写真de俳句の結果発表

第25回「浜辺の焚火」《ハシ坊と学ぼう!⑥》

ハシ坊

浜辺の焚火

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

砂浜で干物あぶりし焚き火の香

輝虎

夏井いつき先生より
今、干物をあぶっているのであれば……

添削例
砂浜に干物を炙る焚火の香
“ポイント”

焔の朱十周観つつ焚火番

ただ地蔵

夏井いつき先生より
「小学生の頃、よく焚火番を任されました。といっても、ただ焚き火を見ているだけの役なのですが……燃え尽きて闇になれば私の仕事は終わり。薄闇の中を燃え上がる炎は、形を変え色を変え、たいそう美しく飽きずに眺めていたものです。一人で歌をうたいながら、何周も回っていました。あの朱色を見て回りたくなるのは、太古の昔からのDNAのなせる技なのかなと……(獲物がご馳走になっていく喜び?)今頃になって思う次第です」と作者のコメント。
 
歌をうたいながら焚火を十周する。そこが、俳句のタネとしては一番よいかと思います。推敲してみましょう。
“ポイント”

マツムシに囃されてや潮騒の火

余じい詐

夏井いつき先生より
季語「松虫」は、片仮名ではなく漢字表記「松虫」が基本です。特別な意図がある場合は、その限りではありませんが。
“ポイント”

マシュマロは焚火に落ちて膨らみけり

林としまる

夏井いつき先生より
下五は「膨らみぬ」あるいは「膨らんで」でいいですよ。
“ポイント”

バーベキューたかが火起こしひと苦労

茶葉三八

夏井いつき先生より
「たかが~ひと苦労」と、火を熾す苦労を一言でいってしまうのではなく、何を使ってどんなふうに火を熾そうとしているのか、具体的に描写しましょう。
“難しい”

暁天や火粉の中に筆

大輪 純白

夏井いつき先生より
「どんど焼きの場面です。夜明け前に火をつけると、暁の空に火の粉が上がり、その中をこども達の書き損じた書き初めの半紙が舞い上がっていきます」と作者のコメント。
 
「どんど焼き」ならば、そう書いたほうがよいですね。「筆始め」は別の季語になりますから。
良き

振り挙げて焚火の薪をかち割るる

杉尾芭蕉

夏井いつき先生より
下五、きっぱりと言い切るかたちに整えてみましょう。
“参った”

お火焚きで去年の願いは天に消ゆ

一輪

夏井いつき先生より
「願いを込めたお札やお守りが、年に一度のお火焚きで燃えて天に昇っていく様子です」と作者のコメント。
 
中七下五が「お火焚き」という行事の説明になっています。
「お火焚や」と上五を詠嘆して、中七下五再考してみましょう。
“ポイント”

波の騒ぎ熛火に頬染め焚火かな

佐野聖光

夏井いつき先生より
「波の騒ぎ」と「焚火」、この取り合わせはよいのですが、不要な言葉が色々入っています。
特に「頬染め」はありがちな措辞。再考してみましょう。
“ポイント”

転校し三日後キャンプマイムマイム

咲織

夏井いつき先生より
「小学生の頃、転校して三日後にキャンプがありました。まだ友だちもいない中、手を繋いで『マイムマイム』を踊らなきゃいけない気まずさや恥ずかしさが、『マイムマイム』の字余りで伝わったらいいなと思いました」と作者のコメント。
 
「転校し三日後」の部分は、「転校三日」としても意味が分かります。全体の語順その他、再考してみましょう。
“ポイント”