写真de俳句の結果発表

第31回「恩田川のカワセミ」《ハシ坊と学ぼう!⑦》

ハシ坊

恩田川のカワセミ

評価について

本選句欄は、以下のような評価をとっています。

「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。

特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。

「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考えるそれが最も重要な学びです。

安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。

疑似餌捨て漁夫去る夕べ鳥曇り

陣十  大

夏井いつき先生より
材料はよいです。「疑似餌捨て」と「鳥曇り」で一句、「漁夫去る」と「鳥曇り」で一句、ぐらいがちょうどよい分量かも。
“ポイント”

翡翠の飛び込む底に神秘あり

如月頭花

夏井いつき先生より
下五「神秘あり」が感想になりました。「底」のどんな様子に、神秘を感じとったのか、そこを描写して下さい。
“ポイント”

恩田川水と戯る翡翠二羽

くちなし

夏井いつき先生より
中七「戯る」は要一考です。
“難しい”

退職や着飾ることのない4月

永華

夏井いつき先生より
俳句では、特別な意図がない限りは、漢数字を使うのが基本です。
“参った”

街中のせせらぎありて翡翠く

にも

夏井いつき先生より
最後の「く」は、「来」ですか? だとすれば、漢字でしっかり書くべきです。
“参った”

終活の脱毛卯の花腐しかな

植木彩由

夏井いつき先生より
「終活」と「卯の花腐し」の取り合わせはよいと思ったのですが、終活の「脱毛」というのがよく分からなくて……。
“参った”

翡翠や濁る川に宿る姿

望月朔

夏井いつき先生より
「ドブのような川に、翡翠がいた驚きを詠みました」と作者のコメント。
 
後半「~に宿る姿」ここの部分は要一考です。
良き

あんれまあ!音痴の鶯「ホーホケチョ」

ヨシキ浜

夏井いつき先生より
「散歩中、籔の中からとっても音痴な鶯が囀りの練習をしていました」と作者のコメント。
 
「音痴の鶯」は良いと思います。上五の驚きを許容したとして、下五の鳴き声を書くのは蛇足。読者に「音痴の鶯」の鳴き方を想像させてあげる余白が欲しい。
“難しい”

啓蟄をメガ盛りと読む暮らし方

青屋黄緑

夏井いつき先生より
「啓蟄」と「暮らし方」という展開はよいと思うのですが、中七の意味がよく分からない……。
“難しい”

赤ちゃんの声中心にかわせみと

きみこ

夏井いつき先生より
赤ちゃんの声が真ん中にいる? かわせみと一緒に? そのあたりがよく分かりません。語順に問題があるのかなあ。
“難しい”

村民は感じぬセロリ畑の香

咲織

夏井いつき先生より
「セロリの名産地に移住し、畑の道を通るとセロリの香りがすごくしました。でも、地元の人たちにそれを伝えても『そんなのは嘘だ』と言われてしまいました。ずっと住んでる人は感じなくなっているのかも、と驚いた場面です」と作者のコメント。
 
表現したいことはとてもよいのです。が、「~は感じぬ」は説明だなあ……。
良き

翡翠の狩り失敗も凛とせり

太之方もり子

夏井いつき先生より
下五は感想です。どんな様子を見たから、「凜とせり」と感じたのですか。
良き

翡翠の得道具嘴食はせ者

とも女

夏井いつき先生より
「空飛ぶ宝石と言われるほど美しく可愛い翡翠だが、嘴は長く、黒くて鋭い。外観は良く見えるのだが、獲物目掛けて垂直に急降下して捕らえるのを見ると、なかなかの食わせ者なのではないかと、思いました」と作者のコメント。
 

比喩と擬人化でケンカしてます。材料を減らして、二句あるいは三句に分けてみましょう。

“ポイント”

翡翠やポイントガードのレイアップ

井上れんげ

夏井いつき先生より
取り合わせの接点が、ちょっと分かりにくいです。なぜ、バスケット?
良き