ドリルde俳句の結果発表

【第9回 ドリルde俳句】④

ドリルde俳句結果発表!

始めに

皆さんこんにちは。ドリルde俳句のお時間です。
出題の空白に入る言葉を考えるドリルde俳句。出題の空白を埋めてどんな一句が仕上がったのか、皆さんからの回答を紹介していきます。
“良き”

第9回の出題

○○○○○がんばった子の汗○○○

エドガー・ドガ「がんばった子の汗の舞台」

ツカビッチ

「汗」を季語として使っているとは限らないけど、面白かった回答をご紹介。

人名を知らなかったので調べました。バレエを題材に多くの作品を描いた画家だったのですね。こういう名前の作品があるかどうかはわからなかったのですが、これは絵に描いた「汗」。こうなると季語の力が発揮されているとは考えにくいケースです。

カバの子のがんばった子の汗は赤 あみま〉はホントウの話。カバって赤い汗をかくんですって。とべ動物園で知りました。動物の汗、しかもこれだけ特殊な「汗」がどれだけ季語として機能するかは疑問も残るけれど、面白い。
“ポイント”
蜂蜜はがんばった子の汗の色 鶴子〉は汗そのものではなく、「汗の色」と色彩だけを抽出しました。この蜂蜜、美味しいと考えていいのか……? しょっぱかったりしないか……?

お手伝いがんばった子の汗甘し 理泉〉では汗が甘いと言い切られているけど、この場合は味覚ではなく感覚的なものだと想定されるし。

さらにスゴイのは〈東大受験がんばった子の汗煎じ こぶこ〉。おお、爪の垢よりも御利益がありそうな気はする……。けど、煎じて飲むにはもっと大量の、それこそ集められるほどの「汗」が必要なのでは。そんなに汗かいて大丈夫か?脱水で倒れてないといいですが。
“参った”
東大受験がんばった子の汗煎じ

クラムボンがんばった子の汗をかぷ

魚返みりん

宮沢賢治の童話に登場する正体不明の「クラムボン」。かぷかぷと笑ったりする彼ら(?)ですが、まるで汗の玉を「かぷ」とクラムボンがひとつ食べてくれたような不思議な世界。こういう「よくわからないけど魅力的」な句もあっていいと思います、個人的には。

露きらきらがんばった子の汗的な ぐ〉はあからさまに季語として配置してる「汗」への無力化の仕方に一本取られた!

ふつう、「~的な」なんてイマドキな口語は詩としての力を発揮しにくいのですが、目から鱗です。上五をあえての字余りにしてるのも、「露」を主役に立てるための際どいバランシング。
“良き”
オノマトペが面白かったのは〈書き取りをがんばった子の汗ぽろろん 佐藤香珠〉。まるで音符を弾くような「ぽろろん」が、どんな汗の表情なんだろうと想像させて楽しい。

一方、〈やみくもにがんばった子の汗るるる かおりんご〉の「るるる」はオノマトペに留まらない読みが展開できる面白さ。黄昏れてるというか、やるせなさの表現としての「るるる」だと読むと、実らない「やみくも」が哀愁を誘います。

意外な句材にぎょっとさせられるのは〈バイオリンがんばった子の汗と義手 くぅ〉。不勉強ながら実際にこういう方がいらっしゃると知らず、ネット検索して驚きました。「子ががんばる」となると、つい感情の要素を載せすぎてしまいがちなのですが、「バイオリン」「義手」の二つの無機物がうまく抑制させています。

〈⑤へ続く〉
“ポイント”
クラムボンがんばった子の汗をかぷ