写真de俳句の結果発表

【第8回 写真de俳句】《ハシ坊と学ぼう!①》

第8回のお題「赤い茸」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

[ 表記 ]

縁側に きのこ干す祖母 夏の空

桜桃

小人達 茸に帰る 春の宵

ださいく

夏井いつき先生より
五七五の間を空けずに、一行の縦書きにするのが、俳句の基本的な表記です。
“ポイント”

赤い茸

亜芽流

一歩踏み出す

亜芽流

富士の雪解

亜芽流

夏井いつき先生より
五七五を分けて書くのではなく、投句欄一つに一句書いて下さい。
“参った”
[ 季重なり ]

秋の季語茸をどう詠む初夏なのに

白兎

夏井いつき先生より
「兼題写真を初めて見たときの正直な気持ちです」との作者の気持ちも分かりますが、俳句には「梅雨茸」という季語もあるのですよ。歳時記と仲良くなると、いろんな発見がありますよ。
“良き”

赤いきのこの傘に虫たち雨宿り

うっとりめいちゃん

騙されてしいたけごくん春祭り

うっとりめいちゃん

夏井いつき先生より
「きのこ」「虫」「しいたけ」「春祭り」それぞれが季語になります。歳時記を開いてみましょう。
“ポイント”

かえるいっぴききのこの下で晴れを待つ

ウキナガ

夏井いつき先生より
「かえる」「きのこ」どちらも季語です。
“難しい”

苔清水登山の靴の泥落とす

美美子

遠雷やぬかるみ抜けぬ登山靴

美美子

夏井いつき先生より
「清水」「登山靴」「遠雷」それぞれ季語です。このまま季重なりの句としてブラッシュアップするか。どちらかの季語に絞るか。道が二つに分かれています。
“ポイント”

梅雨時季に通学路には赤い茸

km0916

夏井いつき先生より
「梅雨」の季節に生えてくるのを「梅雨茸」といいます。これも季語です。
“良き”

滴りにまみれし犬と梅雨夕焼

ひつじ

夏井いつき先生より
「いちいち草に顔を突っ込むため、びしょ濡れになった犬と、久しぶりの夕焼けを見ている様子です」と作者のコメント。

「滴り」「梅雨夕焼」どちらも季語です。歳時記を確認してみましょう。
“ポイント”

清水の石に河鹿のファルセット

エフ

夏井いつき先生より
「河鹿の鳴く苔清水が見えます」と作者のコメント。

きれいに言葉が並んでいるのですが、「清水」と「河鹿」の季重なりがやはり気になります。「清水」ではない言葉、探せそうです。
“良き”

木の芽風されどきのこやあぁきのこ

かのママ

夏井いつき先生より
「発想を飛ばしきれませんでした……」と作者のコメント。

発想うんぬんの前に、歳時記を開いてみましょう。
“ポイント”

薫風にこの世あの世も笑い茸

てんこ典子

夏井いつき先生より
「コロナ禍、いかに暮らせば楽しくなるのか。薫風に乗り、毒茸の力を借りて笑い飛ばしたい思いです」と作者のコメント。

下五「笑い茸」は比喩的な使い方になっているのは分かるのですが、だからといって上五「薫風」が主役になりきれているかというと、それも物足りない、という感じです。
“難しい”

若葉冷え見映えよろしき毒きのこ

山薔薇(やまばら)

夏井いつき先生より
これも「若葉冷え」が主役になりきれていません。
“参った”

赤茸のマジパンのごと森若葉

ふみ

夏井いつき先生より
「マジパンのような赤いキノコをイメージしました」と作者のコメント。

「茸」と「若葉」それぞれが季語です。この場合は、「赤茸」を主役にしたいようですから、「若葉」を諦めるのが妥当かと。
“ポイント”

春山に赤い茸の恐ろしや

好遊

夏井いつき先生より
「春山」の赤い茸を「恐ろし」と言い切っているのは、悪い感覚ではないのですが、「~に~や」の叙述で損をしています。
“ポイント”

花びらの落ちる先にも春生まれ

瑠心

夏井いつき先生より
「桜は散りますが、花びらの行き先に、かわいらしい赤い茸が生まれている、ということを詠みました」と作者のコメント。

「花びら」は桜の傍題でもあります。「春」との季重なりですね。花びらではない、何かが落ちた先に春が生まれる、と発想の向きを少し変えてみましょう。
“良き”