写真de俳句の結果発表

第20回「散歩中の紫陽花」《ハシ坊と学ぼう!⑤》

ハシ坊 NEW

第20回のお題「散歩中の紫陽花」

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

紫陽花の移ろひ乙女の気まぐれ

由紀子

夏井いつき先生より
「移ろひ」と「気まぐれ」、言葉の印象が近いのが損です。さて、どうする?
“参った”

紫陽花の風呂敷つつむ骨壺や

荒井 麻貴子

夏井いつき先生より
「紫陽花の風呂敷」ということは、紫陽花の柄という意味でしょうか。絵柄だと、季語の力は弱くなります。
“難しい”

あじさいや相合傘の赤い色

ゆき

夏井いつき先生より
「色」は必要ですか?
良き

あぢさゐのひとひらのみがピンクいろ

たかみたかみ

夏井いつき先生より
「のみが」は説明。「いろ」と念を押す必要はありますか?
“参った”

和菓子やの甘き紫陽花の愛しき

海野ちきまる

夏井いつき先生より
和菓子の紫陽花となれば、季語としての力は弱くなります。むしろ、上五を「紫陽花や」として、中七下五で「和菓子」を描写しましょう。
そうすれば、この季節の和菓子だから、紫陽花のカタチや色をしている和菓子かも~と、読者は想像してくれます。
“ポイント”

紫陽花やバンに泥跳ねられてべそ

伊沢華純

夏井いつき先生より
「べそ」まで書く必要はありません。読者は、十分想像してくれますから。
“良き”

校門に熊手広げる棕櫚の花

德(のり)

夏井いつき先生より
中七は比喩でしょうか。だとすると、損。「校門」「熊手」と「棕櫚の花」を取り合わせるだけで、ちゃんと映像になりますよ。
“ポイント”

さねさぬの如し二匹の鯉幟

嶋村らぴ

夏井いつき先生より
「『さねさぬ』という言葉を知り、使ってみたいと思っていた所、くた〜と重なり合って寝ている鯉幟を見つけ『これってさねさぬのようでは?』と思い作りました」と作者のコメント。

意図は分かりますが、この「如し」が成功しているとは言い難いです。
“難しい”

爺じと孫同じポーズの紫陽花園

きみこ

夏井いつき先生より
「爺じと同じ」と書けば、たぶん孫であろう人物がいることは想像できます。どんなポーズなのかが書けると、映像になってくるのですが。
“良き”

ででむしの葉裏に急くや雨宿り

髙井 はなみ

夏井いつき先生より
上五中七があれば、下五「雨宿り」は不要です。
“良き”

知りたれど瓊花の散るを待ちゐたり

髙井 はなみ

夏井いつき先生より
「知りたれど」が説明です。
“難しい”

五月雨にてるてる坊主我に似て

S.カルマ

夏井いつき先生より
「我に似るてるてる坊主」と、上五中七を整えて、下五の季語を探してみましょう。雨の季語は、ちょっとベタかも(苦笑)。
“参った”

鐘の音や山あいの紫陽花群

竜酔

夏井いつき先生より
語順が逆でしょう。「山あいの紫陽花群や」とでもすれば、上五中七は整います。下五、工夫してみましょう。
“良き”

カラフルな傘さす孫や紫陽花園

龍治

夏井いつき先生より
季語「紫陽花」より、「カラフルな傘さす孫」のほうが目立ってしまってます。俳句は、季語を主役として描く。これを定石として、コツコツ学んでまいりましょう。
“ポイント”

群青の四葩母校を実習す

織部なつめ

夏井いつき先生より
助詞は「を」でしょうか?
“良き”

梅雨空に塀這うきもい笄蛭

ヨシキ浜

夏井いつき先生より
「きもい」という言葉で誤魔化さず、どんな様子がそう感じさせたのか、ちゃんと観察して、それを描写しましょう。
“ポイント”

青紫陽花陽当たり悪くこぢんまり

ヨシキ浜

夏井いつき先生より
語順が散文的。こんなケースは、まさに語順を替えると、空気が変わります。

添削例
日当たりの悪し紫陽花こぢんまり
“良き”

せせらぎと散歩の鈴の春めきて

青居 舞

夏井いつき先生より
切れのない型になってますが、この内容ならば、上五を「せせらぎや」とすると、下五の季語(とその余白)が生きてきます。
切れは有効な技術です。
“ポイント”

揺れる橋越されぬ四葩遠きかな

蕃茄

夏井いつき先生より
「揺れ動く吊り橋は苦手で、数十メートル渡れば満開の紫陽花が見れるのに越えられない。なんて遠いのだろう」と作者のコメント。

表現したいことと、字面の間に溝があります。「越されぬ」の部分に一番の問題がありそうです。
吊り橋が揺れていることと、吊り橋の向こうに紫陽花があること、それを取り合わせればよいかと。
“良き”

紫陽花もこの光る記憶も褪せ果つ

Nomar

夏井いつき先生より
「紫陽花の花言葉は無常、ということで、無常をテーマにした俳句を書きました。こんなにも生き生きと咲く紫陽花も、こんなにも今生き生きと光る記憶も必ず枯れて、必ず忘れてしまう。それが、無常であり、無情であると思った、という俳句です」と作者のコメント。

中七下五が抽象的です。むしろ、作者コメントにある「花言葉は無常」と前半を作り、後半で紫陽花を描写してみましょう。
“ポイント”

雨に啼く庭で育てし蛙かな

欅山四十八景

夏井いつき先生より
中七が散文的です。
“参った”