写真de俳句の結果発表

第30回「常念道祖神の桜」《人》⑤

常念道祖神の桜

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

 

※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。

【第30回 写真de俳句】《人⑤》

あたたかや隣の墓に水をやり
木香
花追風御歩き神の居りませば
明後日めぐみ
時刻表のマーカーふわり春コート
明後日めぐみ
日永し本屋町屋の奥の奥
紫黄
花咲くと母病室の蛍光灯
小町ちまこ
訃報告ぐ声にさくらのざわと散る
島田あんず
港へと桜さかみち駈けぬけば
島田あんず
春嶺や父の墓へは告げぬこと
充子
春愁の瘡蓋としてピアス痕
亘航希
亀鳴くを待つ千年の磨崖仏
葉月庵郁斗
葉桜や象にピエロの鞭の音
葉月庵郁斗
春の夕ただ旧姓を呼ばれけり
田季たまき
畑打やいのりひゃつぺん道祖神
砂月みれい
花ひとひら音楽準備室しんと
田野こみち
山桜太し川南小学校
田近 詩泉
花びらの裏も表もなかりけり
きたくま
石ころの裏しっとりと春の土
七味
船頭の竿の雫や花の山
野薔薇
閉め切った門扉桜は満開に
朱葉
実存の始め桜の樹の下で
中平保志
粗大ゴミ置き場の机鳥曇
めいめい
たんぽぽ咲けどアナスタシアの墓標
芳野
囀りや風の小道の塞の神
のさら子
蘖やお薬手帳二人分
ぽっぽ
春一番のっぺらぼうの道祖神
三太郎
百円の黒こんにゃくや花盛
惑楽
春満月冷たいバター舌に乗せ
鯨尺
山笑ふ山の石から道祖神
居並小
春なんて糞喰らえと爪を切る
砂 芽里
北颪赤き筒袍の獄舎跡
竹庵
人柱の祠花筏ゆるり
伊呂八 久宇
明日異動この窓からの花曇
りぷさりす園芸店
飛花落花鼻の欠けたる磨崖仏
ふじばかま
記憶てふ玻璃を砕いたやうな飛花
葉村直
三月やバス停横の道祖神
齋藤ちの
ルビ付きの古事記親しむ花の雲
兎波
十人の全校生徒花の窓
兎波
日曜の小さき約束ゆふざくら
大山和水
田村麻呂阿弖流為母禮を読む日永
ムカイトロゲ
桜蘂降るや嘔吐に血のかすか
立川猫丸
ひとことも口きかぬ旅花の雨
花筆文字
桜隠しやグランクラスの8号車
たーとるQ
まず野菜かっ食らう落第の鍋
たーとるQ
春に逝く柩に靴を入れ忘る
のりこ
青き踏むしらやまさんの遙拝所
秋野しら露
桜まじハルディクさんのプロポーズ
柿司 十六
道祖神この世の桜真つ盛り
ざるけん
あぶらあげ二十枚煮て花見いざ
たきるか
竹やぶに鬼女の肩息花おぼろ
谷川ふみ
死ぬまでの時間よ春夜の自習室
美織
ひばりひばり野仏にのどぼとけなき
せんかう
村神に七日ばかりの江戸彼岸
ほーさく
残雪を沸かして淹れるグアテマラ
せなきく
桜咲く水漬くとも枝折るるとも
浜千鳥
花曇土曜十二時間勤務
野菜α
残雪や駒の尿の逞しき
出雲のたみちゃん
リュックにワンカップあの桜に逢う
花豆
ぐい呑みの錫の鎚目や桜騒
木野桂樹
楽しみは胴吹き桜ハイボール
とうこ
沐浴の練習枝広ぐ桜
とうこ
山桜バイクの婆は九十歳
月野うさぎ
黒土のいよいよ黒し花の塵
梨伯子
まだ銀座十一月の雨の味
看做しみず
菜の花や立ちこぎ出来ぬとも言へず
志きの香凛
ささめごと桜の下の道祖神
布川 洋一
花の塵よけてシューズの草に濡れ
古乃池 糸歩
空青し幾筋伸ぶる花の帯
古乃池 糸歩
バスは「教習中」春の風を乗せ
ラテ
迫り来る千本桜や屋形船
茜咲
花曇売り子の小さきくしゃみかな
茜咲
佐保姫の鎮めし鬼の千回忌
清水縞午
桜へと御首納む赤備へ
清水縞午
桜守大方は鍬ふってをり
上村 風知草
いつよりの花や一対石のうへ
佐藤さらこ
花の雨消えゆく事故の白チョーク
井上右彩
花の雨心の壁を作りけり
さざなみ葉
治りかけのかかとで春の駅へ駈く
美織