第34回「ホーチミンの市場」《人》③

評価について
本選句欄は、以下のような評価をとっています。
「天」「地」「人」…将来、句集に載せる一句としてキープ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
「並選」…推敲することで「人」以上になる可能性がある句。
「ハシ坊」…ハシ坊くんと一緒に学ぶ。
特に「ハシ坊」の欄では、一句一句にアドバイスを付けております。それらのアドバイスは、初心者から中級者以上まで様々なレベルにわたります。自分の句の評価のみに一喜一憂せず、「ハシ坊」に取り上げられた他者の句の中にこそ、様々な学びがあることを心に留めてください。ここを丁寧に読むことで、学びが十倍になります。
「並選」については、ご自身の力で最後の推敲をしてください。どこかに「人」にランクアップできない理由があります。それを自分の力で見つけ出し、どうすればよいかを考える。それが最も重要な学びです。
安易に添削を求めるだけでは、地力は身につきません。己の頭で考える習慣をつけること。そのためにも「ハシ坊」に掲載される句を我が事として、真摯に読んでいただければと願います。
※結果発表欄では添削した形で句を掲載する場合がありますが、「マイ句帳」に収録される句は投稿した段階の句がそのまま保存され、投稿以降の修正や削除は不可となっております。予めご注意願います。
【第34回 写真de俳句】《人③》
曇天やマンゴーライス買う屋台
いたっくうらら
驟雨過ぐ風立つ市の青魚
楽奏
朝凪や舟の往きかふマーケット
シナモンティー
電卓の会話店主の麦わら帽
青居 舞
沈丁の香や雑貨屋のゴブリン像
青居 舞
ベトナムの珈琲甘し秋近し
織部なつめ
足裏に卍ニャチャンの涅槃像
織部なつめ
吊り下ぐる豚足の列沖縄忌
赤尾双葉
日本語のうまい売り子の手にバナナ
きみこ
TシャツはHawaiiのみやげ盆踊
麦のパパ
言ひ訳はせぬ子の帰国花曇り
紅三季
トゥクトゥクの春埃立つマーケット
紅三季
青々と肥える胡瓜の怖ろしや
海野ちきまる
市場へとバイク沸き立つ道を汗
たかみたかみ
暑き日や荷台揺らして三時間
まこく
真っ正面から炎帝に縊られる
雨野理多
スコールを避け満席のカフェテリア
すずきあんず
尻尾ある干物の屋台はえとり紙
日々の茶めし
スコールの店の賑わいトムヤムクン
日々の茶めし
瀬音近し盆供は影を流しけり
舟端玉
咲かぬまま朽ちゆく薔薇の棘痛し
なおちゃん
怒声交う肉屋の蝿のぶん回る
くるぽー
鳳梨切る屋台の値札日曜日
くるぽー
寄る馬の呼吸の熱き旱星
烈稚詠
ピタヤの実の屋台に打ちつける雷雨
烈稚詠
バインミーに押しこむハーブ夏の風
だいやま
夏暁の屋台にちぎるコリアンダ
だいやま
越南(ベトナム)の甘蕉(バナナ)房ごと買ひにけり
ときちゅら
茘枝剥く母譲りなる神経痛
いそのつる
知らぬ名のフルーツを手に日焼けの子
おかだ卯月
マンゴーの陽の色竪琴は歌ふ
おかだ卯月
常温のドラゴンフルーツ朝曇
紅紫あやめ
開店の合図せわしい扇風機
紅紫あやめ
遠雷や市の売り子の越南語
はなぶさあきら
