写真de俳句の結果発表

第25回「浜辺の焚火」《ハシ坊と学ぼう!③》

ハシ坊

浜辺の焚火

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

焚火消え独り聴く波の音

花音

流木のうめき深き夜焚火

花音

夏井いつき先生より
二句ともに、中七下五が十音になっているのでは?
この内容でしたら、五七五にできますよ。
 
 
“ポイント”

法螺貝の饐た汁の手夏の浜

糸圭しけ

夏井いつき先生より
「夏の浜辺に貝殻拾いに行きました。だいぶ波に削られているけれど、大きな法螺貝を見つけて興奮! 砂から持ち上げると壮絶な腐敗臭(涙)。臭い手でめげずに他の貝殻を探しました。『饐えた汁』と迷いましたが、主人が使う北海道方言『饐る(あめる)』にしました。酸っぱい匂いではなく、腐った匂いだったからです。方言、ダメかもしれませんね……」と作者のコメント。
 
素材は面白いのですが、季語も含めて、何が一番重要な情報なのか、何を中心にしたいのか。再考してみましょう。
“ポイント”

浜の枝拾ふてひとり朝焚火

横浜月子

夏井いつき先生より
「拾ふ」が、助詞「て」に接続する時は、「拾ひて」となりますね。ウ音便ならば「拾うて」です。
“難しい”

"悲しさ"の意味を問ふてゐる焚き火

宙海(そおら)

夏井いつき先生より
「問ふ」が、助詞「て」に接続する時は、「問ひて」になりますね。ウ音便ならば「問うて」です。
“難しい”

焚火のゆらぎ聞き上手静寂満つ

つんちゃん

夏井いつき先生より
語順を再考しましょう。この内容ならば、定型でいけますよ。
良き

漆黒に焚き火のゆらぎなに告げる

おっとっと

夏井いつき先生より
「特に焚き火の揺らぎは神秘的なものです。人生に悩んで一人でキャンプに行った時、真っ暗の中で揺れる炎を見つめて何か示唆のようなものが聞けるかなと安易に思っていたのですが、結局は『自分で責任を持って決める』しかないという結論になりました。それがお告げだったのかな?(笑)」と作者のコメント。
 
切れ字を有効に使うことも、俳句のコツの一つです。

添削例
漆黒に揺らぐ焚火や何を告ぐ
“ポイント”

漁師小屋鯖缶空ける聖夜かな

栗田すずさん

夏井いつき先生より
「鯖缶」と「聖夜」、この二つの取り合わせだけで、十分俳句になります。
“ポイント”

キラリ目が焚き火の先の闇の中

広泉

夏井いつき先生より
「友人とキャンプに行き、焚火で魚を焼いて食べた時、暗闇の向こうにキラリと光るいくつもの目。匂いに釣られた猫どもだったのでしょう」と作者のコメント。
 
語順を一考しましょう。
“ポイント”

こする目や膝の上から薪能

チリンドロン

夏井いつき先生より
「こする目」は、眠いという意味?
「膝の上から」のあとに「薪能」と続くので、なぜ膝の上から薪能が始まる? ……と、意味が分からなくなるのです。
“参った”

朝のドラ焚火離れてひとりなり

丸山 晴耕

夏井いつき先生より
「ドラ」は、ドラム缶? 朝ドラ?
どっちにしても、少々無理があります。
“参った”

夏の川すすと匂いが隣から

鞠居

夏井いつき先生より
季語「夏の川」が広い光景を思わせますから、兼題写真を見てない人にとっては、「隣から」がよく分からない下五になります。
“参った”