第34回「ホーチミンの市場」《人》②

評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第34回 写真de俳句】《人②》
サンダルにスコール異国の歓迎
まこ
隼人瓜の奈良漬父の三回忌
もりたきみ
とりどりの果実虹立つベンタイン
雪音
噛みしだく果肉異国の熱帯夜
雪音
野良犬の咥え過ぎ去るバナナの香
三浦にゃじろう
マンゴーや貨幣覚えぬ旅となり
こたま
一色の秋果購ふ銃は置く
池内ときこ
秋果並べて公国を自称せん
池内ときこ
夕涼み竜眼かじる子の前歯
碧西里
ノンラーの灼くる路上の行商人
碧西里
山積みのフルーツ眩し夕立あと
香亜沙
夏の色積み上げている供物台
佐藤香珠
ドリアンの匂ひバイクの四人乗り
岩本夏柿
真桑瓜托鉢僧の和き髭
西川由野
無愛想に試食切り分くアッパッパ
西川由野
中途難聴ピーマンから出られない
あなぐまはる
陰口を言われ青蜜柑の歪
あなぐまはる
さびついた目になぐさめのシャワーやる
四條たんし
この果実食ったら夏風つかまえよ
四條たんし
驟雨駆けだすアオザイの孔雀色
平本魚水
鷲づかみしてホアさんの唐辛子
平本魚水
折り筋の淡し青林檎は甘し
宇野翔月
十四時のかき氷あと二杯いける
染野まさこ
山積みの干椎茸や朝の市
黒猫
炎昼や青果市場のがらんだう
栗田すずさん
るうるうと熟るる無月の市場かな
栗田すずさん
炎天下ドリアン甘く息止めて
福島 宮隆
夕立や星の形の果を食す
福島 宮隆
釣り銭籠揺れる市場のかき氷
むらのたんぽぽ
梅雨寒の就活湿気た花屋の香
むらのたんぽぽ
風死すや邦語聞こえしマーケット
秋白ネリネ
朝市の鱸漁師の捌き方
だがし菓子
店番は教頭園芸科のトマト
だがし菓子
蜜柑散乱北京行寝台車
栗の坊楚材
ラジオよりガムラン店番は昼寝
栗の坊楚材
夏の夜や魔除けのリャマの木乃伊買う
丸山隆子
バス停の婆ら島口仏桑花
かのこゆり
生業の滾り鎮めて夏の月
むげつ空
市場彩々扇風機ぶおんぶおん
むげつ空
青果売る小舟スコール過ぎし河
末永真唯
戦争の新聞包む真桑瓜
末永真唯
釣り銭を入れる菓子缶錆びて月
片野瑞木
山盛りの火龍果てふ晩夏
片野瑞木
アメリカの正義とやら西瓜熟れる
丹波らる
涼風や越南の僧堂を掃く
風友
鉄風鈴わたる越南の僧堂
風友
捥ぎたての杏子皮剥く漢かな
小林 昇
爪立てて剥く龍眼の甘し朱夏
ゆりかもめ
曲がりだす胡瓜いきいき職を辞す
花南天あん
ボンジョルノ市の秤にトマト盛る
旅路
日本製の列車の窓を蓮の池
王朋亡
こんもりと風に返るや蓮青葉
シュリ
しわくちゃの札の行き交ふ汗の市
龍の珠
マンゴーの緑陰椰子の実の露店
龍の珠
廃屋解体金柑はちりぢり
かおりんご
さくらんぼ全滅今朝の鳥の影
かおりんご
パプリカを噛る一人になれた日は
実來
白日傘傾ぐ一箱古本市
沢拓庵
食細る祖父と完熟パパイヤと
あさいふみよ
バラードを最後の林檎落ちるまで
緒方朋子
スコールにグアバ皮ごと喰らう子ら
立田鯊夢
ノンラーの下の微笑み朱欒に塩
立田鯊夢
空豆や単身赴任の父帰る
紅緒
炎暑来るロックダウンのマルシェにも
紅緒
