写真de俳句の結果発表

【第9回 写真de俳句】《ハシ坊と学ぼう!②》

第9回のお題「青葉とリス」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

裕福なリスあまたの糧を思い出し

水間澱凡

夏井いつき先生より
「裕福なリス」という擬人化は、詩人・工藤直子さんの『てつがくのライオン』みたいで、詩語としてイケそうです。
しかし、中七下五は、なぜ裕福かを説明しているに過ぎません。さらに「リス」は季語ではないので、明確な季語が欲しい。さあ、ここからが推敲の本番です。
“難しい”

山若葉リスの走りてかくれんぼ

木綿子

夏井いつき先生より
「実物のリスと直接触れ合う経験があまりなかったので、とにかくこの兼題写真の状況を伝える、という夏井先生のアドバイスに従い、写真を表現してみました。リスはすばしっこくて臆病で、ささっとすぐに隠れてしまう。そんな様子を表現できればと思いました。『リス』にしようか『栗鼠』にしようか迷いましたが、『栗鼠』ではあまりにも漢字が続いて、重く感じたのでリスにしました」と作者のコメント。

リスが走り出て、すぐに隠れてしまう、という句も沢山届きました。作者のコメントの中に「すばしっこくて臆病」という文言がありましたが、それらも詩の言葉となります。「臆病なリス」で一句、まずはチャレンジしてみましょう。
“ポイント”

木漏れ日の揺れるすき間に猫じゃれて

桃にしき

夏井いつき先生より
第8回の兼題写真のときにも、「木漏れ日」の句が沢山届いて、その件について解説をしております。是非、さかのぼって読んでみて下さい。「木漏れ日」は季語ではありませんね。
“良き”

木漏れ日にリスが寝過ごし青葉梅雨

トコトコ

夏井いつき先生より
こちらは「青葉雨」という明確な季語が入りました。ただ、この句においても「木漏れ日」が必要な情報として機能しているか? と考えると、あまり役には立っていません。

添削例
寝過ごしたリスに青葉の雨しきり
“難しい”

夏来る命のこだまブナの森

はる

夏井いつき先生より
「『プレバト!!』に刺激され俳句に興味を持ちました。十七音で表現することは、おしゃべりな私には修行のようで苦しいけれど楽しいです。兼題写真を見て、白神山地を歩いたときの気持ちを思い出しました」と作者のコメント。

「夏来る/命のこだま/ブナの森」と斜め線のところで、切れる型になっています。「三段切れ」という言葉は、『プレバト!!』でも時々でてきますね。『プレバト!!』の出演者たちと一緒に、少しずつ学んでいきましょう。
“ポイント”

江ノ電模型吾子へ父夏土産

きよみ

夏井いつき先生より
「息子が4歳の時、初めて江ノ電に乗るその日のために、私の父が孫の為に準備してくれたのが嬉しかったので、今でも模型を見るたび思い出します。兼題写真と違ってすみません。『プレバト!!』いつも大好きで見ています」と作者のコメント。

これも、全体がプツプツと切れてしまってますね。さらに材料が多すぎるのも問題です。「子の江ノ電模型」で一句。「息子が初めて江ノ電に乗ったこと」で一句、というふうに、材料を小さくちぎって、作り直してみましょう。
“良き”

リスの夏緑のカーテン雲隠れ

なり

夏井いつき先生より
「緑陰が濃くなる夏になると、リスを見つけるのも大変かなという思いを書きました」と作者のコメント。

いわゆる「緑のカーテン」ではなく、「雲隠れ」の擬人化のようですが、この光景を描きたいということならば、率直に描写してみましょう。緑が濃くなって栗鼠が見つけにくいと、書けばよいのですよ。

添削例
栗鼠みつけにくし緑の濃くなれば
“ポイント”

良く見えたリスも青葉に隠れたり

大雪

夏井いつき先生より
この句も「リスも青葉に隠れがち」と書けば、「良く見えた」とそれまでのことを書く必要はないということです。俳句は短いので、いかに不要な言葉を外すか。それが大事な判断になります。
“良き”

新緑の

すずめがチュン

木陰で餌を

すずめがチュン

狙うリス

すずめがチュン

リス来るや

みちこ

赤いトマトに

みちこ

誘われて

みちこ

夏井いつき先生より
一つの投句欄に、一行で一句書きましょう。上五、中七、下五を別々に書くのではありませんよ。
“参った”

ジャングルジムの遊ぶ子や青葉風

ぎんねずみ

青葉風ジャングルジムに遊ぶ子ら

おまた なをし

夏井いつき先生より
「ジャングルジムの子」と書けば、まず「遊んでいる」ことは分かります。(遊んでいない時は、そのように書く必要がありますが)節約できた三音をどう使うか。ここが、人選になるための大きなポイントです。
“参った”

ドングリはまだなってなかったとリスさんが

はいちゃん

夏井いつき先生より
口語には口語の効果もありますが、語順を整えるといいかな。

添削例
リスさんがいう「どんぐりはまだだよ」と
“良き”