第34回「ホーチミンの市場」《並》④

評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第34回 写真de俳句】《並④》
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夏野菜耳も美味しいシャキシャキと出羽泉まっくす
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地球儀やパイナップルを売る少年なみこまち
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「はい、おまけ」呉るる笑顔とトマト二個彼理
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蟠桃を食ふバザールの屋台横東歩
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炎天下何かの煮込みらしきもの東歩
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朝市の山売りライチ値切る夏ルージュ
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ベトナムで春巻きビールフォーとチェールージュ
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火龍果を勧め店主の拭ふ汗陽光樹
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荔枝買ふ「靚女!」と呼ぶ店で買ふ陽光樹
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油照り小声でチップねだる車夫世子
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トマト捥ぐはちきれんほどの朝日よ日吉とみ菜
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差別問う舞台のチラシ熱帯夜日吉とみ菜
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夕顔や手繋ぎ歩く細き市桂月
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大夕焼け落ちて始まるペルシャ市場桂月
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色彩の溢るる市場夏旺んにとべ悠月
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「おまけだよ」渡す売り娘の日焼けの手にとべ悠月
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ベトナム人日本に思い馳せ夜明け原島ちび助
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上風の植田の中に母国あり原島ちび助
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夏市場果物の山人の波くちなし
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完熟のトマト潰れて装甲車つるぎ
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秋果捥ぐ祖先の畠に不発弾つるぎ
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野菜市野菜の数だけ夏の花海泡
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ズッキーニ黄色い花で水を飲む海泡
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帰還兵の脳にましろき熱帯夜滝川橋
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アオザイの胸に染みなす極暑のフォー滝川橋
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捨てられし実は腐りつつ夏の雨泉州水なす
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夏シャツを作ろ市場で布買って綱川羽音
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ベトナムの風はシロップ風鈴よ綱川羽音
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朝採りの夏野菜にぎわす店頭おしよだかお
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店先で今日の夕食雨休みおしよだかお
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蒸す市や香り立つ白靴の婦人風輝
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朝市の青柚山盛り値切る声風輝
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籐椅子の客待つ婆婆や日は西へ団塊のユキコ
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舟遊び岸辺は遙かメコン川来冬 邦子
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鳥は鳥蟻には蟻の高さありレディ咲瑠恋
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円換算ミスで過払い初市場みなし栗
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晩夏光異国の市で一万歩みなし栗
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香辛料売る目にかすか五月闇永華
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髪洗うライチ冷やしてちちははとミンコフスキー
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ドリアンを土産と言われる炎暑かなまりも
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ソルダムをガブリ焜炉に火をつけるまりも
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啖呵売煙草片手のバナナ売アツヒコ
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朝捥ぎのうぶ毛ましろや水蜜桃摂田屋 酵道
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「なじらね」と手のひらにここ雁木市摂田屋 酵道
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帰らざる行商の鯵塩辛し紫月歪丸
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スコールやベトナムコーヒー市場の香norinori
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肉を切る市場の娘夏の風田畑 整
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家のことトマト相手にぶつぶつとおさむし
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夏帽子買って開放病棟へ春海 凌
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炎天下ドリアン試食ツアー客はね花
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二人連れ夜店に果実の香の満ちて望月美和
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父の忌や寅さん秋の啖呵売林としまる
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初夏の豊洲あゝ競りの声競りの声いくたドロップ
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南国の果物にほふ熱帯夜桜貝
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子のランチマットに残る夏の赤千暁
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腸まで冒すドリアンよ汗よ千暁
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晩涼や市場巡りのトライショー夏の舟
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マンゴーを花咲切りに朝日影夏の舟
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梅の実の蔕取り百歳に習う白鷺
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おばちゃんと呼ばれはじめてマスクメロンヒマラヤで平謝り
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七並べのスートきらきらして夜店ヒマラヤで平謝り
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サイゴンの影やどす市大夕焼頓狂
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縞を断ちばりばり開く西瓜玉ふたば葵
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夏虫や丸笊重ね閉店すふたば葵
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午後の市密に揚羽の飛び来たる和み
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朝市や夏帽のおうな値付け中和み
