俳句deしりとりの結果発表

第3回 俳句deしりとり〈序〉|「らい」①

俳句deしりとり
俳句deしりとり〈序〉結果発表!

始めに

皆さんこんにちは。俳句deしりとり〈序〉のお時間です。

出題の句からしりとりの要領で俳句をつくる尻二字しりとり、はじまりはじまり。
“良き”

第3回の出題

今月の兼題俳句

なししじみみかんと言って初笑い  西岡メーグル

兼題俳句の最後の二音「らい」の音で始まる俳句を作りましょう。

 

※「らい」という音から始まれば、平仮名・片仮名・漢字など、表記は問いません。

今回から出題の句は、この俳句deしりとりに寄せられた句の中から選ばれる仕様になります。第1回〈初日さす硯の海に波もなし 正岡子規から、しりとりで生まれた《西岡メーグル》さんの句です。ひたすら「しりとり」に振り切った、ある意味潔い句。

さあ、参加者から参加者へとバトンが渡っていく仕様での記念すべき第一弾。「らい」から始まる尻二字しりとりをご紹介してまいりましょう。
“ポイント”

週は「カツオのエイプリルフール」

城ヶ崎文椛

月は万愚節ありさていかに

一寸雄町

いきなり次回予告が始まりましたぞ⁉︎

国民的アニメ『サザエさん』であります。オチまで見える気がしますね。絶対ろくでもないことしてカツオが怒られる類いのエピソードですよ。

「万愚節」は初耳という方もいらっしゃるかもしれませんが、エイプリルフールのこと。時々「嘘をつかなきゃ」と使命感に駆られる人もいるようですが、あくまで「嘘をついても良い日」ですので、無理して嘘に押し潰されませんように~。
“良き”

年の種撒き終えてレモンティ

紙風船

「来週」「来月」とくれば「来年」もございます。

土にまみれる大変な労働かと思いきや、洋風でおしゃれな「レモンティ」に着地する意外性が軽やか。歳時記によっては「種蒔」も「レモンティ(アイスティ)」も季語としている歳時記もあったりしますが、この句の場合はさほど問題ないかと個人的には考えます。

がっつり農事としての種撒きというよりは、家庭菜園やハーブの類いを撒いてそうなイメージ。
“ポイント”

世でも会いたいといふ春の空

古賀ちん

来週、来月、来年に続いて「来世」!

大きく時間を飛び越えて参りました。ロマンチックでありますねえ。季語「春の空」が熱烈すぎず、程よい落ち着き具合。……しかし、必ずしもお互いがそう想い合っているとは限らないのが、人生の皮肉なものでありまして……。
“良き“

世では探さんといて涅槃西風

ゆすらご

実はこんな風に思われている場合だってあるかもしれない⁉︎ 残酷すぎて涙も出ねえや!(言われてる側に感情移入中)
“良き“

世はクジラになるよ甥の春

無何有

発想の可愛い「来世」に救われる思いです。

ええやん、こういうほのぼの夢のある「来世」~……しみじみ。まだ小さい甥っ子さんなんでしょうね。「~になるよ」が、二人でおしゃべりしてるなかで発された言葉そのままを句にした味わい。春も未来も明るい「甥の春」であります。
“とてもいい“

世は蟻かけさあいつと目があった

白祐

明るい希望にほっとする反面、こういう暗~いタイプの句にも心惹かれてしまいます。

「あいつ」がどんなモノかによって暗さの度合いも変わりますね。「あいつ」=「蟻」の場合は比較的軽いニュアンスになりますが、「あいつ」=人物であれば、読みの暗さはどこまでも深さを増します。

めちゃくちゃ嫌いな「あいつ」との遭遇が心を暗くしたとも読めるし、「あいつ」との対比による圧倒的な自己評価の低さから「自分の来世は蟻である」と諦めきっているようにも読める。暗く深い陰の要素もまた時に人の心を射止めて止まないのです。
“ポイント”

Liar!」って叫ぶ役なのマスカット

シュリ

会話調の句、再び。

「~なの」が喜びの報告に弾んでいるような響き。舞台に上がるのか、映画のエキストラにでも出演することになったのか。葡萄の種類も「マスカット」の鮮やかさが似合いますね。同じブドウでも仮に「黒葡萄」だともっと熟成され場数を踏んでる印象。

日本語に限らず、英語の発音で「らい」な単語でもOKなわけですが、読み手側とどれだけ共通理解を持てるかは影響が大きそうですね。一般的な英単語ならまだしも、全然知らない国の聞いたこともない単語だと困惑だけで終わる可能性も……。
“良き“

RIZINかガキ使で揉めだす晦日

ふるてい

こちらも英単語、というかテレビ番組の名前が二本立てで並びました。

「ガキ使」はバラエティ番組『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで』、『RIZIN』は総合格闘技イベントとその中継。仮に番組の名前を知らなくても「~で揉めだす晦日」によって、年末のチャンネル合戦をある程度の方が連想することは可能でしょう。

今まさに「揉めだす」現場の空気感が不穏にリアル。平和に暮らそうよぉ~……(弱腰)。
“参った”

Leicaは知っている春が来ることを

水蜜桃

ライカさんが闇夜へ溶けていった冬

春海 凌

日本の学校で習ういわゆるローマ字読みとは綴りが違いますが「Leica」の読みは「ライカ」。ドイツ製のカメラの商標名です。世界的に有名なブランドですね。

《水蜜桃》さんの句は、野山や川に撮影に出掛けている光景でしょうか。春の訪れをレンズに収めんとライカを構え、期待と共に静かに待つ。あるいはロシア―ウクライナ戦争を扱った句とも読めるかもしれません。ジャーナリズムが平和という春をもたらすと信じて。

《春海 凌》さんは痛恨の機材消失。さんづけで呼ぶほど大切にしていたのに、うっかり手から滑り落ちてしまったライカは哀れにも暗い闇夜へ真っ逆さま……。追いかけていくわけにもいかないし、呆然と冷たい闇夜を見つめるしかない。哀しみのトホホ。

ここまで書いておいてなんですが……まさかライカさんって人物の可能性もあるのでしょうか。だとしたら「溶けていった」なんて言ってる場合じゃないぞ、レスキューレスキュー‼︎
“ポイント”