始めに
皆さんこんにちは。俳句deしりとり〈序〉のお時間です。
出題の句からしりとりの要領で俳句をつくる尻二字しりとり、②に引き続きご紹介してまいりましょう!
第14回の出題
兼題俳句
よい年であったと捨つる鰤の骨 紫すみれ
兼題俳句の最後の二音「ほね」の音で始まる俳句を作りましょう。
※「ほね」という音から始まれば、平仮名・片仮名・漢字など、表記は問いません。
兼題俳句
よい年であったと捨つる鰤の骨 紫すみれ
兼題俳句の最後の二音「ほね」の音で始まる俳句を作りましょう。
※「ほね」という音から始まれば、平仮名・片仮名・漢字など、表記は問いません。
あ、こちらは正答する自信があります。読み方は「骨喰藤四郎(ほねばみとうしろう)」ですね。文化財にもなっている日本刀で、たしか短めの刀ではなかったかと記憶しております。斬る真似をしただけで相手の骨を砕いた」なんて言い伝えもあったとか。取り合わせられてる「月」の逸話までは寡聞にして存じ上げませぬが。
ちなみに我が家ではにっかり青江が推し。香川に展覧会観にいきました。
オタク寄りなご紹介が続いております、ご容赦ください。これもゲームネタですね? たしかポケモンの技じゃなかったかな。個人的にはシリーズで唯一プレイしたことのある作品がゲームボーイの初代『ポケットモンスター 赤』。骨を被った恐竜のこどものようなポケモン・カラカラが使う技ではなかったかと記憶しています。何気に激重設定(死んだ母親の頭骨を被っている)を背負ったポケモンで、当時から印象強かったんですよねえ……。花曇の公園にでもいって、友達と対戦でもしてるのかしら。延々スカり続ける時間も楽しいもんです。
学名めいたカタカナがでてきました。いったいなにもの? 調べてみると俗称:ゾンビワームって出てきて怖いんですけど……。「ホネクイハナムシ」は海底に生息する生物で、初めて発見されたのは2004年。いずれも海底に沈んだ鯨の骨から発見されたそうです。「鯨を元素とす」ってそういうことか! 通称「根」と呼ばれる体の一部から酸や消化酵素を出して骨を溶かし、栄養を吸収しながら骨の内部に入り込むのだそうです。こ、こわぁ~ゾンビじゃん……。
海の生き物にはほかにも「ほね」から始まるものがおりました。「骨貝」とだけ聞くとピンときませんでしたが、画像を探してみると見たことあるやつ! 巻貝の形状からなが~く槍のように管が伸び、その両脇には魚の骨のようにとげがたくさんついております。リゾートの海に流れ着いていそうな、おしゃれな見た目の貝。実際、特徴的な殻の形から観賞用になるのだそうです。《ゆりかもめ》さんの句から見えてくるのは明るい好奇心。子どもは興味津々で図鑑を広げて調べ始めたりするかもなあ。一方、《内藤羊皐》さんは春の旅行で訪れた先でしょうか。楽しみ尽くそうとあれこれ満喫するも、少しばかり疲れてきたなあ、という大人の姿。花疲れの胃と心を軒先のひと時。
「骨救ふ」とはいったいなにごと? 謎の単語「ガマフヤー」を調べれば理解できるのかしら。出てきたのは沖縄と戦争に関する記事。「ガマ」とは自然にできた洞窟のこと。「ガマフヤー」は沖縄の言葉で「ガマを掘る人」を意味し、遺骨を収集する人をこう呼ぶのだそうです。「夏遥かなり」は《おりざ》さんご自身が、かつて体験したことなのかなあ。
「骨」を発想の源とした句が圧倒的に多かったなか、それ以外の「ほね」へと果敢に挑んだものも。ヨットの「帆」。直後にうまく「ねこそぎ」を繋げて「ほね」を実現しました。ナイス発想の転換! 「春疾風」との取り合わせが原因・理由ぽく読めてしまうのが、ちともったいない点でしょうか。さらにいい季語が見つかりそうな予感がします。
「保寧寺(ほねいじ)」とはまた良い固有名詞を見つけてきましたねえ。埼玉県加須市にある臨済宗妙心寺派のお寺。
公式webサイトには、お寺の風景が何枚もフォトギャラリーとして公開されております。壁一面が金色に輝くお堂の中か、あるいは外の白壁に春茜がきんいろに射しているのか。季語「春茜」がどこまで影響を及ぼしていると考えるかによって、解釈が変わってきそうです。お庭も見事で、一度訪れてみたくなるお寺さんですねえ。
意外な切り口できたのが、話し言葉。共通語では実現が難しくとも、方言ぽく語れば自然な流れが生み出せるものですねえ。関西圏で交わされる気軽な別れの場面でしょうか。「ほネほなら」は共通語にすれば「じゃあね」「それじゃあ」くらいのニュアンス? 一見軽そうだけど、下五「花の下」が思わせぶりでもあります。実はこれが永の別れであった……なんて想像しちゃあドラマチックすぎるか。
第16回の出題
骨太の馬刀貝宥めつつ抜きぬ
いかちゃん
馬刀貝は潮干狩りでも獲れる貝の一種。その方法が独特で、俳人心をくすぐる句材でもあります。砂底に空いた穴に馬刀貝は隠れているのですが、その穴に塩を入れると驚いて飛び出してくるのです。そこを捕まえる。現場の臨場感がある一句ですね。一瞬反応が遅れて、掴み切れなかった。端っこはなんとか掴めたけど、当の本人(本貝?)も引き抜かれてはならじと穴にぐぐ~っと戻ろうとする。ぬぬぅ、見事な骨太の一体、逃がしてなるものか! といった具合でありましょう。うまく宥めつつ抜いた貝、これからどんな方法で食べるのやら。骨太だからこそ一層美味しそうな姿かたちが思われまする。
ということで、最後の二音は「きぬ」でございます。
しりとりで遊びながら俳句の筋肉鍛えていきましょう!
みなさんの明日の句作が楽しいものでありますように! ごきげんよう!