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トマト切るかつて私を撫でた手で虎八 花乙
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赤茄子や土曜の昼は三個捥ぎ虎八 花乙
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茘枝二つバックパックとポケットへ光太郎
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夏の夕自転車押して買い物にみよこ
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初物と書いて八百屋に秋来る伊予素数
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パッションを盛る果実炎帝じりり高山佳風
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ミスサイコン相席をして汗を拭く裕
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ミスサイコン話は尽きて大夕焼裕
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朝採りの無人販売大暑かな星瞳花
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喜雨のあと野菜は背筋伸ばしをり星瞳花
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新玉の匂いの溶ける島の朝西田武
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朝市の仕度を眺む浴衣かな西田武
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自動ドア開けばやはりある桃よ龍酪
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「安いよ!」のかけ声一つ小鯵買う花はな
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異国語のうずに市場の林檎三つ花はな
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朝まだき市場の床に鮪だけさつき
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椎茸を異国の市の一隅にさつき
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蓮青葉スパイス師家の秘技覗く曽根朋朗
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釈迦頭の熟れ具合問ふ夏の市瀬央ありさ
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客の声果物売りは三尺寝久楽
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喧騒を忘れてトマト選びけり久楽
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(旧称)サイゴンの果実溢れる夏の市そうわ
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東洋のパリよスラム街炎ゆそうわ
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炎天や半音高き値切り声あおい結月
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むっちり小判形競り落とす鮪水無月
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つり上がる目の面多き夜店かな水無月
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二人組なれずに握る夏帽子梅野めい
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朝祖父とラジオ体操蟬時雨松山のとまと
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来年も胃カメラ予約梅雨の晴松山のとまと
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皺くちゃの手の中にあるアロハシャツ紺
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夕市や客包み込む栄螺の香しろぴー
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馴染み無き果物並ぶ秋の風しろぴー
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実梅千ほしとる祖母の背伸びかなゆうじい
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ノンラーのひとのドナドナ夕焼けてくるすてぃーぬ
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マンゴスチンの涅蠅のまなうらかくるすてぃーぬ
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蜂の飛ぶマルシェ不愛想な店主草野ふうこ
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豪雨やむかるがも一羽浮かびおり草野ふうこ
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コンと割るマンゴー滴り夏の夜東ゆみの
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白南風やすでに走りの果がならび西 メグル
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古染付軒下並ぶ日の盛り富永三紀
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蚊取香異国訛りの魚屋かな富永三紀
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路上売りの椰子の実を飲む炎昼ワンネス
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南国の光多すぎ一人きりにも
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南風や青空の市ライチ食むにも
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初採りのとまと供へしお仏壇中村あつこ
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夏野菜観察前に収穫す理孝
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定まらぬ終の棲家や曼殊沙華欅山四十八景
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赤茄子や今年も落つる実は緑蕃茄
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秋爽や京へ限定ぱふぇの旅蕃茄
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原色の果実をねぎる二重虹一寸雄町
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スコールやアオザイの釈迦玉を組む一寸雄町
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午前五時「どつさり市」の汗拭ひ杜野みやこ
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異国語に捲し立てられ市暑し骨のほーの
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市の声かき消す驟雨の垂直骨の熊猫
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大原の里の朝市ゼブラ茄子藤本花をり
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愚図る吾子冷やし胡瓜の露店前船橋おじじさん
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直置きの市場の野菜夏の朝船橋おじじさん
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珈琲を飲む秋暁の軽トラ市望月とおん
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円き手の売り子は寡黙秋簾星子
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あり余る果物ならべ盆供養岩魚
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生き生きと旬のくだもの盆提灯岩魚
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おまけって笑顔でくれた李二個空流峰山
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おすすめのレシピとともにトマト買ふ空流峰山
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大籠に山積み茘枝バイク便白猫あんず
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店員のくれた蕃茄や夕の如宮本 モンヌ
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地ビールの読めないタイ語写メる夜堂園 穂世
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朝市の茄子の光を購えり雪うさぎ
