ドリルde俳句の結果発表

【第9回 ドリルde俳句】①

ドリルde俳句結果発表!

始めに

皆さんこんにちは。ドリルde俳句のお時間です。
出題の空白に入る言葉を考えるドリルde俳句。出題の空白を埋めてどんな一句が仕上がったのか、皆さんからの回答を紹介していきます。
“良き”

第9回の出題

○○○○○がんばった子の汗○○○

今回の出題のキーワードは「ベタベタ」です。(汗がベタつくとかの意味ではありません。)

「がんばる」に「汗」……俳句的にはあまりにも類想、あるいは凡人的発想といえるでしょう。しかも「子」となると、これはもうベタの極み!

あえて出題そのものを類想ベタベタなものにした場合、皆さんはどんな切り口で挑んでくるのか。真っ向からベタベタを重ねてくるのか、意外な回避行動を取るのか?
さっそく回答をみていきましょう。
“ポイント”

逆上がりがんばった子の汗光る

石橋 いろり

出題は下五の二音が「汗」となっています。さて、残り三音をどうするか?
いくつか想定される選択肢の中で「汗」を描写する方法を選んだ人たちがいらっしゃいます。

その中でも圧倒的に多かった三音が「光る」です。これはもうとにかく数が多かった!
さかあがりがんばった子の汗ひかる こしあん〉は漢字がひらがなに変わっていますが、ほぼ《石橋いろり》さんと同様。〈逆上がりがんばった子の汗光る汗 大本千恵子〉は「汗」で意味を軽く切り、さらに「光る汗」と字余りで重ねています。「光る」シリーズの中では工夫が見られますね。

かけっこをがんばった子の汗ひかる 国東町子/瑛琳〉はお二人完全一致。〈かけっこやがんばった子の汗光る カモミール〉も上五の一音違い。「を」と「や」の違いはカットの切り替わりですね。後者の場合、「かけっこ」全体を映像としてイメージさせたあと、個人の「汗」へと画面をぱっと切り替えるような効果があります。
“良き”
「かけっこ」を言い換えると〈徒競走がんばった子の汗ひかる 大橋あずき/鈴花〉も成立します。言い換えと字面の変化により、少し硬い表現に。年代も変わってきそう。〈運動会がんばった子の汗ひかる 美々子〉はうっかり季重なり。実は「汗」が夏の季語、「運動会」は秋の季語なのです。知ってか知らずか、季重なりになってしまった人は他にも多数。

バトンパスがんばった子の汗ひかる すず〉はより具体的な種目の表情が見えてきます。動きの瞬間を捉えていて、比較的好評価。〈ビリだけどがんばった子の汗光る おまた なをし〉は頑張りを褒めてあげる心理に共感を覚えます。「~だけど」がやや説明的ではあるか。
“難しい”
逆上がりがんばった子の汗光る
ここまでに紹介した「光る」シリーズは一言一句同じだった方を含めて11名。
しかしこんなものでは終わりません、「光る」の民! 以下全員集合!!

「光る」シリーズ

アユ釣りのがんばった子の汗ひかる

那須のお漬物

 

お手伝いがんばった子の汗光る

詠野孔球

 

かき氷がんばった子の汗光る

みちこ

 

ごみひろいがんばった子の汗ひかる

大雪

 

ゴール切るがんばった子の汗ひかる

ふみ

 

ダンスの汗がんばった子の汗髪ひかる

みずきの

 

ホームランがんばった子の汗光る

やよい

 

マスクつけがんばった子の汗光る

神無月

 

マラソンをがんばった子の汗光る

 

ミニバスケがんばった子の汗ひかる

清波

 

伊吹山がんばった子の汗光る

岡本かも女

 

慰問の日がんばった子の汗光る

さざなみ真魚

 

芋掘りやがんばった子の汗光る

希子

 

夏の雲がんばった子の汗光る

火弟(ほつぎ)

 

空仰ぐがんばった子の汗光る

稲野桃花

 

鼓笛隊がんばった子の汗ひかる

井上玲子

 

甲子園がんばった子の汗ひかる

横浜月子

 

山頂やがんばった子の汗光る

やなぎうぐいす

 

歯科治療がんばった子の汗ひかる

佐藤儒艮

 

初神輿がんばった子の汗光る

紙風船

 

青天やがんばった子の汗光る

前田冬水

 

草刈りをがんばった子の汗ひかる

池田淳子

 

朝練にがんばった子の汗ひかる

真樹

 

長き影がんばった子の汗光る

紺太

 

庭掃除がんばった子の汗光る

いいちこ441

 

泥団子がんばった子の汗光る

角田 球

 

乳搾りがんばった子の汗光る

彩汀

 

俳句甲子園がんばった子の汗光る

ピアニシモ

 

富士登山がんばった子の汗光る

竹葉子

 

保育園がんばった子の汗光る

かののかのママ

 

夕映やがんばった子の汗ひかる

木染湧水

 

夕暮れやがんばった子の汗ひかる

木綿子

 

朗詠をがんばった子の汗光る

閑か

 

嗚呼遅刻がんばった子の汗ひかる

素々 なゆた

 

総勢45名。うーむ、圧巻。

これだけの人数が「汗」に対して「光る」を繋げた事実は、類想調査として一定の成果を挙げていると考えられるのではないでしょうか。

光る」シリーズの中ではやや異色といえるのが〈ダンスの汗がんばった子の汗髪ひかる みずきの〉。厳密には下五が「汗光る」ではないのですが、表現したい内容は同質といえます。やや全体の音数は多いものの、「ダンスの汗」という特徴付けや「髪」の濡れた感触と色彩は見事に表現されています。

言葉の経済効率が良い〈山頂やがんばった子の汗光る やなぎうぐいす〉も個人的には好評価。「山頂や」のたった一語で今いるロケーションやかけた時間、どんな行動がここまでに果たされたのか、などを込められるのが秀逸です。

〈②へ続く〉
“とてもいい”
ミニバスケがんばった子の汗ひかる