第34回「ホーチミンの市場」《並》⑥

評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第34回 写真de俳句】《並⑥》
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色あふれ声ひびき合ふ夏市場くさもち
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熱帯夜ミスサイゴンに涙してくさもち
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日ざかりや言ひ値強気の果実売理佳おさらぎ
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ホーチミンの市場強気の客に汗丘るみこ
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ホーチミンの市場今朝採り売る夏丘るみこ
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編み笠と荷車遅々と夕立風そーめんそめ女
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初茄子ひとつ求めた客の背中そーめんそめ女
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鳳梨の文字の温もり手の平に優花里
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店先に光る燻蒸なきバナナ優花里
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ピアス透き通る夏祭始まる浅田香歌
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夏来るチョコミン党の娘嬉々浅田香歌
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炎昼や市場の風の生温しにゃんちゅう
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明日のことわからぬけれど茄子を買うにゃんちゅう
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ベトコンの昔話や風死せりみなごん
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日盛や果実盛りあぐ越市場みなごん
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[ホーチミン市場]トロピカルが躍る夏空市場よ天亨
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炎天にココ椰子割る刃白光る天亨
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売り子の手のつや赤茄子は艶々花岡貝鈴
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帆船の絵団扇の風サンマー麺小鉢
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ベンダンのドラゴンがぶり熱帯夜ぼたん
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朝涼や山積み果実ころげ落ちぼたん
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黒南風ゆきて果実摘む手の重きイケダエツコ
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百合の息赤子眠らせ旅を行くイケダエツコ
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夏柑の香や親指の爪の奥遥風おんぷ
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夏蜜柑そろって寝返る前籠の中遥風おんぷ
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緑さす一樹に宿る百果の蔭三橋くおん
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屋台村「たちまちビール」汗拭う凛ひとみ
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息殺すクチトンネルを這う蜈蚣今井モコ
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夏暁や天秤棒の野菜ずしり高田ちぐさ
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日盛や三原色のごと市場高田ちぐさ
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冬の月エンジンの音今日もまた画 喜多文
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冬旅や幼児ズボンの尻に穴画 喜多文
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ビタミンの色香溢るる朱夏の市大山和水
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朝市の名物ばあちゃん蠅叩大山和水
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炎天の市やニカブのクールな目てんむす
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銀漢をとどめ夜市の灯の果つる喜多郎
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まやかしのような儚さ夏の霧時小町
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南風や指輪に染むる果実の香麻の葉
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外つ国の朝市の香や夏の風青井季節
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初ベンタイン肺満たぬ熱帯夜ひろひろ
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一粒の苺かみしめ母生きる谷 ゆり乃
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病床の母全身で食む赤き苺谷 ゆり乃
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夏の市ノンラーの看板娘横須賀うらが
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路面店異国の果実夏だより横須賀うらが
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光と影の影に積まれし葡萄哉花筆文字
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電車標マルシェ巡り夏ゆふべくえん酸子
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グリーンカレーぞ清しき水無月尽たーとるQ
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列島の寛厳満てる秋果なりうくちゃんま
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口づけを交はしさうなる白夜かなうくちゃんま
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祖父買ひし市のシャコの茹でたての香ちぇりぴー
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不揃いな苺並びし一五市ちぇりぴー
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途上国の市場とまと赤く燃ゆ慶泰
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外国の夜店の迷いなき笑顔慶泰
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吊るさるる蛙の脚のひかりかな松男
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地に落つる熟果に添ふや晩夏光紫すみれ
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万雷の拍手と聞きし夕立止む紫すみれ
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看板に広告主のいない夏秋野しら露
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カタコトの従兄弟の文とパパイヤを麦野 光
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タンディンに和名掠れる風鈴の音麦野 光
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水上の市場は客も夏の舟松本厚史
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透過光アオザイは白花は蓮はまちこ
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雲の峰ヌックミア飲みいざ街へはま木蓮
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梅雨晴れの空すでに喪失の青を秘め迦楼羅(かるら)
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快活に瓜売る老女火傷痕(ケロイド)の顔迦楼羅(かるら)
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炎暑の市フルーツフライ飛びかいて糸桜