着ぶくれて市の支度の手際かな
太之方もり子
溽署のホーチミン子の足に砂
べにりんご
ブタガヤ灼くる仏像の眼は印度
千里
截香の札の崩し字龍淵に
北欧小町
アオザイや一人ましろく卒業す
阿部八富利
ベトナムに握る胡瓜の図太しや
阿部八富利
列車来てやおらパラソルたたむ市
横山雑煮
裸より買う得体の知れぬ果実
横山雑煮
一キロ一万ドン一人旅のバナナ
津々うらら
大西日市場ふすふす発酵す
津々うらら
仕事おさめ実習生におごるフォー
朝野あん
風死してランブータンの持ち重り
雨野雀雨
パパイヤは青し市場の鳥瞰図
雨野雀雨
春節の皿いっぱいに海老の殻
ガラパゴス
堆きサンダルマーケットは迷路
千歳みち乃
停電の市場炯炯たる檸檬
千歳みち乃
微かに炎ゆ異国の市の甘き腐臭
灯呂
助手席に任地の西瓜父帰る
かなかな
畔駆けて追う兄の背や夏の露
あおみどり
ファムさんのあいづちマンゴ二個おまけ
文月蘭子
アオザイの子らの「おはよう」日除越し
文月蘭子
夏シャツの肩に2キロのマンゴスチン
木香
トライシクル洗って磨くパパイア樹下
踏轍
越南も雨季です風もきれいです
あなうさぎ
ランタン灯りてホイアンの夜の澄みゆけり
あなうさぎ
片かげり極彩色の市の声
明後日めぐみ
サイゴンの匂いは消えぬ苧麻のシャツ
曾我風蘭
ベトナムの市場見学夏休み
律
蝉の殻旅の絵はがき黄ばみをり
雪男らぶ
台湾夜市の金魚人工色斑
紫黄
誘蛾灯灰汁色に沸く臭豆腐
紫黄
まつすぐに薫風駆けゆく竹の国
猫雪すあま
油照あゝ山積みのドリアンよ
福原あさひ
ベトナムの市場の婆の蝿叩
福原あさひ
いぼいぼの胡瓜ごろごろ無人市
楽和音
痩せ犬の寝そべる炎昼の市場
春のぽち
原色の果実かじって驟雨来る
春のぽち
掌に小銭の匂ふ夜店かな
小町ちまこ
かなしみやライチに立てる爪震ふ
小町ちまこ
果物の名前を五十夏休み
佐倉英華
香草は笊に山盛りフォーに蝿
島田あんず
風死すやアルミ盥の魚市場
島田あんず
船上にマンゴーの香や夏の月
充子
屋台の痩せ犬よパクチーが美味い
トヨとミケ
ランブータン売り子の青いゴム草履
やしたあきら
国境のバス停向日葵の売り子
田季たまき
茘枝買う節くれだった手から買う
なないろ
串刺しのパイン二本め旱星
奏美和
越南の女の汗は市にあり
砂月みれい
炎昼や市場山積み魚醤の香
浅原多道
コーランの大声黄蝶見失う
ふづきかみな
夕立や市つっ走るオートバイ
西村緋色
フビライを退けし地やライチの香
錆鉄こじゃみ
畜魂たゆたふ語り部の向日葵
稽古
熱帯のペンタン市場バナナ積む
望月円
すいか割る店舗犇くペンタイン
望月円
夜濯ぎやキロ売りのボー五万ドン
松下眞す美
島に風もいでバナナを食らう朝
宇久令々
蠅留まる裸の鶏の脚掴む
道見りつこ
ベトナムドン渡して山盛りのライチ
常磐はぜ
露涼し荷台に眠い子と犬と
七味
チリ塩のマンゴーサラダ月涼し
木乃芽依
翻るアオザイ夏の蝶止まる
木乃芽依
仲間へ短歌父の八月十五日
とひの 花穂
(一九九〇年ベルリンにて)壁のかけら八月のフィルムケースへ
とひの 花穂
銃跡の遺跡煉瓦の炎熱に
鈴なり
沙羅咲いて黄濁色に濡れる国
