第34回「ホーチミンの市場」《人》①

評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第34回 写真de俳句】《人①》
解放の旗よ真夏のサイゴンへ
ひでやん
夏の夜を鉈でかち割るドリアン屋
ひでやん
青蜜柑欲すセーオムはこりごり
留辺蘂子
龍の眼といふ果実あり雲の峰
留辺蘂子
ドリアンの舟や喰うかと日焼の手
佐藤儒艮
制服のアオザイの列風光る
佐藤儒艮
太陽へ底を掲げよ缶ビール
黒子
ドラゴンフルーツみな歩きさう夏の市
ゆすらご
マンゴスチン口中に種ひとつ夏
ゆすらご
蟷螂の軀を摘まむ露店商
内藤羊皐
八月の果実市場の濃く臭ふ
内藤羊皐
水中花咲きてランタン色の街
杜まお実
許されてメロンの皮を撫でてゐる
梵庸子
メコン川下るカヌーの秋田犬
奈良の真
第一局制す夏空のダナン
空木花風
冬の市蕪漬けは花屋の隣
やまだ童子
市場の匂い濃くて甘くて夏旺ん
森中ことり
潮香さえ奪われ線状降水帯
背番号7
豪農の名のマーケット抜け溽暑
背番号7
黒揚羽むかいの店もグルと知れ
夏埜さゆり女
西貢の釣りは飴玉蓮わらふ
夏埜さゆり女
客足のぴたりとぎれて南風
一生のふさく
おばさんが笑顔の方のみかん買ふ
風蘭智子
朝食はメロン海風の朝市
風蘭智子
枯葉剤無き綿菅の花に風
小池令香
スコールの市場を駆ける帰還兵
小池令香
舳先に西瓜メコンデルタに朝の風
冬島 直
ベトナムの朱欒冷やせよ塩ふれよ
冬島 直
スコールを逃れて二人ビア・サイゴン
海羽美食
猿園のガイドのなまり熱帯夜
青に桃々
ドリアンを食ぶスコールの指先を
青に桃々
丸つこき瓜盛られたるホーチミン
海峯企鵝
皺多き手に吊られたる島バナナ
海峯企鵝
風涼しデルタの夜の朱き酒
陽光
夜食のフォ啜るベトナム実習生
比良山
カタツムリのスープやスペインは春
藤井天晴
おすすめの林檎を買ひて帰る寮
藤井天晴
南国の夏シャツナイトマーケット
しみずこころ
ベトナムの果実売る子のピアス炎ゆ
城ヶ崎文椛
ランブータンの籠すり抜けてゆく守宮
城ヶ崎文椛
山積みの品の隙間で蚊をはらう
おぐら徳
汗の手や一掴み乗せ量り売る
おぐら徳
パパイヤや値段交渉後のおまけ
渥美こぶこ
青みかん大きく澄みし子の眼
渥美こぶこ
爆弾を仕込む括れたるピーマン
高橋寅次
パパイヤ売る少女に広きおでこかな
円堂実花
炎帝の産みしドラゴンフルーツよ
谷山みつこ
買おうにも秋果に店主埋もれてる
谷山みつこ
パイナップル「変わらないね」と嘘少し
沙那夏
捻り取る青パパイヤの汁白し
沙那夏
アオザイの白の目映ゆきビアホール
⑦パパ
パクチーは息子の係夏休み
⑦パパ
絵葉書はホーチミン発今朝の秋
ピアニシモ
とりどりの果実並びて旅の虹
ピアニシモ
動き出すマルシェ真白きこの炎天
古瀬まさあき
夏の恋パリの果実はほろ苦い
まっちゃこ良々
笊盛りの樹果のとりどり土用東風
ぷるうと
炭火爆ず朴葉の香る朝の市
稲垣加代子
荷車に甘蕉垂れ男は猿であれ
西田月旦
サイゴンの恋人は嘘檸檬噛む
中村すじこ
スコールをすり抜け君に似た誰か
中村すじこ
火を吐く売り声や火龍果
西村小市
山積みの竜眼肌脱ぎの店主
江藤すをん
炎昼の市を飛び交ふ「キロ五ドル」
