写真de俳句の結果発表

【第8回 写真de俳句】《ハシ坊と学ぼう!②》

第8回のお題「赤い茸」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

[ 類想 ]白雪姫or小人

絵本なかこびと七人てんぐたけ

房総たまちゃん

赤きのこ小人の森の道しるべ

清雅

森閑か白雪姫の茸摘む

夏埜さゆり女

7人の小人探して赤い茸

あすか風

小人さん真っ赤な林檎いかがかな

おぐら徳

七人の小人の避けるきのこ在り

ペトロア

赤キノコ童話の森の小人たち

ともっち

白雪姫赤い茸に腰掛けて

やま猪口

先頭は小人七人茸狩へ

白雪の森か「ハイホー」のこだまして

宗元

にぎやかな七人小人山わらう

かのママ

七人の小人踊るや初夏の森

ばいも

紅茸や雨宿りする小人たち

こうめ

林檎食む白雪姫になりきって

とり

白靴のこびと七人住まう森

坂井りさ

夏井いつき先生より
「類想ですが」「ありきたりですが」とコメントを添えている作者も多かったけど、これだけ並ぶとどうしたものか……と思いませんか。
“難しい”
[ 類想 ]不思議の国のアリス

アリスのごとベニテングダケで伸び縮み

つんちゃん

赤い茸不思議の国の入口か

れんこん

時計見てアリス来ぬかと茸目指す

淑英

山若葉アリスの国に迷い込み

陽貴妃

夏井いつき先生より
『不思議の国のアリス』を思った人たちも多数。
“参った”
[ 類想 ]草間彌生

ぬぬぬっと草間彌生の赤きのこ

あすか風

赤い茸草間彌生のドット有り

紅梅

夏山に草間彌生のごと茸

Q&A

赤いキノコ草間彌生のインパクト

つんちゃん

夏井いつき先生より
「茸→赤い水玉→草間彌生」の類想も多かったのです。これは、むしろ草間さんの作品力が強く過ぎるのかもしれませんね(笑)。
“良き”

夏雲をきざすKUSAMAのキノコかな

誠人

夏井いつき先生より
草間さんの水玉から抜け出そうという意志はありますが、「夏雲」が季語なので、「キノコ」を季語として読むのか否か、迷いました。
“難しい”

蜃気楼草間彌生のやうな茸

丹波らる

夏井いつき先生より
「富山に住んでいるときに蜃気楼を見ました。蜃気楼は海でぼんやりと見たのですが、対比として兼題写真の赤いキノコのイメージが湧いてきました。現実には取り合わせできない二物ですが、草間彌生先生を介在させることで可能かと感じました」と作者のコメント。

先に解説しているように、「草間彌生のやうな茸」という発想は多数ありまして、既視感MAXです。「蜃気楼」を主役の季語としているのか、「茸」なのか、そこも分かりにくいですね。
“参った”

茸でるでる草間彌生の独りごと

句楽岡徨詩

夏井いつき先生より   評価    並 
「有毒なキノコは目においしいものばかり。それらの芸術的でアグレッシブな姿から、現代アーティストの巨匠・草間彌生さんの創作風景を想起しました」と作者のコメント。

季語「茸」に対して、「草間彌生の独りごと」を取り合わせたのは、工夫です。
“とてもいい
[ 類想 ]マリオ(ゲームキャラクター)

椎茸を掲げし吾子はちびマリオ

信壽

孫いわくマリオカートのきのこだね

亀田かつおぶし

捕らへてもマリオになれぬ茸かな

早乙女龍千代

知恵熱はマリオのキノコ登校日

梓弓

ドリームのマリオの刹那赤キノコ

小山美珠

菖蒲の日マリオゲームの赤キノコ

輝文

マリオゲームた・んた・たんたん赤きのこ

香亜沙

夏井いつき先生より
「茸→マリオ」という発想の句も沢山沢山とどきました。類想というヤツから、どうやって抜け出せばいいのか。
“難しい”

雨降る日遊びに行けずマリオカート

あかねこ

マリカーで揺れる子の背中長閑

はるてがみ

夏井いつき先生より
「マリオカート」「マリカー」と書いても、発想としては、そんなに変わったものではありません。
“激励”

湘南をマリオカートや夏立ちぬ

多喰身・デラックス

夏井いつき先生より   評価    並 
「ゲームの『マリオカート』を模した車両で公道を走れるサービスがありました」と作者のコメント。

確かに、マリオたちに扮した人たちが「マリオカート」っぽい車で公道を走っているのに、時々出会います。同じ発想ですが、ここまで書いてくれると、現実の光景として季語も見えてきます。
“とてもいい
[ 類想 ]木漏れ日

木洩れ日や苔の花とは小さき森

黒子

木洩れ日の立夏きのこはひとりきり

黒子

木漏れ日の光る礫や苔青し

伊藤はな

木もれ日に赤い茸の映えて生れ

おケイちゃん

木漏れ日を行ったり来たり揚羽蝶

ひなた

木漏れ日やうすばかげろふ一つ舞ふ

篠原 雨子

木漏日や瓢虫は翅を持つ

渡辺鬼

木漏れ日のここが我が家と赤い茸

河囲 千冬

木漏れ日を拾ひ集めて苔清水

川越羽流

木漏れ日の自由不自由苔の花

若宮 鈴音

青葉闇木漏れ日示す道標

峰 沙理

鹿茸よ木漏れ日の中に祖母ひとり

関根土筆

木漏れ日に苔茂りおり三千院

坂野ひでこ

緑陰や木漏れ日ごとに見上げをり

砂楽梨

万緑の空木漏れ日へケンケンパー

萩 直女

木漏れ日がスポットライト梅雨きのこ

姫川ひすい

木漏れ日を手掴みし茂山の底

たぬき

木もれ日や赤い茸の大きかり

おケイちゃん

木漏れ日にゆるる金蘭スピリット

エフ

木漏れ日に天を仰げば青葉木菟

青葉

沢音や木洩れ日包む苔の花

咲弥あさ奏

こもれびのかさにちろちろ紅きのこ

成実

木漏れ日の苔筵にきのことゐる

空地春水

苔茂り木漏れ日を吸う古刹かな

里春

人誘う木漏れ日ふれて茸かな

ピタ子

木漏れ日に木の根延び居て茸家族

瀬戸一歩

君の横顔に木漏れ日風薫る

佳月

夏井いつき先生より
今回の兼題写真から「木漏れ日」という言葉を連想した人たちも多数おりました。映像もムードもある言葉なので、便利に使われがちな「木漏れ日」。しかし、一句の三分の一が同じ「木漏れ日」の句がこれだけ並ぶと、気になってきませんか。

「木漏れ日」の代わりに、どんな表現ができるのか。ここが、ワンランクアップのための考えどころです。
“激励”