俳句deしりとりの結果発表

第23回 俳句deしりとり〈序〉|「とう」①

俳句deしりとり
俳句deしりとり〈序〉結果発表!

始めに

皆さんこんにちは。俳句deしりとり〈序〉のお時間です。

出題の句からしりとりの要領で俳句をつくる尻二字しりとり、はじまりはじまり。
“良き”

第23回の出題

兼題俳句

老僧を殺める夢や夾竹桃  満る

兼題俳句の最後の二音「とう」の音で始まる俳句を作りましょう。

 


※「とう」という音から始まれば、平仮名・片仮名・漢字など、表記は問いません。

句後の後悔ジャケットが重い

青井えのこ

俳人あるあるで共感度の高いネタ。「あ~季重なり、やっちゃってた~!」とか「仮名遣い間違えてた……」とか、あるよね。それ以前に「最初作った時はいい句だと思ってたけど、出したあとよく考えたらそうでもない気がしてきた……」とかね。共に前を向いて歩いていきましょう。重いしジャケット脱いじゃおっ。
“良き”

園を拒否する四肢や青嵐

秋野しら露

子育て中の親として「四肢や」の詠嘆の効き具合がお見事というか、お見事すぎてげっそりするというか……。いったいどこからそんな決死の力が発揮されてるんだい? ってくらいに踏ん張ってくるよね、子ども。「青嵐」が環境的にも心情的にも効果を発揮していて良い取り合わせ。
“ポイント”

日目の遺影頬杖して蜜柑

餃子大王

読み方によって解釈の分かれる句。「遺影」のあとに切れがあると読むか、あるいは助詞が省略されていると読むか。前者であれば、看取りを終えて十日目の少し喪失にも慣れつつある虚脱。後者であれば、省略されている助詞は「は」や「が」など。すると、頬杖をついた遺影に対する描写の言葉になります。頬杖をついた遺影っていうと、太宰治や芥川龍之介みたいでかっこいい。

が、そもそも「十日」は「とう」で良いのか? 辞書で調べて見ると「とおか」「とをか」が正しいみたい。日常の発音として「とうか」と感じる感覚は理解できるけど、厳密にはしりとり未達成なのよ~残念!

“とてもいい“

京生まれ名はたかといふ木の葉髪

山崎三才

「とう」で始まる単語を探す……までもなく、日本の首都「東京」は日本人ならだれもが知っている言葉。《山崎三才》さんの上五中七はなにかの小説や詩に着想を得た言葉なのかしら? 調べてみるも正解には行き着けず。木の葉髪との取り合わせが明治の文豪っぽい雰囲気。元ネタ無しで考えついたのだとしたら、絶妙のセンスだなあ。
“ポイント”

京を救う鯛焼四百円

ヒマラヤで平謝り

同じ「東京」でもがらっと雰囲気が変わっております。「東京を救う」と大それたことを言ってのけて、いったいなにが!? と読者を惹きつけておいてから、庶民的な「鯛焼」が出てくるトホホ感。しかも「四百円」って割とお手頃な値段なのが良い意味でしょぼくてオチをつけております。飄々とした俳諧味。

“ポイント”

品に耳掻きのある余寒かな

髙田祥聖

まず状況が不思議。盗品の検分をしているのか? あるいは売買? 誰が? どんな状況で?? ……謎が謎を呼ぶのだけど、わざわざ危険を冒して盗み出されたであろう「盗品」のなかに細い小さな「耳掻き」がある違和感が詩になる。盗品として並べられているとしたら、ごちゃっとではなく、他の物と混じらないよう周囲の空間は広めに取られてるんだろうなあ。小さな耳掻きの姿が可笑しくももの悲しく、余寒と似合う。
“とてもいい“

三彩駱駝は首を反らし秋

飛燕

「唐三彩」とは中国の唐代(618年~907年)に作られた陶器のこと。貴族の葬儀における副葬品だったらしい。その中でもこの「駱駝」は唐三彩の代表作なのだとか。写真を見てみると、鞍まで細かに塗り分けられた駱駝が首を反らせた姿が出てきます。実際の姿がわかると最後二音に収まる「秋」が効いてきますなあ。駱駝の視線の先には中国の空が広がっていそうで。

《②へ続く》
“ポイント”