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燃ゆるよなドラゴンフルーツ日除け下糸桜
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細かひなシクロにどんと夏野菜柿司 十六
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より紅いすもも通院の帰りに咲野たまふく
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紫蘇を揉む市場に有りやホーチミン惠桜
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稲光氾濫する色さらに色まほろば菊池
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緑色マンゴーの呼ぶホーチミンざるけん
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潮の香の果物老女の販ぐ夏陽風水
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夏の朝居酒屋角にミント積む須月かほう
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村広場マリオネットの夏夕べ須月かほう
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夏の庭アオザイの裾揺らす風風井 映七
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今日の闇じゅるり茘枝と飲み干す夜風井 映七
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遠雷やヴィトンにみっしりと果実たきるか
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晩夏の光彩コンテナターミナル谷川ふみ
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薫風のヴィーガンバーガー午後の市美織
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日盛りやキッチンカーの歯茎朗ら美織
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夏空に鮮やか市の人だかり浜風牧子
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白南風や龍眼鼻腔にあてて嗅ぐ卯波まり
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時の日や光と陰のサイゴン来葛西のぶ子
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夏日陰艶やか果実気分上げ高橋 誤字
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花屋かな夏のオアシス市の棚高橋 誤字
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朝市やほの温かい松葉蟹のりのりこ
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食卓にコンビニトマト夜明け前閑人
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青物に日傘かざして「買うてくだぁ」せんかう
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朝市の新酒並ぶは清水前三毛福
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青胡瓜開店までの一時間サリー
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朝採りの玉蜀黍や二本買いサリー
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木守柿市場は野戦病院に咲山ちなつ
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ばあちゃんになる予定日の筍飯咲山ちなつ
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日覆にも負けぬ緋色のドラゴンフルーツ韻修
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炎天に無言でよそう屋台飯天風さと
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列をなす夜店の湯気に異国の香天風さと
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盛夏の「レンバイ」生彩の香放つ葦庵
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校庭でこっそり木登り枇杷食らふ葦庵
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踏青や戦の過去を土台とす恵翠
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朝露や市の荷解きパクチーの香瑞風
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夏めくや朝市の婆集まりて瑞風
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ベンタイン夏天を蒸らす人の息釋愚拙
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果物に紛れ南瓜のわれここに釋愚拙
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夏日影のどにレスカの泡キュンキュン瑞々
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裏土間に子猫コロコロ市場かな瑞々
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滴る桃の香や肺奥清めり峠の泉
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旅先の恋人つなぎ盆の市釣女
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ベトナムの子らのアオザイ土用干し釣女
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炎天や極彩フルーツ並ぶ路春野あかね
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南国色のドラゴンフルーツ赤暑し春野あかね
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覗いては離れたる市夏兆す茜
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パラソルや異国の果実色あまた茜
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値札なしフル-ツの秋ホーチミン山根 可寿志
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土匂ふ赤い実ふたつ帰り道ほーさく
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アオザイの美女スコールの路地に消ゆたじまはる
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山盛りの青果に光る夏の風マイウエイ
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滂沱たる汗の売り子の声高し伽葉子
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黒南風やマニアが仕組む市場ツアーかんせつ
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異国語を操る友の光る汗せなきく
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梅雨を衝くママチャリ三騎戦車のごとく宙朔
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青混じる吾子摘む庭のミニトマト孤寂
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茄子たわわハウス農家の朝早し孤寂
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日盛りに帽子売る人メコン川京雲
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これいくら一つ覚えて熱き国浜千鳥
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銃とパン共に商ふ異国夏浜千鳥
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入口でフォーを食らいて汗ぽたりのぐちゃん
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くらりするホーチミンの炎暑かなのぐちゃん
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値札無き指輪屋の濃き新茶かな野菜α
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眩きと沈みし半額の闘魚野菜α
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夏ゆふべアオザイと行く戦跡出雲のたみちゃん
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ベトナム戦の足跡のうへ百合百本出雲のたみちゃん
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スカートのうらまで透る氷水慈夢りん
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大房のバナナ現地の児らの列芳草