おつかひの小犬とことこ市の秋
渋谷晶
うづたかき秋の果実や朝の市
渋谷晶
朝の市抜け新涼の浜のヨガ
澄海まさと
ミサイルの街朝市の瓜しづか
澄海まさと
片陰や客待つ黙の露天商
青葉茶々
ハノイの蒸炒や旅の最終日
青葉茶々
赴任地はパイナップルの似合ふ空
無何有
生き方がわからない青唐辛子
沖原イヲ
夕月夜コーラン満ちる旧市街
宇佐
アオザイの白よ異国の卒業式
野井みこ
弔ふに火土風鳥夏の月
ま猿
スコールの去りてマルシェの第二幕
釜眞手打ち蕎麦
かき氷飲み干しフリマの叩き売り
九月だんご
盲たる川海豚へと星流る
夏椿咲く
石榴の実開いてひかりの賑々し
夏椿咲く
面接に至らず処暑のマンゴスチン
ひょんすけ
月光や市場の影の濃くなりぬ
ひょんすけ
炎天の市場抜けるや星の砂
山河深秋
殺人の現場の店の供花ビール
摂州黒うさぎ
よく知らん果物スコールの軒に買う
澤村DAZZA
サングラス外すバザール果実の香
無花果邪無
芋の茎クチトンネルの厨かな
千鳥城
西瓜弾いて売り出しの嗄れ声
かねすえ
朝曇りの市場千日紅の束
前世ニャン子
犬眠るアユタヤの濃き片かげり
超凡
星涼し露店に石鹸のはちす
超凡
七夕の夜の西貢に割るドリアン
としなり
山盛りのドラゴン五万ドン溽暑
としなり
テーブルのパイナップルは偉そうで
藍創千悠子
いつものフォー右耳の仏桑花
酒井彩香
三十分日本の話時計草
酒井彩香
日雷ライチの殻に爪を立て
冬三
花売りの日焼けの目尻皺深し
千代 之人
曙の市場の湯気とごめの声
千代 之人
朝市の屋台の粥の韮の香よ
じゅあ
火の色の藩茄ホーチミンの喧噪
中岡秀次
サイゴンの残照として火炎樹は
中岡秀次
手仕事や青山椒の瓶三つ
風子
朝霧へクチの死者市場の無言
泉晶子
転がつて倒れる硬貨夜店の灯
里すみか
炎天の一基モニタリングポスト
しゅな
木登りはこの木だったか蝉時雨
べびぽん
西瓜切るチャンネル権は今日も父
髙橋みりぃ
軍物のZIPPO「千ドン」日焼の子
星 秋名子
鱈の値を問うて訛りの聞きとれず
丸山歩
恋人やぬるきライチを剥きくれし
きみどり
炎昼の市場のシルク値切りけり
広瀬 康
ヘリの音せぬサイゴンの夏空よ
梅朶こいぬ
夏の朝ホーおじさんの歌かすか
君君
蓮咲いて来遠橋をゆるき風
三月兎
混濁の川面の賤家マンゴの木
菜活
桃売りの漢半裸の猛々し
菜活
ホーチミンの夕焼け鼻歌はサッチモ
古比 頼多
雑踏に汗と埃の混じる風
人生の空から
ドリアンの腐りゆくダナンに溽暑
水蜜桃
ベンタンの溽暑へスーパーカブの群れ
水蜜桃
アオザイのライダーの列道灼くる
山陽道芸樹
日盛やベトナム笠の紐赤く
山陽道芸樹
晩婚の子や初めての梅仕事
成実
夕焼の市カオ・ルーは陽の匂い
苫野とまや
千ルピーの薪に焼く死屍罌粟の花
春花みよし
喧騒を啜る市場の水冷麺
春花みよし
夏暁やコーヒー淹れて聴くニュース
石澤双
ベトナムの市場の隘路塵の炎ゆ
あけのそら
スコールやスパイス匂う屋台街
紺太
異国二年林檎が果肉まで赤い
あいいろ小紋
熱帯の果実みづみづしき異形
卓鐘
スコールに借りる軒さき買うライチ
きのこオムレツ
影多し八月の夜のマーケット
