ドリルde俳句の結果発表

【第12回 ドリルde俳句】④

ドリルde俳句結果発表!

始めに

皆さんこんにちは。ドリルde俳句のお時間です。

出題の空白に入る言葉を考えるドリルde俳句。出題の空白を埋めてどんな一句が仕上がったのか、【第12回 結果発表③】に引き続き、皆さんからの回答を紹介していきます。
“良き”

第12回の出題

第12回の出題「○○○○○なんと○○○○日和かな」

薔薇ひらくなんと求婚日和かな

平本魚水

「婚礼日和」もありましたが、今度は「求婚日和」。

誓いの結実である婚礼とは違い、求婚は一方が情熱を伝える日。そのエネルギーと「薔薇ひらく」がうまく一句の中で釣り合っています。動詞「ひらく」が句の体幹にもたらした力は大きい。
“とてもいい”

名月のなんと求婚日和かな

夕佳莉

再び出ました「求婚日和」。夏目漱石の有名な「月が綺麗ですね」の逸話からの発想でしょうか。
“ポイント”
名月のなんと求婚日和かな

浜日傘なんと幸せ日和かな

蒼樹ルナ

偶然の並びなのですが、なんだか平和で幸せそうな回答が続きますね。「浜日傘」が人物の年齢層をある程度想像させてくれます。
“良き”

5時限目なんと昼寝日和かな

ひなた

気持ちよさそうったらありません。食後、眠くなるよね。いや寝るなよ。
“参った”

酔いしれるなんと白桃日和かな

染野まさこ

「白桃日和」も美味しそうだなあ。酔いしれるのは味に? それともお酒も召し上がってる? 桃の一切れとともに楽しむカクテルや日本酒なんて想像すると、たまりませんなあ。
“とてもいい”
5時限目なんとも昼寝日和かな

総立ちなんとペーロン日和かな

央泉

実はこの原稿を執筆している間に長崎へ句会ライブに伺いました。そこで「ペーロン」のイントネーションを初めて知ったのですが、正しくは平坦アクセント「ペー(→)ロン(→)」なのだそうです。「ペー(↗)ロン(↘)」だと思っていたので衝撃を受けた次第。以上、横道こぼれ話でした。
“良き”

捨案山子なんと葬送日和かな

かとの巳

ひょっとしたら現代の光景ではないかもなあ、と読んでおります。江戸時代か、あるいはもっと以前か。

野辺を葬送の行列が行く寂しい光景。その道の傍らには役割を終えた案山子が捨てられていて。捨てられる物の哀しさ、死と葬送の哀しさ、秋という実りから衰退へ向かう季節の哀しさが融け合う。
“良き”

いわし雲なんとスポーツ日和かな

むらのたんぽぽ

「いわし雲」が広々とした上空の空間を確保してくれる。スポーツの秋がストレート・オブ・ストレート。
“ポイント”
いわし雲なんとスポーツ日和かな

柿うましなんと縁切り日和かな

だがし菓子

心の赴くままに「今日は○○日和である!」と断定するのが今回の出題の醍醐味。「縁切り日和」もなかなかに愉快痛快。パキッとまだ硬い柿を囓って、さぱっと「縁切り」を心の中で肯定する。
“激励”

丑三つのなんとしらぬい日和かな

末永真唯

神秘的なしらぬいに対して、丑三つは狙いすぎるくらいのロケーション。

日和」の持つ日の光のイメージに対して、明らかに夜の光景である「しらぬい」を組み合わせて成立するかは疑問が残る。「日和」の意味その①「海上の天気。また、海上の天気のよいこと。」を適用すればなんとか……?
“ポイント”

八月三十一日なんと宿題日和かな

ウキナガ

判断が遅い!
“激励”
八月三十一日なんと宿題日和かな

雨上がるなんとかなぶん日和かな

渡辺鬼

食べ物+日和」や「行為+日和」は多かったけど、「虫+日和」は珍しい。たしかに雨上りになってやたら虫が出て来るみたいな状況ありますね……。雨上りのきらめきと、かなぶんの虹色に光る緑の背と。
“ポイント”

けらつつきなんとリフォーム日和かな

誠人

寓話のようなイメージもありますね。けらつつきを登場人物にした、嘴で穴をあけてリフォームするお話、みたいな。
“良き”

休暇明なんと行楽日和かな

とべのひさの

休暇明に働く気などあろうか、いや、ない。そして行楽へ。
“激励”

鰯雲なんとUFO日和かな

宇佐

むしろ見つけにくくないか、鱗雲の中のUFO。
“難しい”
鰯雲なんとUFO日和かな

竜田姫なんと機織り日和かな

理泉

季節に人格を与えた存在としての「竜田姫」。その竜田姫が機織りをしているかのような日和であるよ、と解釈すると、秋への比喩が煌めきだす。日ごとに色を深めていく秋は、竜田姫がその手で秋を織っているのだ、なんて詩的空想を繰り広げる楽しさ。神話の国に生きている日本人としての美意識。
“良き”
竜田姫なんと機織り日和かな

砂乾きなんと芋掘り日和かな

藤村煌永

上五が地味に上手い。ぱらっと崩れる乾いた砂の質感がリアルな「芋掘り日和」。
“とてもいい”

体育の日のなんと青空日和かな

白発中三連単

七・七・五のリズム。全体で文字数が十九音と字余りになっているが、上五を二音字余りさせても中七下五は定型に戻していった判断は的確。

もし音数調節をしようと「空日和」みたいな寸詰まりな言い方をしていたら瓦解していただろう。
“良き”

金秋やなんとお散歩日和かな

ひで世

金の一字も鮮やかな金秋。今回、上五に「や」を採用する方がけっこういらっしゃいます。上五の「や」は使いやすいので採用率が高くなりますが、中七下五での切れ字の重複には注意が必要。
“ポイント”

栗ご飯なんとホッコリ日和かな

美山芳寿

美味そう! 次!
“良き”

泣く子いてなんと栗飯日和かな

森野ふゆ

こちらは栗飯が「日和」と合体しています。対比してみると、季語以外の言葉が持っている情報量の違いがよくわかりますね。

「栗ご飯」にはそれだけで「ホッコリ」などの豊かな味と香りや、温かに湯気を発している様子が季語の本意として含まれています。一方、当然ながら「泣く子」の存在は栗飯の季語の本意には含まれていません。

こうして十七音の器に季語とは関係のない情報が盛り込まれることによって、言葉が互いに魅力を引き出し合っていくのです。「栗飯日和」とまで称される見事な栗飯の力をもってすれば、泣く子だってきっと黙るに違いない!
“とてもいい”
栗ご飯なんとホッコリ日和かな

秋キララなんとドーナツ日和かな

絵十

こちらも美味そう! ミスタードーナツのCMみたいだ。「秋キララ」がフレッシュ。
“良き”
〈⑤へ続く〉