第34回「ホーチミンの市場」《並》⑦

評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第34回 写真de俳句】《並⑦》
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南国の果の香にむせる夏の市鈴木 リク
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喧騒の市売り子の老婆涼し鈴木 リク
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君遠し刻み煮るなり夏蜜柑壺茶
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夜のキッチンカー青パパヤのマリネ菜緒木モカ
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綿雲や身振り手振りで買ふライチひーちゃんひーちゃん
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サイゴンの艶めく肌よライチかな瞳杏
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葉附する実の八分音符よ夏蜜柑みやもとや
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春炬燵絵文字りんごの引出物みやもとや
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星飛ぶや龍眼一つ喰う遊子山本八
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七夕やピタヤのドットプロポーズ山本八
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夏つばめ昭和レトロの商店街眼蔵
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ハネムーンは遠く朝市は薄暑眼蔵
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肩車されて夏夜の花電車宍戸ふう
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カーバイドランプに映える日焼け顔宍戸ふう
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雨宿り店番猫は昼寝中鈴木そら
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炎昼や店主の白き歯目に入る鈴木そら
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蓮池や一途に進む痩せた鯉めぐえっぐ
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蝿がゐて笑う豚見る異邦人緒形浩拳
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もつてけどろぼうホーチミンの夏来鶴富士
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百日紅シャングリラなるホーチミン鶴富士
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サンダルの母娘サンバル選びをり多数野麻仁男
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ダンバウの音色吾の恋月にあり七色しぐれ
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六月は籠いっぱいにライチ便七色しぐれ
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木熟びわつつかれている空の側石井青花
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追熟の実梅やすももめく匂い石井青花
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ノンポリがベトナムのバナナ食せるか鈍牛
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大阪の八百屋から消ゆ砂糖黍鈍牛
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さくらんぼ今夜は何が良いかしら清 桜人
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汗だくの行商の子らライチ食む夢追い人
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サイゴンの火は消え並ぶ夏野菜夢追い人
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南国の列車乗り込む西瓜売り雪椿
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南国の青空市場昼寝時雪椿
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夏雲や祖国へ去りし若き友小島やよひ
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異国語の短冊そよぐ星祭小島やよひ
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しみわたる果汁に酔いて月涼し萌黄多恵
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道端のパパイヤ売りのシャツの染み福朗
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群衆とドリアンの香やタイの市福朗
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朝凪や多彩に雑多並ぶ市ミテイナリコ
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朝曇野菜か果実かは不明ミテイナリコ
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一服の土手に齧れる巴旦杏花菘
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シクロ揺る上司と二人風死せりヘイくん
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炎昼やメモ九番目のバインミーヘイくん
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旅行けば長閑に眺む市場かな耄碌爺
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夏の果て籠に休まる生果かな白庵
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裂け日除け越南市場ふと怖し和脩志
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秋の朝満艦飾の野菜棚結城碧都
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高熱の喉にしみこむ青蜜柑結城碧都
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薄暑のペイズリー亡き祖母の影春瑛
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溽暑の喧騒塵と完熟の香春瑛
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サイゴンで聞く英語かな西瓜売音無浮草
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ジャングルに祖父母も摘んだ青蜜柑音無浮草
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梅雨晴間露店の果実満艦飾順孤
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クレヨンの色全部ある夏果実順孤
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カットメロン指す二男の手遠慮がち碧月ゆう
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いちご串恋のみくじに揺れる母碧月ゆう
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裏通りアオザイ選ぶ風涼し三日月なな子
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夏の雲バイクめがくるモンスーン三日月なな子
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ベトナムの市場を闊歩マンゴーと逍遥遥
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母待つや七夕竹の土煙り高見 正太
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朝市の賑わい消ゆる夏燕高見 正太
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床店でとりどりぎしり夏果実古乃池 糸歩
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割引に買いし西瓜の二個重く古乃池 糸歩
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蝉殻の戦隊ごっこ市場の子ラテ
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トロピカル露店フルーツ色さやか飯島寛堂
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雨奇晴好アオザイ白き蓮華咲く飯島寛堂
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朝市の蜜柑パンパンエコバックなみきたか
