写真de俳句の結果発表

第25回「浜辺の焚火」《ハシ坊と学ぼう!①》

ハシ坊

浜辺の焚火

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

ハシボウと学ぼう

兼題写真に選んで頂きありがとうございました。「焚火」は冬の季語ですが、緯度の高いカナダでは、焚火は一年を通して身近なものです。特に夏の夜を野外で過ごすために焚火は必要。しかしこの15年ぐらい、夏の山火事が酷くて、屋外の火の使用は禁止の夏が続いています。この写真を撮った2020年は、焚火をして良い久しぶりの夏でした。炎には不思議な力があると思います。形と色が常に変わり、見ていて飽きないし、食にも関係しています。暖を取ることもできます。この写真を撮ったのは、海辺のコテージに1週間滞在した時で、毎晩浜に出て、流木を集めて小さな焚火をしました。岩牡蠣が豊富な場所で、焼き牡蠣とワインで夕暮れから夜中まで過ごしました。火を囲み、家族との楽しい時間は最高の思い出です。

千鳥城

季語なし

波の音集めしたき木雨に濡れ

みーこ39

夏井いつき先生より
書こうとしている内容はよいのですが、「たき木」だけでは季語にならないのではないかと。
上五を「冬波や」とでもすれば、なんとかなりそう。

添削例
冬波や集めし薪雨に濡れ
“ポイント”

季語なし

一日終え弾ける炎恵比寿神

ぎっくんのママ

夏井いつき先生より
「集落の先にある恵比寿様の前の浜辺で、ボランティア清掃で集めたゴミを燃した幼き日の風景。昨今は、それも規制が厳しく、出来にくい状況にあります。先日も、集めたゴミはトラックで回収しました」と作者のコメント。
 
作者のコメントの中にある情報がより具体的です。
「恵比寿様」の前の「浜」であること。この一語を入れるだけで、光景が立ち上がってきますよ。「焚火」あるいは「浜焚火」という季語をしっかり入れて、推敲してみましょう。
“ポイント”

季語なし

一人旅喧騒離れ暖をとる

創次朗

夏井いつき先生より
「失恋し、居心地の良かった都会の喧騒を離れ一人旅。焚火で温まっている景です」と作者のコメント。
 
「暖をとる」では季語になりません。「焚火」ならばそのように書きましょう。
良き

季語なし

薪組みは燃え尽きてなお井桁型

三毛夜子

夏井いつき先生より
「キャンプを少しだけかじってます。井桁型の薪組みは、火が盛んに燃えて華やかなのが特徴的です」と作者のコメント。
 
表現したい内容は分かります。「燃え尽きてなお」が説明だなあ。さらに、「薪」を季語とするか、「キャンプファイヤー」だと分かるように工夫するか。改善の余地はまだまだありそうです。
“参った”

季重なり

炎天の庭に迎え火一心に

うっとりめいちゃん

夏井いつき先生より
「迎え火」も季語ですよ。
良き

季重なり

炎天におがら焚く庭二人ぼち

うっとりめいちゃん

夏井いつき先生より
「おがら焚く」も季語なので、「炎天」は不要です。
“ポイント”

季重なり

杖置きて浜辺の焚火良夜かな

細川小春

夏井いつき先生より
「焚火」「良夜」それぞれ季語ですね。
月が明るい夜であるといいたいのならば、逆に「月」をストレートに使ったほうが、季重なりは成功しやすいのです。

添削例
杖置きて浜の焚火に寄る月夜
良き

季重なり

新盆の送り火の先子の花火

あかなお

夏井いつき先生より
「新盆」「送り火」「花火」それぞれが季語です。どの季語が最も書きたいことなのか、考えてみましょう。
“ポイント”

季重なり

風渡り野焼きの香聞く秋の昼

牡丹

夏井いつき先生より
「野焼き」そのものが季語になります。
いつの季節なのか、歳時記を調べてみましょう。
良き

季重なり

夜釣りには浜辺の焚き火芋焼いて

嘉夫

夏井いつき先生より
「夜釣り」「焚き火」「焼芋」それぞれ季語です。
「には」が散文的であることも含めて、作者が書きたいことを全部入れるとすれば、こんな感じになります。もちろん、季重なりはそのままですが。

添削例
夜釣せり浜の焚火に藷焼いて
“ポイント”

季重なり

薪くべる海女ほお張る新米

龍治

夏井いつき先生より
「重労働の海女さんの番組を見て作りました」と作者のコメント。
 
「海女」も「新米」も季語ではあります。
テレビ番組を見て作るのがダメというわけではありませんが、最初は日々の小さな出来事を掬い取る練習をしましょう。
“ポイント”

季重なり

宵闇のオーブン覗きて焼き林檎

ぺんぺんの母

夏井いつき先生より
「林檎」も季語ではありますが……。
「宵闇」という季語がどうしても必要なのか。そこを考えてみましょう。
良き

季重なり

秋寂ぶと感じぬ秋を夫に礼

麦野 光

夏井いつき先生より
「秋になると、心に風が吹くような寂しさに囚われる事が多かったのですが、夫と暮らして10年経ち、ふと秋が寂しくなくなったことに気付き、お礼を伝えたことを詠みました。季語の否定となるため、上五を「寂しいと」と悩みましたが、『秋寂ぶ』の実感が強かったため、思い切ってこちらを投句します」と作者のコメント。
 
うーむ、「ぬ」の意味が分かりにくいのが難点。完了なのか、打消しなのか。
いや、そもそも「~と感じぬ」は不要ですね。「秋寂ぶや」とでも詠嘆すれば、それは感じているわけです。
上五に季語がありますから、二度目にでてくる「秋」も不要でしょう。
“ポイント”

季重なり

ひとりぼち宵の焚火に秋惜しむ

樹浪

夏井いつき先生より
「焚火」は冬の季語ですよ。
“ポイント”