俳句deしりとりの結果発表

第8回 俳句deしりとり〈序〉|「いき」②

俳句deしりとり
俳句deしりとり〈序〉結果発表!

始めに

皆さんこんにちは。俳句deしりとり〈序〉のお時間です。

出題の句からしりとりの要領で俳句をつくる尻二字しりとり、①に引き続きご紹介してまいりましょう!
“良き”

第8回の出題

兼題俳句

金釘に水の濁れる震災忌  内藤羊皐

兼題俳句の最後の二音「いき」の音で始まる俳句を作りましょう。

 

※「いき」という音から始まれば、平仮名・片仮名・漢字など、表記は問いません。

り立つ猫は子猫を覆ひけり

亘航希

ね、ねつり……? と読んじゃう人もいるとかいないとか。「いきりたつ」でございます。単語としては時々使うかもしれませんが、文字で書く機会は少ない気がしますね。かーっと熱くなってる場面での行動を表す言葉だからだろうか。子を守る母猫が毛を逆立てて威嚇する姿が「覆ひけり」から見えてきます。季語「子猫」に気づくことでの納得を切字「けり」が的確に伝えてくれるところも上手い。
“ポイント”

いきむ猫の震える髭や冬の朝

東ゆみの

前日譚のような猫の出産場面。こちらも「震える髭や」の映像化が上手い。「冬の朝」の冷たさの中へとあらたに産み落とされる命がほかほかと対比されます。
“良き”

いきむ時まなこ見開け花見鳥

秋白ネリネ

こちらは人間の出産心得。いきむ時には目を開けるよう指示されると聞いたことがあります。目を閉じたままだと痛みに意識がいきやすいとか。上五中七はリアルな経験の言葉なんだけど、下五の季語は妙に呑気すぎやしませんかね……。
“ポイント”

いきものがかりに手を挙げ北開く

君君

「手を挙げ」を考えるとクラスの係決め立候補の場面かなあ、との思いが強くなるのですが……いやいや、実は日本のバンド「いきものがかり」の可能性も。コピーバンドや学園祭で演奏する曲を決めている最中かもしれないぞ?? なんて考えると思考の泥沼にハマっていきます。どっちなんだい!
“とてもいい“

いきもの係今日はキャベツや登校す

ゆりかもめ

いきものがかり聞く窓を流れ星

千代 之人

「係」を漢字にする、餌である「キャベツ」を登場させるなどの工夫で飼育係読みを確定させる《ゆりかもめ》さん。一方、《千代 之人》さんは「聞く」でバンド・楽曲読みを確定させます。それぞれ少しの工夫で読み間違いを防ぐことに成功してますね。いきものがかり沼でもがいてた心がすっきり。
“難しい”

異教徒と羊臭するわれと月

陶瑶

異教徒の義兄(あに)の帰省にマトン焼く

あめをんな

異教徒として生きようか月さやか

たーとるQ

「異教徒」と羊・マトンの取り合わせ。《陶瑶》さんの場合はモンゴルの遊牧など羊とともに暮らすなかで染みついた「羊臭」の可能性もあるかなあ。《あめをんな》さんは「義兄」を迎える心。取り合わせからして、他国からいらっしゃるのかなあ。だとしたらどんな国だろう、日常的にマトンを消費する国かな。気になって調べたところ、羊肉を多く消費する国(地域)はカザフスタン・オーストラリア・ノルウェー・サウジアラビア・トルコなどがあるようです。ほほー。

《たーとるQ》さんは人生の岐路に立つ者の心のうちを静かに描いて綺麗。ご結婚や移住に信仰は重要な要素でもありましょう。ぽつんと心で呟く「生きようか」の独白が切々と響きます。どんな未来へ繋がろうとも、月のさやかさを愛せる心に変わりはなく。
 
〈③へ続く〉
“良き”