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はしゃぐ声ボールプールを泳ぎきれなみきたか
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糠床に紺青くつきりと新茄子えりち
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手押しカート二往復目の柿一つ餃子大王
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釈迦頭の甘さ広がる炎暑かな睦花
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夏の果アオザイに透く白き肌飛穂
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風澄みてベトちゃんドクちゃん蓮の花松高法彦
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ベトナムも日本も同じ夏の月松高法彦
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常夏月ネットサーフィン楽しめり未来(みらい)
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笊盛りの売り子は売れぬ夏帽子未来(みらい)
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アオザイが翻りけり真桑瓜恒産恒心
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かご持たず市場歩きや南風中島タカシ
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朝涼しまつすぐ歩く露店道中島タカシ
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荷出し終え作業靴より苺の香ただなかのめ
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荷捌き所で仮眠炎暑の試験前ただなかのめ
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星涼し街にバイクの音消えて正宗一孝
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甘酸っぱい青空市場終戦日正宗一孝
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マンゴスチン売り娘の白い八重歯かな相模乃バンブー
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ベトナムの市に漂う鮮魚の香相模乃バンブー
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山盛りのトマトをひさぐ婆の声陽
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南国の青果ずらしたサングラス朝陽薫
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灼くる夜の到着ロビー目と目と目閑陽
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朝市の姥よくしゃべる汗拭ふ朱鷺
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夏の燈に作陶談義市の主朱鷺
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アオザイの少女脱皮す熱帯夜ガリゾー
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稲穂波メコンデルタに師は今も寒芍薬
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カントーで病の友と家守聴く寒芍薬
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炎天下バイクかきわけ市場までろん
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山積みのマンゴー異国の市場光司
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風薫る籠を彩る玉樹の実村先ときの介
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風死すや熟れすぎた実の次々と光
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朝市を終ふ通りに風の色光
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カオス越え茅の輪をくぐる嬰児とあきの風さん
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寄り道はライチ目当てのサラダバーあきの風さん
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夏野菜売り子居場所を奪はれしえりまる
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南国の市場玉たる夏果実えりまる
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片蔭の異郷のスーク旅果てる長谷部憲二
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戦友の墓標よ供ふ水菓子よ長谷部憲二
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片言の値段交渉桃二つ老黒猫
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夢は又過ぎ行く夏やパスポート老黒猫
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サイゴンの名を残す川夏の蝶ちよ坊
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風死すや人影消えしベンタインちよ坊
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初めてのおつかい母のアップルパイ銀猫
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とりどりの夏の果実の歌響くUVA桜
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サイゴンの市場に巣くう夏ざわわUVA桜
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夏の果馴染み始めた黒真珠ひいらぎ
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枝ゆらす嵐のあした林檎煮るハイ・ミルン
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岬の里は夏柑に埋もれおりふみまろ
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お供への酸っぱいぶどう香りよしふみまろ
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アオザイの盛る果実や夏帽子一 富丸
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炎天の津波のごときバイクかな一 富丸
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常夏月舟に積まれし実と葉笠満生あをね
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祖母の買ふ鯨ベーコン南風満生あをね
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軍服の写真の父や終戦日上村 風知草
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夏雲や輪島の祖母は朝市女上村 風知草
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灼くる台北完熟マンゴージュース入道まりこ
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ドリアンに近づいてみる溽暑かなこきん
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サンダルやビンタイ市場値切り勝つこきん
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夏帽子袋詰めする顰め面北里有李
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夕立や霞む市場の極彩色妙啓
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朝涼の「ベトナムの桜」とコーヒー妙啓
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サイゴンの市にも葉つき青蜜柑佐藤さらこ
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外つ国でバナナ食らひて安堵の夜なか鹿の子
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満月に清福祈る砦かな千寿 ココ
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星月夜ガラスの石棺赤い旗千寿 ココ
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手暗がり朝焼け背にし市場道山本芳
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夏嵐夜行列車にグァバひとつ塞翁が馬
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名も知らぬ果実手にして秋を待つ塞翁が馬