江藤すをん
五千銅の茄子を市場に買ふ朝
山川腎茶
初市やひと山いくらてふ商売
山川腎茶
足縛り羽抜け鶏売る自由市
歩一
アオザイの少女よゑぐみなきバナナ
小倉あんこ
向日葵が咲う市場を通れない
けーい〇
市場へと続く夕焼の下り道
けーい〇
トマトがぶっあれは四年のともこちゃん
満る
元夫と彼女夜店に見失ふ
満る
青きパパイヤの香にひらく夜の底
天陽ゆう
百億を燃やす冥銭夜の秋
天陽ゆう
炎昼のホーチミン英語は苦手
白石 美月
市場より戻りて甘き髪洗ふ
まあぶる
蟻の道みだれて軍事博物館
千夏乃ありあり
バザールの万の果実や扇風機
千夏乃ありあり
25、000VNDライチは赤く路地の籠
小川都
よく切れる包丁西瓜がばかでかい
もぐ
アオザイの白き学生夏の風
絵夢衷子
切り分けるパイナップルを眺めし日
はれまふよう
仄暗き家路仔猫が後ろより
はれまふよう
イマジンをうたえ非戦のひまわりよ
啓子
スターフルーツ空にかざせば星流る
あすかきょうか
夏シャツや雨の匂ひのバインミー
あみま
墜落と連呼のラヂオ夏未明
渡邉 俊
カメレオン売る子市場は夏ひでり
渡邉 俊
日盛りや買物メモの見つからず
古都 鈴
パパイヤや義弟は聖きエトランゼ
うからうから
モンスターめく果実あり夏の市
胡麻栞
山盛りの果実マダムの夏帽子
胡麻栞
人波の鮮やか朱夏の香港路
星埜黴円
振り向けば茅の輪の中にケバブ店
星埜黴円
河童忌や名を知らぬまま買う果実
ふるてい
片言と身ぶりで値切り蓮の花
うに子
スコールや極彩色の市に虹
うに子
首筋にタツゥーの娘ライチ売る
義勇和爾丸
悪友の店のたこ焼き月見草
お天気娘
コンテナを積んで市場の月涼し
Q&A
朝涼や噛みちぎりたるバインミー
る・こんと
ムエタイのセコンド席のパナマ帽
る・こんと
近江町市場の桃の香の甘き
加賀くちこ
秋気澄む天秤棒のどのチェーに
さ乙女龍チヨ
竹風鈴バイクの音を聞き尽くす
広島 しずか80歳
日焼けした売り子は少し眠そうな
柊まち
ジャスミンの窓をかなしき弦の音
飯村祐知子
アオザイを着ればパパイヤ青き香よ
飯村祐知子
駆け落ちのバイク灼けをりサイゴンへ
みずな
自信満々なキミにもひとつ甜瓜(まくはうり)
みずな
肌脱いで占始まりぬ果物屋
七瀬ゆきこ
芒果噛む抵抗ほどを生きてゐる
七瀬ゆきこ
安南は灼けノンラーの果実売り
にゃん
日除はみ出てドリアンの山ごろり
にゃん
アオザイの裾ひるがへし大夕焼
蓼科 嘉
片蔭の店に佇む猫背の子
蓼科 嘉
紫陽花や留学生の四人部屋
キッカワテツヤ
片言の会話秋果を求めけり
竹田むべ
相乗りのトゥクトゥク驟雨追ひかけて
彩汀
路地をスコール龍眼は欲しいだけ買ふ
彩汀
倫敦の朝市りんご噛りつつ
こもれび
魚屋の声吸われゆく夕立雲
こもれび
アオザイはレンタル市場へ白日傘
赤味噌代
日除よりはみ出てマンゴスチンも山
赤味噌代
バイク溢るる今朝サイゴンは四月
ごまお
完熟の桃へフォークの落ち着かぬ
西野誓光
良く晴れて万の秋果の呼吸かな
西野誓光
赤玉葱命中す昼飲みの背
山葡萄
列車過ぎゆける屋台の虹ぴきん
小山美珠
籠台のコンテナたわむ秋果積む
トウ甘藻
紫陽花を真っ正面に雨宿り
堀尾みほ
南国の夏よ濁音多き果よ
花屋英利
