第28回「アルパカの後ろ姿」《人》②

評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第28回 写真de俳句】《人②》
着ぶくれの子が追ふペンギンの散歩
伊藤 恵美
雪もよひ園舎の柵のけもの臭
伊藤 恵美
着ぶくれて動かぬワニの眼を覗く
深山むらさき
火の番の帳簿もふもふ使用料
里山子
明日またくるね凩くる前に
里山子
式典へ白きショールの列遅々と
あまぐり
おとうとの生まるる春夜ぬいぐるみ
このみ杏仁
謹慎の解かれぬ理由鳥曇
このみ杏仁
新入り飼育員あるぱかの長閑
まこ
元号も干支もアルパカなる初夢
山本先生
雪掻やアルパカ小屋を折り返し
山本先生
春光やアルパカの仔のいきむ貌
碧西里
杉玉の朱色に暮るる寒の入
碧西里
短日や人工孵化の白熱灯
らねじ
底冷えや丸く結はれし馬俑の尾
西川由野
節東風や曲馬載せたる聘礼使
西川由野
春セーター今日は誰かと話せそう
あなぐまはる
封蝋のにほひの重し春近し
宇野翔月
アルパカの眼に人類の秋思の日
楽花生
ざわめきは夏蝶と消え紙コップ
楽花生
ほめるほど元気なはらい筆初
碧水
百合敷くや棺の犬の尻硬く
栗の坊楚材
野間馬の蹄日暮れの蜜柑山
丸山隆子
糞のつく羊の長尾息白し
丸山隆子
初蝶の戸惑いアルパカの威嚇
片野瑞木
青き踏む蹄持つもの持たぬもの
片野瑞木
怪我のしようもなく着ぶくれてころぶ
篠原雨子
スヱタ編むインカの調べ残る糸
花南天あん
うららかやアルパカの名のいい匂ひ
まこと七夕
雪を食む仔馬やカフェのミルクティ
王朋亡
着膨れの群アルパカに集りをり
ツナ好
春駒のまなざしルカの福音書
ツナ好
アルパカのおしりリカーブ山笑う
沢拓庵
雪晴にもうもうたるやリャマの息
前田冬水
羊駄や贄となる日の春の雲
立田鯊夢
外套に潜む物語の欠片
紅緒
アルパカの背中へ羽のごと冬日
渋谷晶
風花はきれい痛みに似てるから
渋谷晶
飼育舎の遠くて狭い冬の空
宇佐
冬の月しつぽの本体の孤独
野井みこ
冬の霧偶蹄類が生えてゐる
ま猿
冬ざるる獣舎の前の募金箱
野村起葉
身重なる犀の飼育舎暖房中
夏椿咲く
擬死したる腹に銀花の降りかかる
夏椿咲く
息吹き溢る宗達の白象に秋
絵十
目を伏せてばかりの人と鯛焼を
絵十
冬の革命か迷子になる自由
とも
初空や愛兎のまるのなき卯年
摂州黒うさぎ
慰霊碑に供花の二日や動物園
摂州黒うさぎ
春泥の白きソールへ波の紋
能瀬野風
早暁をやはらかく立つ子馬はも
能瀬野風
犬の糞砂利ごと拾う二日かな
一色 那真呼
水仙と記す休戦の理由欄
あずお玲子
春浅き水に解るる象の糞
あずお玲子
王族のクンビ春夕焼のインカ
千鳥城
子の夢を笑って苦き柳葉魚かな
かねすえ
日脚伸ぶ商店街にポニー来た
ちょきさん
雑炊を睡くなるほど食む夕餉
縦縞の烏瓜
着膨れの私アルパカの無関心
たかね雪
金網に絡む羊毛冬惜しむ
染井つぐみ
妻も子も吾もアルパカも着膨れて
染井つぐみ
アルパカの反芻甘き冬旱
湯屋ゆうあ
人は背をアルパカ首を立て日永
湯屋ゆうあ
雀友へ二日いつもの五人五時
としなり
四日果つ「既読」の二字の煌々と
千代 之人
春の空糞を集めて売る仕事
万里の森
アルパカの歯を見せ笑ふ冬うらら
中岡秀次
短日や駱駝の尻尾揺れぬまま
カムヤ イワヒコ
春暑しライオン前の砂遊び
沙夜子
アルパカのぽわんとした目冬日向
浮雲
梟や台詞ひとこと吐きそこね
山河穂香
セーターや鳥は下から瞼閉づ
里すみか
濡れ犬の細身や柚子湯ぷかんぽかん
西村ゑな女
クリスマスケーキね犬は飼いません
髙橋みりぃ
アルパカの睫毛やホットチョコレート
三尺 玉子
縞馬とさうぢやない馬日向ぼこ
きみどり
アルパカの耳標新し風光る
カフェオレ草
アルパカの唾に春待つ微生物
広瀬 康
屋根にやぎ小春のこども動物園
三月兎
初仕事アルパカの尻まるまるし
鷹見沢 幸
料峭や象舎の小さき献花台
鷹見沢 幸
カルロスのポンチョは赤し初詣
くぅ
セーターのちくちく母の噓を知る
くぅ
アルパカのあくび背高泡立草
角田 球
風に聞くケーナ真冬の十字星
山姥和
アダンの木新芽うまいか島の馬
猫日和
五日目のまだ名前なき春の朝
みのわっこ
アルパカは静止す風花はゆらぐ
靫草子
空っ風羊駄の淡き影を踏む
陣十 大
アルパカの眼に球形の冬景色
陣十 大
買わないと決めたセーターあててみる
きのこオムレツ
換羽期のペンギン柔く痩せて春
加藤ゆめこ
濡れてゐる象の膚や秋日和
加藤ゆめこ
アルパカの無辜なる臀部冬うらら
葦屋蛙城
煤逃げや饐えた臭いの駱駝の背
笠井あさり
ライオンの怒号の寂し凍雲来
濃厚エッグタルト
羊日の嘘アルパカの唾のごと
濃厚エッグタルト
風の香や土産はアルパカのマフラー
わんだー
脆きその鎖骨に雲の色のショール
浅海あさり
凩や伊東まんしよの弾くおるがん
浅海あさり