写真de俳句の結果発表

【第13回 写真de俳句】《ハシ坊と学ぼう!④》

第13回のお題「気球と原野」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

鶴渡るイタリア旅行いつ行ける

塩原夕穂

夏井いつき先生より
「鶴」と「イタリア」を取り合わせるのは、新鮮な感覚です。ただ、中七下五があまりにもそのまま。「~旅行いつ行ける」を外して、イタリアの風光を映像として描いてみましょう。
ポイント

横切るキリン三頭ケニヤの寒

ワンネス

夏井いつき先生より
「柵がないのにショック、麒麟もここで生活してる! ケニヤの冬は7月」と作者のコメント。

「ケニアの寒」よりは「ケニアの冬」という言葉のほうがよいですね。ケニアの冬を生きる麒麟を、もう少し丁寧に描写してみましょう。
良き

枯野原キリン一頭居残れり

かつじいじ

夏井いつき先生より
下五「居残る」という動詞を要一考。
難しい

コスモスで一面にして君がいて

東ゆみの

夏井いつき先生より
「荒れた地を開墾し、お花畑を作った夫婦を知りました。長い時間をかけ花畑になった場所には夫婦二人が微笑んでいました」と作者のコメント。

俳句のみ読むと、ぼんやりとした青春小説みたいですが、「作者のコメント」=「表現したかった内容」は、ちょっと違うようです。
良き

気球には私と鸚鵡あきうらら

草野ふうこ

夏井いつき先生より
季語が付けたしのような感じになってます。季語を軽くトッピングした感じです。季語を主役にする工夫がほしいですね。
参った

朝寒や彩のきわみの気球建ち

ゆうじい

夏井いつき先生より
「朝寒」と「気球」の取り合わせは悪くないのですが、気球に対して「建」の一字に違和感があります。気球用語として、このような使い方をするのでしょうか。
良き

草紅葉縦横無尽ドローンなり

馬子

夏井いつき先生より
「草紅葉」という季語はかなり近くで見ている映像。「縦横無尽」に飛び回るドローンとの取り合わせは、少し無理がありそうです。
難しい

気球浮き迷い蟋蟀縮こまる

向井幸

夏井いつき先生より
「兼題写真の中の気球に乗っている気持ちで作りました。浮き上がる時の緊張した気持ちを蟋蟀で表しました」と作者のコメント。

問題点は二つです。「浮き」「迷い」「こまる」という動詞があまり機能していません。
もう一つは、季語「蟋蟀」を比喩に使っている? というのが、この字面では読み取りにくいかな。
参った

山遠く色なき風よ雲に乗れ

夏井いつき先生より
「異国にいる娘を思う気持ちを風に託して詠みました」と作者のコメント。

ぼんやりと儚げで、意味は勿論分かるのですが、もう少し具体的なヒントが欲しいです。この字面では、「異国にいる娘」は見えてこないですね。どこの国に住んでいるのか、学んでいるのか嫁いでいるのか、何か具体的なヒントが欲しいのです。
良き

団地から祖国へ風を秋燕

梅野めい

夏井いつき先生より
「日本に来てがんばっている知人を思い詠みました」と作者のコメント。

「団地から祖国」が、ちょっと分かりづらい……。「団地から」を諦めて、具体的な国名を入れて、音数調整してみてはどうでしょう。
ポイント

不時着の見つけしものは《バラ》か友か

つき

夏井いつき先生より
「原野でたったひとつのものを見つけた気球に、『星の王子さま』を思い起こしました」と作者のコメント。

『星の王子さま』のお話をなぞっていると思うのですが、《バラ》が季語として力を発揮してないなあ。
参った