葦屋蛙城
鳳梨売テントの撓む雨だまり
葦屋蛙城
ホーチミン汗ばむドルの両替所
彩明
片言のパパイヤ売りやホーチミン
彩明
ドリアンの臭う市場や朝曇
風かをる
炎天重しセコハンのバイク音
笠井あさり
光溢るる赤帝の青果台
濃厚エッグタルト
草笛やバイクの風はホーチミン
加賀屋斗的
白服やパクチーの香の朝市場
秋熊
釣り渡す曲がった指や海の家
花星壱和
朝市の刀自の猫背や瓜冷す
村瀬っち
五種のゴイクォン分け合うダナンの夏
すいかの種
日盛りの店番焼きそば食う老婆
すいかの種
夕陽九十パーセントのマンゴー捥ぐ
けら
パクチー特盛り市場は六時から
けら
人混みを来て夏の夜のカオマンガイ
橋本こはく
二十日目の砂漠の果ての緑蔭よ
むい美縁
キャラバンの荷下ろす庭や星涼し
むい美縁
絵葉書や日本人学校は夏
なみこまち
ローマ訛飛び交ふ市の西瓜かな
彼理
炎天や売り子の婆はけんか腰
世子
夜濯ぎや外国の風笑ってる
団塊のユキコ
ベンタイン市場の雑踏奔る羽抜鶏
来冬 邦子
夏の夕乳を揺らして婆笑う
レディ咲瑠恋
汗の子やピタヤ食べきるまでの空
ミンコフスキー
片陰の銭篭降ろす市場の子
アツヒコ
春雨へのらり始まる朝の市
紫月歪丸
汗匂ふ越の市場を帽子売り
駒村タクト
グェンさんのアオザイ買えば夕立晴
田畑 整
しばらくを団扇にやすむ露天商
おさむし
店番の合間の氷菓電話鳴る
望月美和
失恋の夜やトマトに齧り付く
いくたドロップ
炎昼や果物市に迷い犬
桜貝
マンゴスチン値切る溽暑のベンタン市場
山内彩月
アオザイの裾風をよぶ片かげり
山内彩月
白桃の産毛ちりちり一周忌
伊予素数
炎天やバイクの群れのこんこんと
高山佳風
アジアへの航路月夜を蝶渡る
十月小萩
椰子に鉈ふるうアジアのあっぱっぱ
十月小萩
海猫や朝市の声ひびきをり
石川潤子
大谷の空振り三振みかん剥く
石川潤子
スコールの軒下せめぎ合う無音
曽根朋朗
退社決む旅の溽暑の朝市に
瀬央ありさ
吊るさるる豚足や溽暑の市場
あおい結月
片蔭や現地ガイドの厚きメモ
梅野めい
風死すや市に家鴨を屠す女
ゆうじい
パパイヤは熟れて重くて5バーツで
植木彩由
白桃をしやぶる指痕ごとしやぶる
植木彩由
スコールや市場の棚に潜む猫
欅山四十八景
冷し瓜育ちし家は大家族
杜野みやこ
朝市や三万ドンの青マンゴー
骨のほーの
給食のフォー三階は南風
骨の熊猫
ファーマーズマーケット立つ野分晴
藤本花をり
甘夏を貪るひとりずつの部屋
望月とおん
スコールに身体を洗う市の孤児
星子
安宿のベッド熱帯夜の聖書
たまさもち
横断のコツ得て虹の朝のフォー
たまさもち
時計塔目指すシクロの夏帽子
白猫あんず
涼しさやライム積み足す昼の市
ぞんぬ
ゆきあひの空流れ着くバナナの葉
ぞんぬ
溽暑なるタイおしぼりの香はジャスミン
堂園 穂世
桐箱にマンゴーひとつ夏便り
雪うさぎ
まんごすちん齧りて夏の異邦人
ノセミコ
ライチ食む咽喉に瑪瑙を飼ふやうに
ノセミコ
なんばんの花は絹糸夕日さす
ピンクアメジスト
優勝は青果部秋の対抗戦
清瀬朱磨
果物の馬の混じるや盆の月
清瀬朱磨
青空に大幟立つ大祓
小花風美子