第27回のお題「凍てつく大河」《ハシ坊と学ぼう!⑦》
評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
凍る河長き影と渡りをり
あなうさぎ
大河凍つ波は波の形して
あなうさぎ
夏井いつき先生より
二句ともに素材はよいのです。
中七が、中六になっている点のみ、推敲しましょう。すぐに人選にいけますよ。
二句ともに素材はよいのです。
中七が、中六になっている点のみ、推敲しましょう。すぐに人選にいけますよ。


シベリアに立っている四十路阪神忌
きたくま
校庭の雪像や順に子吐き出す
きたくま
夏井いつき先生より
二句ともに、中七の韻律がもたついています。
ここをあと一工夫。
二句ともに、中七の韻律がもたついています。
ここをあと一工夫。


懐手指輪は外すつもりです
咲山ちなつ
鐘凍つる予後は不良と告げる役
咲山ちなつ
夏井いつき先生より
どちらも、中七下五のフレーズはよいです。
さらに佳き季語との出会いがあれば、どちらもすぐに「人」選に生まれ変わります。つまり、季語が動くというケースです。
どちらも、中七下五のフレーズはよいです。
さらに佳き季語との出会いがあれば、どちらもすぐに「人」選に生まれ変わります。つまり、季語が動くというケースです。


凍む山を背に配線の命綱
雪女
何得んと凍む川に立つ影法師
雪女
夏井いつき先生より
「凍む」は「凍みる」の文語。マ行上二段活用です。
「山」「川」に接続するには、「凍むる山」「凍むる川」となります。
「凍む」は「凍みる」の文語。マ行上二段活用です。
「山」「川」に接続するには、「凍むる山」「凍むる川」となります。


雪の河吹き上げる風赤い鼻
瞳杏(どうあん)
凍る河押し寄せる雲耳塞ぐ
瞳杏(どうあん)
夏井いつき先生より
(一句目)上五中七下五が、ブチブチと切れています。語順を変えて〈鼻赤し風吹き上ぐる雪の河〉とすると、調べがよくなります。さらに、上五を色々工夫すると、ワンランクアップですね。
(二句目)こちらも、語順を変えて、調べを工夫してみましょう。
(一句目)上五中七下五が、ブチブチと切れています。語順を変えて〈鼻赤し風吹き上ぐる雪の河〉とすると、調べがよくなります。さらに、上五を色々工夫すると、ワンランクアップですね。
(二句目)こちらも、語順を変えて、調べを工夫してみましょう。


上下無し白一面に霧氷舞う
葉月緑正
氷河に立つ上下求めて仁王立ち
葉月緑正
夏井いつき先生より
二句ともにですが、「上下無し」「上下求めて」が表現として分かりにくいかと。さて、どうする?


凍つ川は魚眠らせて動かざる
葉山さくら
凍つ河の凍てつく空を仰ぎけり
葉山さくら
夏井いつき先生より
二句ともに、「凍つ川」「凍つ河」は、「凍つる」と連体形になります。
別の手で、「凍て川」「凍て河」という書き方も、あるにはあります。
二句ともに、「凍つ川」「凍つ河」は、「凍つる」と連体形になります。
別の手で、「凍て川」「凍て河」という書き方も、あるにはあります。