螺原トモ
新盆のにぎわい去りぬ雲一つ
草栞
朝明けのアオザイの娘の買うバナナ
智空
花ざくろ鳩の啄む水たまり
久蔵久蔵
軒下の揺り椅子二脚夏の雨
めいめい
グェンさんがしわがれ声で売る苺
のさら子
路地裏のムエタイジムや仏桑花
のさら子
スーパーのドリアン臭し夕涼み
こころ美人
日盛りのシャワーのやうにクミンの香
岸野ゆり
一ドルの氷ばかりのソーダ水
四季春茶子
東京の母にも母や夏暖簾
銀紙
新聞に包む鮭買うハンブルク
含
風に在るスコールの棘にほひ来る
渥美 謝蕗牛
店番の椅子扇風機は真正面
渥美 謝蕗牛
白桃を剥かん敗れし闘犬に
葉村直
夕立や絶えぬ屠鳥の鉈の音
葉村直
マルクトにSHIITAKEの文字夏愉快
水きんくⅡ
桑港の市二巡目に指す李
水きんくⅡ
水菓子の熟れゆく市や蝿叩
理佳おさらぎ
暑き夜を千のランタン百の色
佐藤レアレア
日覆の犇く空や蚤の市
佐藤レアレア
ホーチミンの朝市山盛りの茄子
立石神流
パパイヤの生春巻きに透ける夜
立石神流
ココナッツウォーターぬるき遊び舟
今井モコ
シシカバブ匂ふ市場や大夕焼
てんむす
青蜜柑男子リレーの五人抜き
ザイコン
ブブゼラの音炎天の市場へと
コンフィ
野菜売るテントの骨の守宮かな
コンフィ
ピンチョスを二本夏旅始まりぬ
立川猫丸
辻店のガロへ潮風スパイス忌
立川猫丸
檸檬ごろんごろんと破る因果律
花筆文字
商談はご破算パイナップル刳り貫く
たーとるQ
初乳を含ませ生糸のやうな月
秋野しら露
チョンプーはシャリシャリざわめきは暑し
松本厚史
蝿取紙にサイゴンの甘き風
柿司 十六
マンゴー熟るパスポートは期限切れ
谷川ふみ
龍眼を籠ごと嗅ぐや南風
卯波まり
返り梅雨結婚しよって言ったじゃん
青井えのこ
異国語のべたつく市や朝凪ぎぬ
青井えのこ
胡瓜揉む婆の指リュウマチの指
種月 いつか
朝市の跡形もなき片かげり
せんかう
白熱灯瓜剥く母を囲む子ら
峠の泉
越南の夜店まぶしや朱に金に
ほーさく
店番と蜥蜴ねむらせ市の昼
たじまはる
溶けかけの氷菓食ふ番台の中
伽葉子
花市場巨大バケツの並ぶ夏至
かんせつ
肌脱ぎの老婆に求む棘ある実
せなきく
顎ひげは東京かぶれ扇風機
慈夢りん
秋の暮犬に肉片やる店主
花豆
歪さも愛し胡瓜と伯母の文字
うーみん
丸焼きの子豚の艶や秋さびし
ふのんへん宗悟
トゥクトゥクはエンコレモン水酸っぱし
かりそめのビギン
薫風や猫の肛門うすピンク
かりそめのビギン
朝顔や生みたてたまご先着順
志きの香凛
函館の市や唐黍かぶりつく
雪花
西瓜喰む明日は陣痛促進剤
おおい芙南
釈迦岳の鎖場檸檬甘味めく
水鏡新
施餓鬼棚父の知らない果実盛る
智隆
常夏のフルーツよりどり五万ドン
小野蒼水
仏桑花やヴィンギエム寺の僧侶たち
菜緒木モカ
サイゴンの蝿を払うや朝の市
瞳杏
殺処分罪なき鶏の墓標は虹
水越千里
日ざかりや売り子の唇の皆薄し
朗子
天幕を叩く夕立やフォー熱し
多数野麻仁男
掌中に熱噴くマンゴー喉渇く
萌黄多恵
風死してクラッカーぽそぽそと噛む
ざぼん子
溽暑なり澄んだ目の牛売られ行く
茜咲
夏の市籠に溢るる異国の実
茜咲
