写真de俳句の結果発表

【第11回 写真de俳句】《ハシ坊と学ぼう!⑨》

第11回のお題「海と夕日」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

熱帯夜音を残せし救急車

飛燕

夏井いつき先生より
句としては成立しているのですが、夜中の救急車の音という句材はかなりあるものですから、類想感が残ります。
“良き”

旗掲げスクリュウの音「チヌ」の海

中島裕貴

夏井いつき先生より
「チヌ漁を終え、大漁旗掲げ、エンジン音も誇らしげに港に戻る漁船を詠みました」と作者のコメント。
 
カギ括弧をつける必然性があるのか。そこに疑問を持ちます。上五も大漁旗ならば、そのように書いたほうが、読み始めた瞬間に映像が浮かびます。
“ポイント”

家路の背赤富士を知るカメラ音

しおとうめと

夏井いつき先生より
情報が多いかな。「家路の背」からやるので材料が多くなってしまうのです。「赤富士」と「カメラ音」だけで、一句になる素材は充分です。
“良き”

朱と推すも吾子紫と夕焼け雲

ひがみ ひなた

夏井いつき先生より
「朱と推すも」の意味が分かりにくいなあ。朱色と紫を比較して、吾子は朱色のほうが好きという意味?
“難しい”

朝そうじ腰に蚊遣りの隣家妻

無告

夏井いつき先生より
下五が少々寸詰まりな表現。
“参った”

障りあるを知るや知らずや「潮招」

鈴音

夏井いつき先生より
「 」は必要ですか??
“難しい”

夜に入れは山羊座の昇る涼新た

中岡秀次

夏井いつき先生より
上五「夜に入れば」? かな。中七下五よいです。夜に入れば……だとして、ここがちょっと引っ掛かる。
“良き”

美と技と極むは難し大花火

さえこ

夏井いつき先生より
「さぬき高松まつりの花火は、海上で打ち上げられます。兼題写真から場所取りを思い出しました。年々大きく華やかになる花火ですが、花火師の方々のご苦労に思いを馳せました」と作者のコメント。

上五中七は「大花火」の説明になっています。どんな花火を見たのか、それを描写してみましょう。
“ポイント”

夕焼けて波光煌めく礫の浜

夏巳

夏井いつき先生より
「夕焼け」「波光」で充分煌めいてますので、「煌めく」は不要です。その四音でどんな情報を入れるか。そこが一句の成否を決めます。
“良き”

浴衣袖君の手は星くずの骨

つッち

夏井いつき先生より
上五がやや寸詰まりな表現です。中七下五の詩には魅力があります。
“良き”

船影を喰らふて太し夏夕日

桔梗

夏井いつき先生より
「喰らふ」が助詞「て」に接続する時は、連用形「喰らひ」+「て」になります。さらに音便を発生させると「喰らうて」「喰らって」などにもなります。音便については、▶︎YouTube『夏井いつき俳句チャンネル』にて解説しています。音便シリーズで確認してみましょう。(2021年9月現在は、シリーズの一本目を観ることができます)
“ポイント”

初キスの砂の熱きや夕焼ける

笑酔

夏井いつき先生より
「初キス」という言葉が成功することはあまりないです。「初」と書かずして、そうかも……と思わせるのが、腕の見せ所です。
“ポイント”

皆で待つ最北端の夏夕日

和平

夏井いつき先生より
「皆」という言葉に甘えないこと。そこをどう工夫するかによって、作品はさらに進化します。
“良き”

極北に太陽横に滑る夏

青い雀

夏井いつき先生より
中七下五のフレーズは、ちょっと面白く思いましたが、上五「に」は散文的な助詞の使い方です。
“良き”

満潮や浅蜊に後ろ髪引かれ

しまりす

夏井いつき先生より
「後ろ髪引かれる」という慣用句を頼りすぎています。この気持ちを別の表現ができないか、言葉を敲く。それが推敲です。
“ポイント”