写真de俳句の結果発表

【第8回 写真de俳句】《ハシ坊と学ぼう!③》

第8回のお題「赤い茸」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

走り梅雨芝生に茸ポコンポコン

きつつき

夏井いつき先生より
「手入れして、冬枯れから青々となってきた庭の芝生に、走り梅雨の時期になると茸が出てきます。また摘み取らなくてはならないけれど、2、3本生えている姿に季節の循環を感じます」と作者のコメント。

この茸をまさに、「梅雨茸」と呼ぶのです。となれば、節約できる言葉がどれか、分かりますね。
“良き”

毒や喰らふ蛙になりぬる夢を見き

絵美

夏井いつき先生より
「『キノコ』は秋の季語なので、使えないのがつらかったです」と作者のコメント。

「梅雨茸」など、季語にはさまざまなものがあります。ゆっくりと一つ一つ覚えていきましょう。そして、この句、「夢」の「蛙」は、季語としての力がやや弱くなります。そこはもう一工夫欲しいかな。
“参った”

キノコ傘伝い染み入る梅雨なり

佳月

夏井いつき先生より
「一気にドザーっと降る雨ではなく、傘を伝ってから地面に染み込んでいくような、シトシトと降る梅雨の雨を表現しました」と作者のコメント。

「茸」も「梅雨」も季語です。ただ、「梅雨茸」という季語もあるので、そのように書くほうがよいでしょうね。「染み入る」は鮮度の低い描写ですから、そこも再考したほうがよいでしょう。
“ポイント”

虫の闇毒薬を煮る魔女の笑み

えとうま448

木下闇魔女のスープの赤茸

超凡

魔女の森グリム童話の赤キノコ

ひよこ草

夏井いつき先生より
今回の兼題写真から、白雪姫と七人の小人、不思議の国のアリス、マリオ、草間彌生などの類想が沢山でてきたことをお伝えしましたが、「魔女」も沢山ありました。
“ポイント”

茸燃ゆる萌えるてんてん青き嶺

焼過

夏井いつき先生より
「燃ゆる」「萌える」と掛けた気持ちは分かりますが、「茸燃ゆる」に違和感があります。
“難しい”

腰かけて季節間違え黴の宿

焼過

夏井いつき先生より
上五「腰かけて」は誰が? 何が腰かけているのでしょう。中七は、ほぼ不要な説明ですから、中七を使って、映像を描写してみましょう。
“ポイント”

御岳山青苔に立つ赤い葢

風呂猫

苔青し御岳に映える朱い笠

風呂猫

夏井いつき先生より
「一句目、『立つ』という動詞がキノコに合わないかと思い、推敲したものが二句目です。『赤い葢』を『朱い笠』と、漢字も変えました」と作者のコメント。

ここまでの推敲の方向性は合ってますよ。「苔青し」が夏の季語なので、下五「朱い笠」は誰かがかぶっている笠だと読まれる可能性があります。「映える」の一語も再考してみましょう。
“良き”

梅雨茸の笠やミューズの絵の具箱

ひでやん

夏井いつき先生より
「『梅雨茸の笠』で詠嘆すると、季語としての梅雨茸が脇役になってしまった気がするのですが、どうなんでしょうか」と作者の質問コメント。

中七「ミューズの」が主張しすぎているのかもしれません。具体的に、どんな様子を描きたかったのか。再度、整理してみましょう。
“参った”

立夏てふしやきしやきの毒きのこの子

黒子

夏井いつき先生より
「季重なりに挑戦。主役は『立夏』。『毒きのこ』は虚の季語として使用してみました。これから猛暑へ変貌してゆく夏の、現在の初々しさを書いたつもりです」と作者のコメント。

「しやきしやきの毒きのこの子」という表現はそれなりに面白い。上五は強引すぎます。季重なりとしては未消化です。
“参った”

てんぐたけ園庭遊具楽しそう

房総たまちゃん

夏井いつき先生より
「園庭にある遊具にそっくりなのでそれをかきました」という意図は、伝わりますが、下五「楽しそう」が安易。
「遊具」に似ていると書けば、比喩になりますね。遊具のどのあたりに、どんなふうに「てんぐたけ」が生えているのかを書けば、映像になります。
“ポイント”