朱夏の市メコンの青に生まれけり
青田道
「グアバ一つ」身ぶりで値切るサングラス
青田道
檳榔の涎の染みたアロハシャツ
清水縞午
桃熟れて少年兵の喉仏
清水縞午
マニュキアの剥がれて温きビールかな
睦花
片言の英語で値切る鳳梨かな
恒産恒心
客待ちの移動スーパー扇風機
陽
夏暁やコーラン響く朝の市
閑陽
ホーチミン市場の熱き夜の深し
ガリゾー
日曜日セロリ飛び出す紙袋
銀猫
水を飲む語り部八月のしじま
ひいらぎ
みだりなるドリアン炎熱の市場
粋田化石
緑陰のマルシェに揺れる万国旗
春野つくし
冷麦を待つ丸椅子の硬さかな
雄蹴
産褥に龍眼スープ日の盛り
幸島猿子
驟雨止みドリアンにほふ昇降機
幸島猿子
パパイヤといふ赴任地を生きる糧
勇緋
香薷散量り竜眼三房かな
奥伊賀サブレ
赤かごにライチ盛り上ぐ海南風
となりの天然水
潮風に蓮のまろ葉のうらおもて
となりの天然水
夏暁やスーパーカブで五台抜き
呉暮子
南風や香る青果のピラミッド
風花舞
蓮開く市場始まる合図かな
風花舞
胡椒餅肉汁の飛ぶ汗の飛ぶ
海老名てんてん
やちむんの碗の緑や南風(ふぇーぬかじ)
海老名てんてん
手のひらに雨と葡萄の香り受く
夏村波瑠
桜桃忌雨季の国よりエアメイル
夏村波瑠
夏の果龍眼ぐにゅと噛みつぶす
三浦海栗
店員の笑顔が怖いあっぱっぱ
欣喜雀躍
夏の果手にすっぽりとマンゴスチン
細川鮪目
翡翠に開闢の朝残りけり
細川鮪目
スコールに追われパサール魚醤の香
火焔木の花
毟られた羽炎天の大通り
江口朔太郎
筍の笊に泥あり朝の市
藤央
籠バッグあります檸檬くださいな
さく砂月
初春の郵便局ホーチミンの肖像画
のんきち
青マンゴー種に焦土の記憶あり
猫ずきん
店番の代理を待っている溽暑
ぜのふるうと
薬局の茄子は三本二百円
丸井たまこ
お通しはゴーヤ有休一日目
丸井たまこ
嗅ぎなれぬ異国のタバコ熱帯夜
冬野とも
蠅ぶんぶん美食悪徳並ぶ市
沼野大統領
炎昼や交差点只中のシクロ
沼野大統領
西貢の市やあななす引つ提げて
伊藤映雪
あななすぶつた切るかじりつく歩く
伊藤映雪
人いきれオルガンのファが鳴らぬ夏
うめやえのきだけ
朝ぐもり痩せたつがいの鶏を売る
山本美奈友
リヤカーのどんどん朝凪の市へ
百瀬一兎
電球の眩しき光杏買ふ
日光月光
あの角の先は片蔭むかしから
ふく
アオザイと市巡る朝夏の空
上村縷々
炎天下チャドルの影寄る水飲み場
秋色
酷陽の砂漠に西瓜は蜜湛え
秋色
サイゴンに風市場には日日花
歯科衛生子
安定期プラム貪る半夏生
史周
御供えのバナナは人間より硬い
よしぴこ
黙祷も灼けてパイプ椅子も灼けて
よしぴこ
青梅を母と黙って割る夕べ
小月
異国の実あやしみ眺む夏の旅
香月悠
夏空や越語訛りのホテルマン
梅田三五
マンゴーの香の重だるき梅雨の朝
かたくり
片蔭やキン語で値切るマーケット
海色のの
スコールや昼は屋台のバインミー
星鴉乃雪
熟れた香のバナナたんまり積むバイク
星鴉乃雪
常夏のベトナム果物売りは寡婦
春駒
ベトナムの溽暑戦場は街となる
春駒
ガーヌン狙う吊篭の蝿二匹
あねもねワンヲ
五斂子の歯ざわり涼し運河ゆく
川代つ傘