第28回「アルパカの後ろ姿」《人》④

評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第28回 写真de俳句】《人④》
毛糸編むこの人だって似合う色
文月蘭子
初雪や母ライオンのパトロール
旭しゅん
ぬいぐるみの行方は知らずシャボン玉
窪田ゆふ
生きてゐる土の匂ひや小春風
明後日めぐみ
アルパカの小屋を抜け出す聖夜かな
あさひ
冬夕焼もうアルパカじゃないな俺
あさひ
アルパカにオカリナ聴かす日向ぼこ
ぐずみ
元日の当直アルパカがにほふ
月石 幸
冬の夜のアルパカ靄にかえりさう
月石 幸
王国はしづかひつじの冬時間
もりのもりす
アルパカの背骨のやうに冬を生く
小町ちまこ
煤逃の父七三で帰宅せり
山口鵙
小春日やピエロのハグに湿布の香
小川野雪兎
冬萌のアルパカ舎二時待合せ
島田あんず
アルパカも冬芽もひかり抱きたる
島田あんず
春愁はやはらかアルパカの背中
津島野イリス
アルパカや再入場はできぬ秋
充子
アルパカの睫毛の先も淑気かな
充子
孤高なる狼の瞳の蒼きかな
トヨとミケ
蒲公英の絮吹かれアルパカの愚痴
亘航希
アルパカの中にゐる人日記買ふ
亘航希
虎落笛アルパカ小屋の臭き藁
やしたあきら
糸紡ぐインカの婆の手足荒る
やしたあきら
アルパカに尻ふれてをり春隣
田季たまき
桃の花おくるみ編んで母となる
つきみつ
初午や高き鳥居は海近く
しげ尾
終点はアルパカの前冬うらら
なないろ
アルパカに似てると言われ雪催い
なないろ
愛でるやう手鍋にブロッコリー嗅ぎをり
谷川炭酸水
夏の雲思ってたアルパカじゃない
谷川炭酸水
上手く眠れなくて一人毛糸編む
ぺんぺんの母
独寝の気楽さに慣れ毛布干す
砂月みれい
寒晴や説教中の山羊の声
西村緋色
廃トラクター子らつぎつぎと乗せて春
田野こみち
ひとりなりアルパカを見る成人式
春田寧々
鵯や担任不在モップ掛け
稽古
冬の月アルパカみたいな人と寝る
田近 詩泉
アルパカの母にも子にも春の風
紫桜
窓際の藤井と春はうはのそら
常磐 はぜ
中腹の群れの耳標へ東風の波
常磐 はぜ
売り尽くしワゴン毛糸は海の色
七味
荒野の寒風明眸のアルパカ
美川妙子
アーガイル柄の靴下雪催
木乃芽依
アルパカになら言えそうな春愁
とひの 花穂
幸せな耳ねと言ひて春淡し
茶茶の嬉嬉
蓑虫よあゝ錆たる不発弾よ
瑞陽庵
地上絵のハチドリ遥か冬夕焼
沢山葵
底冷えやワックス掛けの美術室
翠雨
春隣ソクラテスめく独り言
久蔵久蔵
アルパカに花冠をカルナバル
のさら子
セーターのアラン模様や遠き恋
岸野ゆり
嚔してプリーツスカート共鳴す
いろはにぽてと
アルパカの目に映る雲春を待つ
風薫
偶蹄類率ゐて麗らかなパンパ
葉村直
石積みの精緻インカの月冴ゆる
佐藤レアレア
冬めくやチューニョ蒸したる鍋赤し
佐藤レアレア
桶洗う尻に子牛や春の風
そーめんそめ女
寒晴れの広い校庭知らぬ歌
にゃんちゅう
入学やバス停の名はくすのきちょう
小鉢
冬萌やたんぽぽ色の初乳の香
大山和水
北風に鳴る戸牛舎の父を呼ぶ
ザイコン
革命の祖国の谷や木の芽風
喜多郎
アルパカの振り返る目や春近し
鳥井森春(しんしゅん)
参道を真白き神馬春の夕
きなこ
山眠る厩舎に蒼きマリア像
きなこ
もの憂げなる模型の古城春浅し
花筆文字
春を待つおもちゃの犬の尾っぽかな
たーとるQ
アルパカの影膨らみて冬ぬくし
陽風水
吹初のケーナ天空へ突き抜けよ
須月かほう
止まぬ雪糸車カタカタ回る
鳴きうさぎ
北開く畜舎に風の通り道
谷川ふみ
動物園の迷子はどこに青葉風
美織
リクガメのしと一直線に出でて夏
美織
初雪を踏む羊駱駝の子の睫毛
三毛福
アルパカの春のレースにゆらぐ村
なさむ
うららかや中はオムツのクマリュック
但馬春風
冬晴れの上野フォルクローレの調べ
孤寂
アルパカの子の名はゆめにリラの朝
花豆
牛の鼻広げ春泥匂ひ立つ
うーみん
永き日のアルパカ小屋のサボタージュ
我鯨
薬局の山羊の散歩や冬ぬくし
ふのんへん宗悟
小春日やボラギノールは在庫切れ
ふのんへん宗悟
着膨れて降車扉の開くを待つ
朝ごはん
パンダ舎は二時間待ちの初写真
久木しん子
羊駱駝と秘密の話冬すみれ
八月黄緑
初仕事ヤギもヒツジもアルパカも
看做
初風は今アルパカの郷あたり
看做
参観のチャイム寝ぐせの吾子や春
志きの香凛
動物園行きは運休寒雀
おおい芙美子
保護犬の鼻に風花ほどけたり
おおい芙美子
あたたかや少し萎るる夫のそば
田に飛燕
アルパカの毛に絡みつく冬の蝿
ぐりぐらら
アルパカのまつげの凍る厩舎かな
山音湖七
アルパカの大きいと泣く吾子に蝶
鈴木 リク
誕生や獣舎の板に斜めの雪
水越千里
風花や生家畳む日近づきて
うらら
白息の家畜の耳の番号札
若本正路
仔羊の哺乳瓶へと牧の春
紺野奈緒美
ひげ伸びて仕事始めの朝眩し
小島やよひ
熱燗や苔食うアルパカの話
ヘイくん