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パッションで通じた我らトロピカル八重山吹
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山盛りのドラゴンフルーツ夏の空句織
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ぽんかんを詰めて単身赴任了春野つくし
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路地外れ涼風ぬける茶藝館やぎみか
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南吹く人熱れ電話の向こうやぎみか
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夏帽の売り子果実の赤さかな雄蹴
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回忌終へ秋果とりどり露店かな山尾幸正
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妻逝きてなほ二つづつ秋果かな山尾幸正
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白驟雨パサージュの硝子天井よ海里
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モノラック帰る実梅をこぼしつつ勇緋
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喧騒やクラクション鳴る走馬燈奥伊賀サブレ
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やっと冷めクラフトコーラライム磨る井上右彩
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パパイヤや市場のばばに目で値切る井上右彩
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夏蜜柑抱え子と吾とシニアカーぎゅうたん
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検索する『トライポフォビア』半夏生ぎゅうたん
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いらんかいね能登の朝市風涼しミツコ
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売れ残りで終わる気のない夏野菜こはる
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ホーチミンうだる市場や青田風呉暮子
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ホーチミンの市場にメロンありますか砂糖香
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荷ほどきの汗のとろみの果実臭鳥乎
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バス去りてワニ園ひとり夏の暮鳥乎
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量り売りの昭和の駄菓子晩夏かな山崎三才
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汗拭う果実煌めくマーケット森北
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山盛りのドリアン知るかサイゴンとバイカウツギ
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鳳梨の熟れた香満つる北緯十度はるを
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五斂子の切り口ひかる金魚玉はるを
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夏終わる店片付けて子の迎え麓 七紫
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市場濃くバックパッカー溽暑仰ぐ茶々麻呂
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薫風や令和二年のガイドブック夏葉
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売り人の品の声なり金魚草ならば粒あん
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のうぜん花異国語の降る夜市かな前田いろは
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日盛をしづかに熟るる果実かな前田いろは
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朝市の笑顔に負けて西瓜持つすうばあば
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西瓜買ふ身振り手振りの朝市ですうばあば
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炎天のカブの荷台にむずかる子三浦海栗
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夏野菜盛りだくさんなりラタトゥイユ卓子
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汗拭う売り子の婆のたくましき葉月
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喧騒の市の石鯛目は静か葉月
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朝市の西瓜たむたむ小さき手さざなみ葉
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フォーボーの具はどれですか炎天下さざなみ葉
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「あれ食べる」吾子が指差す青林檎紫峰
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市場いま夏の果実のあふるるを月城龍二
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鳳梨のたわむ売り場の香の重さ壇句芭介
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汗ぬぐう厚きドン札持つ店主壇句芭介
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短夜のそぞろ歩きや旅市場岳陽
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山盛りのトマト時差二時間岳陽
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七色の菜果の森で迷う夏つる
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麻織の編み目を薫風ぬける市美織
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青果売る母の真白き夏帽子美織
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夏帽子商い上手い母の声銀髪作務衣
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駅広場マルシェ飾る熟トマト苅桜守
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店前で30,000VNDと額の汗欣喜雀躍
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ドリアンを選ぶ手止めるカノンのアザーン火焔木の花
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威勢よく呼び込み響く夏の朝茶亜
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マルシェで迷子友の日傘は黄色夏蜜柑久楽
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売子の汗したるエコバッグはぱんぱん夏蜜柑久楽
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白南風や朝市立ちて人集ふイシカワナオキ
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異国語の渦巻き込まれ夏の朝イシカワナオキ
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同胞の旅路見送る初夏の市小花
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朝市で値段交渉サングラスめたぽ
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果物の色香鮮やか白雨かなめたぽ
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夏の果皆ひたむきに生きている江口朔太郎
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片かげり老婆の手からランブータン大月ちとせ
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Tシャツの迷路駆けゆく子は裸足大月ちとせ
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アオザイのミシンのうなる市場の暑天雅
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ペラッペラのシャネル溽暑の夜市よ天雅
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イランから友の絵葉書ソーダ水猫の前髪