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潮風に甘き香の来るパイナップルピンクアメジスト
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薄明かり納屋にころがる西瓜かなまるにの子
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ノン傘の行商人のアイスティー山尾政弘
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竜眼の値段交渉ひかる汗山尾政弘
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夏の朝レロイ通りの客集め小花風美子
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缶カラへお釣りもセルフ海女の市さち今宵
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檸檬の香よべのままなる指端かなさち今宵
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無花果が一番好きとつまむ指いたっくうらら
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ごちゃまぜな青臭き風夏の市倫
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かかげらる鮪背肉よ値下げ競り楽奏
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白南風の市にあふるる果実かなシナモンティー
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デパ地下でやっと見つけた赤福氷ヨシキ浜
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凱旋門めくナポレオンパイの白桃海月のあさ
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男子のはなし弾む梨売る道路端海月のあさ
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夏帽子自転車の空五分前青屋黄緑
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東洋のパリの孤影や夏の空青屋黄緑
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ドラゴンフルーツとは大きく出たな雲の峰藤津桜子
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外つ国の名も知らぬ果や常夏月藤津桜子
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買物は死なない戦雲の峰赤糸
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涼風や芳香匂う露店市竜酔
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昼寝する豊潤な果実に感謝竜酔
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メコン川炎天の闇の声二十重迷照 りん句
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溽暑のバザール靴擦れせる足音弥音
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足甲の日焼のかたち旅券スタンプ弥音
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竜田姫ジェリービーンズぶち撒けて芦幸
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龍眼を剥く赫い爪八月尽芦幸
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新婚やマレの市場に夏のよそ赤尾双葉
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玉の汗駄賃を握り駆ける路地芳野じゅんこ
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ノンラーのマダム押すチャリ晩夏光花和音
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秋晴や築地魚河岸がんがん焼き花和音
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汗の掌にベトナム紙幣値切ろうか入江みを
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ライチの荷ハノイへ喜々と夏は来ぬ入江みを
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熱風や友はドリアン実る国千早安寿
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不揃いな庭のすももの甘みかな湧翠
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今日だけは生きるトマトが赤いから舞童あづき
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落涙のをんなトマトを頬張れり舞童あづき
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1Kを闘魚に任せそれっきり嶋村らぴ
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荷車を牽く人ら秋暁の街伊沢華純
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手際よく球充填に積む秋果伊沢華純
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夏の海ノンラー被りテント番酒呑走人
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有り金をシクロの人へ十二月たかみたかみ
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戦禍避け地下壕で喰むマンゴスチンゆき
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夕焼をバイク軍団突進すゆき
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梅雨冷えや漬け丼かきこむ夜明け六月風マンダリン
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ベトナムの文字の愉しき夏便り游々子
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図書館に開花情報古代蓮游々子
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サイゴンの平和を願い夏のデモ山内プーコ
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「チャオアイン」アオサイ涼しマーケット山内プーコ
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店の隅赤い実を剥くアロハシャツまこく
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シナプスのごとき電線スコール来雨野理多
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果実らの競ういろどり夏市場由紀子
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夏市場異国の女の黒き瞳よ由紀子
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買い物かご提げ夕焼けの商店街風の木原
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銭かごへのびる太腕菠薐草風の木原
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七夕の短冊「こうべにかえりたい」こちのうめか
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木道の人影絶えて銀竜草すずきあんず
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月明や市場は管理者募集中舟端玉
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懐メロの流れる市場夏蕨なおちゃん
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去年のを食べ終わる日に漬ける梅咲織
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店番は昼寝貪る野良猫かときちゅら
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露店市けばい果実を積み夏へはなぶさあきら
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西日背に残りひとつの品定めむねあかどり
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おつかいのメモをポッケにパナマ帽むねあかどり
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試食用薄い林檎の蜜光る太之方もり子
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シャキシャキの青パパイヤは玻璃の皿藤子
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アオザイの娘籠一杯に青バナナ藤子
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飛騨弁の赤かぶ売る婆頬紅しとも女