玉砕の島のバナナの話また
越智空子
日盛やヌクマム香るマーケット
めぐみの樹
夏の朝匂ふ水上マーケット
不二自然
八角の薫る市場や夏の夜
せとみのこ
茘枝盛るテラスパーティ南風吹く
伊藤 柚良
朝市の主も客もあつあつぱ
大和田美信
夏空の市場よ妻の勇ましく
大和田美信
夕立晴HONDAひしめくホーチミン
大久保加州
荷の沈む肌脱の肩魚市場
大久保加州
夏市場ワゴン蹴散らすスタントマン
玉響雷子
乳房みな常夏月に果実めく
玉響雷子
仏壇のパパイヤやわく熟れにけり
ノアノア
ホーチミン市場の奥にハンモック
風花美絵
噎せ返る市場のにほひ熱射病
板柿せっか
タマリンド酸つぱし裸足こそばゆし
板柿せっか
朝食はバナナ一本立って食ふ
まちゃみ
利き腕のギプスは硬しライチ食ふ
小笹いのり
店番に軽口たたくパナマ帽
小笹いのり
道の駅はつらつ不揃いの秋果
山羊座の千賀子
ベトナムの刺繍の少女月涼し
ルーミイ
クーラー強上司ハワイの土産撒く
ルーミイ
盗まれるネムザン雑踏を驟雨
ひつじ
粘り過ぎるチェー裏路地を夕立風
ひつじ
炎天や蓮霧しやりりとみづみづし
東風 径
パパイヤの追熟ブランチは軽く
東風 径
荒南風や市場巡りしホーおじさん
間 静春
コンテナずらり朝採りのトマト買ふ
清白真冬
炎昼や釣り銭かごの紐だらり
清白真冬
船便はまだ来ぬ港驟雨来る
土井あくび
つながれて驢馬のまつ毛に百日紅
へな☆けん
大西日ピタヤの丸みてふ色香
鈴白菜実
街驟雨皿のアボカドまだ若し
鈴白菜実
黄落の異国朝市パンの香へ
幸香
初夏のパクチー熱々のフォーへ
糸圭しけ
山盛りの果実炎帝へささぐ
ブチ猫
夏蝶や母の抽斗からZippo
幸田梓弓
風鈴の位置確かむる議長国
幸田梓弓
足元のじるき市場の蝿叩
国東町子
派遣先夏の終わりのホーチミン
百瀬はな
マーケット歩いて食べて夕焼けて
百瀬はな
果実におのおのの艶喜雨亭忌
郡山の白圭
トゥクトゥクの果実は跳ねる夏の雲
郡山の白圭
気前よきマンゴー売りのバイク来る
でんでん琴女
店の裏ベトナム蟻の長き列
でんでん琴女
虫払うマンゴー売りのノンラーよ
岡本かも女
山積みのドリアン携帯に訃報
岡本かも女
片言の異国語パパイヤを値切る
喜祝音
パスポート胸に熱帯夜の屋台
喜祝音
指先のももけた軍手冷やし瓜
笑田まき
リエンウーひとりぼっちじゃない孤独
宙海(そおら)
凌霄花あの信号には間に合わん
河豚ふく子
わらわらと紫紺朝顔線路土手
河豚ふく子
ベンタイン市場蛙捌く女
ひよこ草
アオザイの仮縫い待ちぬ月涼し
小川さゆみ
朝市のなまずバナナの葉に横たふ
仁和田 永
熟るる香に酔うて異国の市の夏
仁和田 永
店主が奥に居るが唐辛子が滝だ
いかちゃん
八月や果実は球体にあらず
いかちゃん
刺繍入りサンダル片言の売り子
伊藤 恵美
釈迦頭を割るサイゴンの日除かな
深山むらさき
青梅やお釣りの笊のよく弾む
東山すいか
パイナップル腐り切れない不発弾
東山すいか
笑うのは悲しいからよ菊膾
里山子
ホーチミンの月がまんまるで泣いてる
里山子
朝虹や五玉そろばん載るリヤカー
あまぐり
ドリアンの致死量ビールなまぬるし
このみ杏仁
炎天のバザール三個千円から
おおいおちゃ
異国語の値札の端の欠けており
幸の実