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半夏生写真のダオにランブータン花豆
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ストライプマルシェ日除の色褪せて創次朗
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夏の陣看板娘八十路なり創次朗
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立夏の市名も知らぬ色鮮やかに生田 大五郎
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量り売り枇杷の実ひとつ追加して月季 紫
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熱帯夜マス目に数字淡々とまり遊
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溽暑の市場白アオザイがふわり我鯨
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アオザイで見送る蓮売りの少女我鯨
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バザールの媼うつらうつら薄暑ユリノキ
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睡蓮やアオザイの裾ひるがへるユリノキ
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タイの旅マンゴスムージで生き返る清栄
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五月のタイ朝のビュッフェはトロピカル清栄
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マンゴスチン渡す手触れ夏の市朝波羽丸
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夏の果てノンラーぽつりピアノ上朝波羽丸
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痛み掛けの葡萄だらけの露店かなふのんへん宗悟
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初市場吸い込む一年の活気清幸
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カート押す子の手の中のデラウエア壱時
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バイク乗る五人家族の熱帯夜みわか わみ
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蠅払い観光客に笑顔撒くみわか わみ
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週末や吊りたるバナナ落つる音朝ごはん
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夏暁よやがて洗濯終へぬべし朝ごはん
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青梅と目が合い氷砂糖も呼びとうこ
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梅雨晴れ間パンダ二歳のアドバルーン久木しん子
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七夕やおまけおまけの菓子袋久木しん子
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満月や露店巡りの異国の地紫陽花
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夏色の果実の奥の無愛想月野うさぎ
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ソーダ水旅の市場の人通り月野うさぎ
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レモン拭く荒れし手指や黒き爪香代
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暮れの市場人より高きミカン箱香代
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星月夜ピンチョスつまむ丸テーブル千舟
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買い占めてミックスジュース夏の味秀翁
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口中に弾ける宇宙ソーダ水秀翁
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ホーチミン果実市場を逃避行さふらん
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爛れゆく南国果実夏の恋さふらん
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朝採りの残り香清し蕃茄かな雪割草
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トゲ痛しはちきれそうな三豊茄子雪割草
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朱夏の街格子窓越え咲ふ声八月黄緑
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青パパヤ煮物ことこと二人分八月黄緑
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バックパックの汗や一気でヌックミア看做しみず
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還暦の夫とゆく午後桜満つ看做しみず
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汗におう必死の掛け声野菜売り栗紀
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掛け声の行き交う市場匂う汗栗紀
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サイゴンを生きてグランマ髪洗ふ志きの香凛
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青芝やレモンパイ切る元義姉雪花
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レジ横の炬燵の婆の「寄ってがせ」おおい芙南
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山盛りの野菜の生気もらう夏薫陶
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知らぬ野菜みな制覇せん夏の市薫陶
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青時雨教会へ入る赤い靴田に飛燕
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子らという生き物殖ゆる黴雨かな田に飛燕
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炎昼の値切り交渉関西弁ぐりぐらら
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夏兆す老婆舟漕ぐ青果店ぐりぐらら
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理性など素知らぬ顔の茎立かひなここ
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道の駅あれもこれもと夏野菜さち緖
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渋柿を求めて市場巡りかなさち緖
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父母の手を引き夜店行く子かな佐竹草流
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今何も話しかけるなラムネ飲む佐竹草流
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ドリアンを食べる奔放サングラス小野蒼水
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買わぬのか片かげりから入れ墨どゞこ
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手に取った屋台の李生ぬるい日向根子
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梅雨曇り異国の果実匂い立つ日向根子
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生えたての光る乳歯と唐黍と朝月千瑛
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青臭き歪なとまと朝の市朝月千瑛
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雲の峰F戦落とす一直線立町力二
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競り終わりトロ箱一つ夏の朝ビール大好きさん
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片蔭にいる露天商舟をこぎビール大好きさん
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日々眺む柱に吊りし鳳梨かなツル紫
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夏の朝メコンデルタのマーケットツル紫