写真de俳句の結果発表

【第11回 写真de俳句】《ハシ坊と学ぼう!⑧》

第11回のお題「海と夕日」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

夕焼けの浜辺溜まる漂着ゴミ

君君

夏井いつき先生より
散文の語順になっています。前半を「夕焼の浜や」として、句またがりの型を使って後半「漂着ゴミ」の様子を描写してください。「溜まる」は不要です。溜まっているから漂着ゴミですからね。
“ポイント”

貝殻拾う丸き母の背夕凪や

平野夢乃

夏井いつき先生より
下五の「や」はとても難しいのです。「夕凪や」としたいのであれば、上五が無難です。
“良き”

光る海見に行こうよや夏休み

カンゾウ

夏井いつき先生より
たぶん「や」は入力ミスだよね。「や」をとれば、並選です。
“ポイント”

夏の波夕陽と描くグラデーション

よしあずま

夏井いつき先生より
「沈む夕陽と光を反射する波で、赤黒いグラデーションが生じる様子を表現しました。『グラデーション』に代わる五音の言葉が浮かびませんでした」と作者のコメント。

ご本人も分かっているようですが「グラデーション」という言葉で胡麻化しているのが、勿体ないのです。コメントのほうに、「夕陽」「光」「反射する波」「赤黒い」などの言葉がありますね。これらを使って、推敲してみましょう。
“ポイント”

浜焼きの匂ひ絡めて夕焼け雲

竹葉子

夏井いつき先生より
中七「絡めて」は不要でしょう。「浜焼きの匂ひ」とあれば、すでに絡まってます。節約できた音数を使って、季語「夕焼け」をきちんと描写しましょう。
“良き”

夕凪や日出づる国と記して往く

二升 洋杖

夏井いつき先生より
素材に意欲を感じます。語順を再考すると、さらによくなりそうですよ。
“とてもいい

白靴の汚れに思う過ぎし日を

山水仙

夏井いつき先生より
「~に思う」は不要です。「白靴の汚れ」でカットを切り替えて、思い出の場所とか年代とか映像とかを、後半で描写してみましょう。
“ポイント”

夏の果光る涙に金メダル

史山

夏井いつき先生より
俳句は短いので、具体的に書くことが大事です。この句は、どの年代の、どのオリンピックの、どの選手にも当てはまってしまいます。今回のオリンピックで、あなたが最も感動を覚えたのは、どの種目の、どの選手の、どんな場面でしたか。それを書きましょう。
“良き”

惨敗の白シャツ夕陽に染まりけり

カフェオレ草

夏井いつき先生より
「夕陽」に「~が染まる」という表現は常套的。この言葉に甘えないで、どんな表現ができるのか、観察し直してみましょう。
“良き”

日盛りや胆石の飾らるる部屋

きみどり

夏井いつき先生より
「日盛り」と「胆石」の取り合わせは、とても面白い。「部屋」までいるのかを含めて、「~の飾らるる部屋」の部分を推敲してみましよう。佳句になる可能性あり。
“とてもいい

サーファーの熱戦終えて友の笑み

ひとみ

夏井いつき先生より
下五「友の笑み」はありがちな措辞。「~終えて」も含めて、熱戦が終わったあとのサーファーの表情や、その場の映像などを、脳内で再生しつつ、推敲しましょう。
“良き”

デパ地下の土用鰻に並ぶ列

輝文

夏井いつき先生より
並んでいるから「列」ですね。その列の最後尾に並ぶのならば、「列につく」という言い方もできますし、列のどこかに並んでいるのならば、「列にゐる」「列にをり」「列半ば」とか、様々な書き方があります。ここだけを例にとっても、いろいろな描写ができますので、一考してみましょう。
“ポイント”

セントキルダでサンセット無賃乗車の思ひで

美姉

夏井いつき先生より
素材は面白いのですが、「思ひで」と着地しないで、季語をしっかり入れましょう。仮に、夏の想い出であれば「夏」と。
“ポイント”

マスクとり飛ぶ日を祈る空の星

波流よし

夏井いつき先生より
気持ちはわかります。ただ俳句として考えた時、コロナの現状で「マスク」が季節感を失い、さらにそれを「とり」となると、これを季語だと受け取るのは厳しいですね。
無季の句と考えた時、「~とり」「飛ぶ」「祈る」と、動詞の多用に散文臭さが残ります。
“参った”