写真de俳句の結果発表

第31回「恩田川のカワセミ」《ハシ坊と学ぼう!②》

ハシ坊

恩田川のカワセミ

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

季重なり

翡翠を飲む勢いの夏木立

奈良の真

夏井いつき先生より
季重なりでもありますが、中七の描写が、ちょっと分かりづらいです。
“参った”

季重なり

翡翠の過るや空に夏来たる

猫おっと

夏井いつき先生より
「夏来たる」も季語なので、「夏」の一字を外して、その「空」の様子をもう少し描写しましょう。いかにも夏らしい描写にしたいですね。
“参った”

季重なり

滝音と合唱すカワセミの夫婦

ごとう真樹

夏井いつき先生より
「滝」も夏の季語ではあります。季語は漢字か平仮名の表記をお勧めします。
“参った”

季重なり

かわせみの恋鳴き交互風光る

蒲公英

夏井いつき先生より
「かわせみ」は夏の季語。「風光る」は春の季語ですよ。
“参った”

季重なり

春近し囀りひびく川面かな

ひーちゃん

夏井いつき先生より
「春近し」「囀り」どちらも季語ですよ。まずは、歳時記と友達になりましょう。
“参った”

季重なり

春の川こぼれたドロップ翡翠へ

秋結

夏井いつき先生より
「意外にハッと見つかる翡翠ですが、いつ出会っても煌めいています」と作者のコメント。
 
眼の付け所はよいです。季重なりは気になります。
“参った”

季重なり

春の沢水鳥と魚の激戦区

秋結

夏井いつき先生より
「水鳥」は冬の季語ですよ。
“ポイント”

季重なり

鶯の初音かわいや仰臥して

みちこ

夏井いつき先生より
「初音」だけでも季語です。再考してみましょう。
“難しい”

季重なり

百ちどり登山応援八合目

呑 栗子

夏井いつき先生より
季語としては「百千鳥」としっかり漢字で書くべき。「登山」は夏の季語ではありますが……。
“難しい”

季重なり

カワセミの宙ひとすじの雪解川

osa

夏井いつき先生より
「『カワセミ』と『雪解川』と季語が二つですが、『雪解川』を主としてみました。雪が解けていく川に、獲物をねらうときのカワセミを詠みました」と作者のコメント。
 
生き物や植物の季語をカタカナで書くのは、図鑑の表記のようだということで俳句では嫌われます。漢字か平仮名の表記をお勧めします。
さらに、季重なりの点ですが、
「ひとすじの雪解川」の鳥観図的な視点と、「カワセミの宙」の眼前の緊迫感は、距離的かつ位置的な違和感があります。
“参った”

季重なり

のどかさやカワセミ来る夢に淵

ピタ子

夏井いつき先生より
生き物や植物の季語をカタカナで書くのは、図鑑の表記のようだということで俳句では嫌われます。漢字か平仮名の表記をお勧めします。さらに、「のどか」も春の季語です。
“参った”

季重なり

翡翠を目の端に見る川遊び

駿酔

夏井いつき先生より
「川遊び」も季語ではあります。
“参った”

季重なり

ベランダに鳩が巣作り春うらら

わんだー

夏井いつき先生より
「春」も「うらら」も季語ですよ。
“難しい”

季重なり

平日や翡翠のこゑ爽やかに

杉尾芭蕉

夏井いつき先生より
上五いいですね。下五「爽やか」は秋の季語ですよ。
“ポイント”

季重なり

花曇りカワセミも魚落とす

トリケイ

夏井いつき先生より
「カワセミ」も季語です。この場合、「花曇り」を主たる季語としているのだとは思うのですが、成功しているとは言い難い。
“参った”

季重なり

雪解けや赤啄木鳥かかか母想う

暑寒りんご

夏井いつき先生より
「雪解け」「赤啄木鳥」どちらも季語ですよ。
“難しい”

季重なり

白シャツの似合う人なり夏木立

田季たまき

夏井いつき先生より
「白シャツ」も季語ではあります。
“難しい”

季重なり

春うらら河面をよぎる青い風

しせき

夏井いつき先生より
「春うらら」は、「春」も「うらら」も季語なので、季重なりになります。
“難しい”

季重なり

ビバルディ朧な第一なごり雪

晴芽みやび

夏井いつき先生より
「雪解けが進み浮き立つ気持ちに、ビバルディの『春』が、心の中でリフレイン。思わず口ずさんでいると、陽がでているのに、ふんわり雪。こんな日がいちばん好きかもしれません」と作者のコメント。
 
「朧な第一」とは、うろ覚え? という意味でしょうか。「朧」も春の季語なので、ここは要一考ですね。
“難しい”