気持ちになった時のことを読みました」と作者のコメント。

具体的な情報が欲しいですね。北海道とか、転居した娘とか、コメントの中にもヒントがありますよ。
“良き”

春の風あなたを待ちますラベンダー

みたけ

夏井いつき先生より
「春の風あなたを待ちます」までは、成立しているので、むしろ下五を季語ではない言葉を補いましょう。
“ポイント”

夕焼けや地平線までラベンダー

旅路

夏井いつき先生より
「プロヴァンスの広大なラベンダー畑を訪れたときのことです。日没前後の光がラベンダーを染め、その色のコントラストが夢のように素晴らしいものでした」と作者のコメント。

「夕焼け」は夏の季語になります。こんな時は「夕映え」を使うのも一手。

添削例
夕映えや地平線までラベンダー
“良き”

パパ出張ママは子育て夏野かな

通翁

夏井いつき先生より
「母と子の写真から、仕事仕事で家のことは妻に任せっぱなしだった子育て時代を思い出し、妻への感謝の気持ちを込めて詠みました。感謝の気持ちを込めた季語が、なかなか見つかりませんでした」と作者のコメント。

下五「かな」が利いていないのが難点。コメントを読んでの話ですが、むしろ「パパ出張」とかは書かないで、妻にばかり子育てを任せていた、ということを書いたほうがよさそうです。
“ポイント”

空映ゆる花の饗宴夏近し

秋桜

夏井いつき先生より
「娘と北海道へ。美瑛の丘のラベンダーを見て、息をのみました。あの日の事を俳句にできて嬉しいです」と作者のコメント。

俳句で「花」は桜を指します。むしろコメントの中の「美瑛の丘のラベンダー」が中七下五になってるので、上五に季語ではない言葉を入れて完成させてはいかがですか。
“良き”

夏ラベンダー畑子等の声舞う

真樹

夏井いつき先生より
「ラベンダー」が夏の季語ですから、「夏」は不要です。下五「舞う」も別の言葉にできるといいなあ。
“参った”

草揺らしヴンと空舞う夏の蜂

鯖水煮

夏井いつき先生より
これも「舞う」ではない言葉で描写したいですね。
“参った”

春温し妻の手を取り花の道

隔離迷人

夏井いつき先生より
「公園に咲く満開の花に心も洗われ、素直に手を繋ぎ歩いた春の暖かい日があったなぁと回想しました」と作者のコメント。

「花」は桜を意味します。下五、考えてみましょう。「道」と書かなくても、分かる書き方もありますよ。
“激励”